塩田哲嗣主宰、新レーベルSteelpan Records特別メールインタビュー

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  • 2019.12.11

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    Steelpan Records
    新しい音楽レーベル"Steelpan Records”。音楽を好きで好きで仕方が無いミュージシャン、アーティスト、そしてオーディエンスの為の新しいプラットフォームです。

    Steelpanとは、トリニダートトバコがイギリスに統治されていた時代に、メロディ楽器が禁止されていたけど打楽器は許されていた環境で、どうしても音楽をやりたくて仕方がなかった人々によって、試行錯誤とアイディアを積み重ねた末に発明されました。

    音楽好きの情熱、求めるクオリティとその愛情。スティールパンという言葉は、このレーベルでは100%Pure Musicの象徴なのです。音楽が売れなくなったと嘆かれる時代に、それでもしっかりとしたクオリティと音楽性で勝負したい!というミュージシャン作品をリリースしていきます。そして音楽への情熱が溢れているのに、何をどうして良いか判らないミュージシャンやアーティスト達を、しっかりとサポートしていきます。
    (Steelpan Records HPより)


    ベース奏者、レコーディング・エンジニア、サウンドブロデューサーとして数多くの作品に携わる塩田哲嗣氏。
    2019年8月8日に新レーベルSteelpan Recordsを立ち上げ、既にNY在住シンガーのBei Xu11年ぶりの新作「Gravity」を発表、そして12月18日にはレーベル第二弾となるAiri "Airi is Her Name"を発売するなど立て続けに作品をリリース。
    今回新レーベルSteelpan Recordsについての特別にメールインタビューをさせていただきました。
    レーベル立ち上げについてやプロデュース、こだわりの録音についてなど、好評発売中Bei Xu「Gravity」を聴かれた方、2019年12月18日発売の新作Airi "Airi is Her Name"を注目している方はもちろん、ジャズ・ヴォーカル作品や高音質な作品、そしてミュージシャンの方にも読んでいただきたいメールインタビューとなりました。


    (写真・Steelpan Records HPより)

    ■レーベルの紹介(立ち上げに関して)
    塩田さん自身ベーシストとして活動されながら数多くの作品にエンジニアとしても関わっておられます。今回Steelpan Recordsを立ち上げられた経緯を教えてください。

    S:昨今の国内ジャズレコーディングのクオリティに納得のいくものが少なかったので、自分が納得出来る手間暇をかけた作品を、責任を持ってリリースできるレーベルを立ち上げようと思いました。録音、ミックス、プロデュース、アレンジ、ジャケットなど、最良の音楽をオーディエンス届けるのに必要な要素は、やはりアーティストやミュージシャンの立場から納得がいくものにしたかったですから。
    CDが売れない売れないと言われるのが、まるで音楽が駄目になった、必要無くなったみたいに思われてる事にも、一石を投じないといけないなと思っていましたし。結局はクオリティの話に戻るわけですけれども。


    ■録音に関して
    ・第一弾Bei Xuさん、第二弾Airiさんと同じ女性ヴォーカリストでもタイプの違う声質の作品をリリースされます。ニ作品とも息が抜けていく空気感やずっと聴いていたくなる心地よい帯域が出ていてヴォーカル好きにはたまらない仕上がりかと思います。声質の異なるヴォーカリストニ作品を録音するうえでこだわったポイントを教えてください。

    S:まず当たり前に、彼女達の声やスタイルにあった楽曲、Key、テンポ、を選び、アレンジするところから始めました。僕自身、誰かをプロデュースするということは、その人が輝くようなドレスや服など、いわゆるオートクチュール(haute couture)をデザインし、作るというイメージを大切にしています。ですから、僕が何をやりたいか?というエゴはそこにはまるでなく、あくまで客観的にそのアーティストに似合う服を創るというか、アーティストの個性がより一層引き立つ様にプロデュース出来ればと思っているんです。

    Bei Xu "Gravity" teaser動画



    生楽器に関しても、鳴り感やヴォーカルとのバランスも聴いていて心地よく、是非多くの音響機材にこだわりのある方にも聴いていただきたいと思えるニ作品だと思います。着飾ることのないナチュラルな音で、生楽器だけのバージョンも聴きたくなるほど本当に気持ち良いサウンドです。生楽器の録音ではどのような点をこだわったのでしょうか?



    S:録音に関しては、バークリー音楽大学で学んだ経験が大きく、個人的な部分では、ビンテージ機材を使いこなしながら、そのアーティストの声質や歌が引き立つ様に、録音する段階から、つまりマイク選びやマイクプリアンプの種類、マイクの立て方から録音の仕方、スタジオの選定に到るまで、あくまでアーティストの描きたいであろう”絵”を表現するのに何が必要なんだろう?という考え方を元に録音しています。先にも述べた、オートクチュール(高級なオーダーメイド)そのものですね。


    第一弾作品Bei Xu「Gravity」はNYで第一線のミュージシャンとの録音、スタジオはSear Soundと世界のトップ・ミュージシャンが使用するスタジオでの録音とのことで、スタジオでのエピソードを是非教えてください。

    S:僕はNew Orleansに1年、NewYorkに10年、Bostonに4年と、アメリカ生活だけでも15年は過ごしてましたので、アメリカでの録音の方が慣れてるかもしれません。ジャズと名のつく音楽をやるなら、誰もが文句が言えないくらいのクオリティで演奏されないとインパクトに欠けると思ってます。それにジャズはアメリカが生んだ文化ですし、その中で評価されている演奏家に頼むのが、ハイクオリティな音を目指すという意味でも自然な事に思えます。でも何よりも、アーティストの声質や歌唱力、楽曲にあったミュージシャンを選定する事が大事だと思っています。

    スタジオに使用したSear Soundは、僕の好きなビンテージ機材も丁寧なメンテナンスで揃ってますし、故ウォルターシェアさんがデザインした部屋自体もとても気に入ってます。特別な空間なのに、アットホームなんですよね。

    Bei Xu"Gravity"。
    ピアノPeter Martin、ベースReuben Rogers、ドラムUlysses Owens Jr.というNYトップクラスのミュージシャンが参加。




    ■プロデュース/サウンド(アレンジなど)的なところに関して
    AiriさんはSteelpan Recordsからのリリースがデビュー・アルバムということで、どのように出会い、魅力を感じたのでしょうか?

    S:Airiさんは、まさに2000年初頭の、Bei Xuやakikoなんかの作品を聴いてジャズに目覚めて育ったネクストジェネレーションなシンガーです。
    はじめてお会いした時に、Bei Xuのオリジナル曲を覚えていて歌ってくれたのにびっくりしました。DJもやったりと、音楽が好きで好きでたまらない人なんですね。そういた意味でも、とても気が合うミュージシャンです。

    Airi "Airi is Her Name" teaser動画



    Airiさんの作品ではギターも参加されていますが、2作品ともピアノ・トリオを基本としています。このシンプルながら奥深い編成も歌を聴かせるポイントになっているのでしょうか?

    S:Airiさんの声質や歌唱に合わせて演奏した録音したりしてますから、当然フィット感は抜群なわけです。まさに先ほどから言っている”オートクチュール”な音楽制作プロセスを踏んでいます。編成は経験上、