各地で話題の西條孝之介のラスト・アルバムが本日発売!

  • JAZZ
  • 新着ニュース

2008.12.26

  • LINE

  • メール
各地で話題を呼んでいる"和製ゲッツ" 西條孝之介のラスト・アルバムが本日発売!

★西條孝之介 / THE GOOD LIFE / CD / 2,800円(税込)

先日、9月に逝去されたジャズ写真家阿部克自さんお別れ会に出席してきた。
うっかり者のボクは開始時間を1時間間違えて早く着いた。まだ会場は慌しく準備中。其の時、評論家の小西啓一さんが流し始めたBGMに釘付けになった。まるでこの日の為に録音されたような、この日にピッタリな選曲で「ヤマモト君これ誰か分る?」と聞かれても只絶句して聴き入っていたのだ。そこで初めて西條さんの新録音盤であることを知り、曲が"THE GOOD LIFE & GOOD BYE"であることを知った。自由奔放、豪放磊落、そして繊細に写真を撮りつづけた阿部さんの人生は正にグッドライフであっただろう。その感情と西條孝之介の味わい深いテナーがピタリ寄り添う。西條さん50数年のジャズ人生の集大成がこの一曲に込められている、そんなような気もしている。
選曲はすべて西條さんがそのジャズ人生で思い出の深いものばかりを選んだ。"NIGHT AND DAY" "HOW INSENSITIVE" "AMAPOLA" "DEAR OLD STOCKHOLM" "TALK OF THE TOWN" "EAST OF THE SUN"などなど。和製スタン・ゲッツとの異名をも持つ西條さんなのでゲッツ所縁の曲も多いようだ。
ウエスト・ライナーから日本のジャズを引っ張ってきて既に50年。これで自己の作品は打ち止めだという。そこに強い重い意志が感じられる。
先ほどの"THE GOOD LIFE & GOOD BYE"は実は、一度も演奏したことのない曲なのだそうだ。
『これまでの素晴らしく幸せな音楽人生と、楽しい音楽仲間たちと過ごした日々に「別れ」を告げる意味をこめて、大好きなトニー・ベネットの歌った<THE GOOD LIFE>とベニー・グッドマンの演奏で有名な<GOOD BYE>をラストにメドレーで入れることにしました』(西條さんのライナーより)。
前田憲男さんのアレンジも抜群ですが、本来のピアニストとしての部分も本領発揮でコレも素敵なことだ。
12/26発売。じっくり味わいたい。
(山本隆)