日本テナーサックス最高峰・峰厚介の新作が〈デイズ・オブ・ディライト〉から発売

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  • 2019.01.23

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    伝説のサックス奏者=峰厚介
    およそ8年ぶりとなる新作が完成!




    〈デイズ・オブ・ディライト〉が満を持して送り出すのは、テナーサックスの最高峰・峰厚介 レギュラーカルテットによるヴァイタルでエモーショナルな峰サウンドが炸裂!!
    「ボクはみんなのように外国の レコードを聴き漁ったり、コピー したりってことはあまりしな かった。むしろ一緒にプレイ するミュージシャンたちにイン スパイアされてきたんだ。菊地 雅章、本田竹曠、板橋文夫…、 もちろん他にもたくさんいる。 彼らのようなすぐれたプレイヤー と一緒に演っていると、思いも よらない発想やフレーズが浮か ぶことがある。その体験がいま のボクをつくっているんだよ」 ―峰厚介 (ライナーノートより)

    峰厚介: tenor & soprano saxophone、
    清水絵理子: piano、
    須川崇志:Bass、
    竹村一哲:drums
    (2018 年8 月20、21 日録音)

    峰厚介『Bamboo Grove』アルバムダイジェスト


    血肉化された体験がつくる音
    アルトサックスの土岐英史につづいて〈Days of Delight〉が満を持して 送り出すのは、日本が誇るテナーサックスの最高峰・峰厚介です。 10代でプロになり、1960年代からシーンのド真ん中に立ちつづける峰さんは、歴史を生き抜いてきた文字どおりのLiving Legend。そのヴァイ タルでエモーショナルなサウンドは日本ジャズ界の宝です。
    峰さんは1944年生まれの74歳。1969年9月に菊地雅章バンドに 抜擢されると、翌1970年には先駆的なジャズレーベル〈Three Blind Mice:TBM〉が第一弾アーティストに起用。レーベル創設にあたり「売れるかどうかより“活きのいい音”を届けるほうが大切だ」と考えたTBM ファウンダーの藤井武氏が、数多いるプレーヤーのなかから26歳の峰厚介 に白羽の矢を立てたのです。
    さらにこの録音からわずか3ヶ月半後に同レーベルに2作目をレコー ディング。ジャズ界の期待と信頼の大きさをなにより雄弁に物語るエピ ソードです。峰さんはこの期待にハイテンションかつスリリングな演奏で みごとに応えました。
    この年、峰さんはスイングジャーナル誌の人気投票アルト部門で、一気に2位に駆け上がります(1位はもちろん渡辺貞夫です)。1971年からはアルトをテナーにもち替え、1973年に菊地バンドが解散するや鈴木良雄と渡米。2年後に帰国すると、1978年には本田竹曠と「ネイティブ・サン」 を結成します。ビッグセールスを記録し、テレビコマーシャルに起用されるなど、桁違いの人気を誇った伝説的なフュージョンバンドです。しかし峰さんは1985年のアルバムを最後に退団、ふたたびストレートジャズの 世界に戻りました。
    以来、峰厚介は唯一無二の質感を湛えた固有のサウンドで日本の ジャズシーンを触発しつづけています。その活動領域はストレートジャズ やフュージョンはもとより、ポップスやロック、ファンクにまでおよび、 他ジャンルの音楽家たちにも大きな刺激を与えてきました。

    分厚く生命感のみなぎる音色、躍動するスリリングなフレーズ、放射 されるアグレッシブな熱量、独特のニュアンス、揺るぎない世界観…。 それらが渾然一体となって立ち現れる“峰厚介の音”は、だれにも 真似できない峰さんだけのもの。リーダーであれサイドであれ、どんな 音楽を演ろうと、峰厚介はいつも峰厚介です。彼の音楽が屈指のステー タスと説得力をもつのは、こうした高度なオリジナリティによるものです。
    ではいったい、峰さんはいかにして“峰厚介の音”を獲得したのでしょう?「ボクはみんなのように外国のレコードを聴き漁ったり、コピーした りってことはあまりしなかった。むしろ一緒にプレイするミュージシャン たちにインスパイアされてきたんだ。菊地雅章、本田竹曠、板橋文夫…、 もちろん他にもたくさんいる。彼らのようなすぐれたプレイヤーと一緒 に演っていると、思いもよらない発想やフレーズが浮かぶことがある。 その体験がいまのボクをつくっているんだよ」。
    現場で一級のプレイヤーと対峙し、演奏をとおして触発しあうヴィヴィッドな接触体験が、半世紀をかけて峰さんの身体の中に分厚い層となって血肉化され、“峰さんだけの音”を構成しているのです。 さらに峰さんはこう続けました。
    「もちろん外からの刺激だけじゃない。高めなきゃいけないことは いっぱいあるからね。もっともっと楽器をマスターしたいし、テクニックを磨きたい。この先どうなるかは自分にもわからないんだ」。
    日本最高峰のプレイヤーがそんなことを考えているなんて! 驚いたぼくが「でも峰さんの音はすでにワン&オンリーだ」と反論すると、彼はこう言って笑いました。
    「音色はたしかに自分のイメージに近づいているとは思う。でもね、まだまだなんだ。ボクの中にあるイメージはもっともっといい音だからね」。 ぼくは、ジャズに対する峰さんの真摯で謙虚な姿勢に感動するとともに、高い音楽性と高度なオリジナリティの秘密を垣間見たような気がしました。峰厚介は半世紀にわたって、そしていまこの瞬間も、自らを磨きつづけているのです。
    そんな峰さんがリスペクトするのはミュージシャンの個性。彼の言葉を借りれば、「独特の感性をもって“その人である”こと」。レギュラーバ ンドを構成する清水絵理子、須川崇志、竹村一哲の3人は、いずれも独特の感性を備え、峰さんを触発する力のある豪腕プレイヤーです。
    幼少期からクラシックの英才教育を受けてきた清水絵理子は、19歳 で出会ったジャズに衝撃を受け、セッションを重ねながら独学でトッププレイヤーになった才女で、峰さんは大きな信頼を寄せています。
    バークリー音楽大学を卒業したのちニューヨークで菊地雅章に師事した須川崇志は、個性的なプレイを武器に、国内はもとより海外のトッププレイヤーからも引っ張りだこのベーシスト。
    中学卒業と同時にプロになり、若干22歳で渡辺貞夫のレギュラーバンドに迎えられた竹村一哲はまだ20代。日々成長する逸材は、現在の峰サウンドの中核をなしています。
    「いまのメンバーは、それぞれが他のメンバーの音をよく聴き、瞬時に反応する。瞬間瞬間に“聴きあって”つくっていけるんだ。そうしながら、ボクの曲をそれぞれに解釈し、膨らましてくれる。それはとても嬉しい ことだし、ありがたいと思う」。
    そう語る峰さんは、演奏しながら「この後どうなっちゃうんだろう?」 と思うことがあるそうです。自分が吹き終わり、3人になった場面でよく起こるらしいのですが、むろん心配しているわけではありません。 「ボクが吹いた後に、ガラっと変わっちゃうことがあるんだよ」。峰さんは嬉しそうでした。70代半ばになったいまも、だれよりもジャズを楽しみ、ワクワクしているのです。
    そんな“峰さんのジャズ”を記録する以上、ライブ感を失ってはならない。そう考えて、ライブとほぼおなじ環境でレコーディングしました。 セパレートブースを使わず、ワンルームでの一発録り。このアルバムに ライブ演奏のグルーヴとダイナミズムが感じられるのはそのためです。 信頼するレギュラーバンドを従え、全曲オリジナルで臨んだこの最新 アルバムは、まさしく音楽家・峰厚介の集大成。峰さんのすべてが詰まっています。

    平野 暁臣〈Days of Delight〉 Founder/Producer
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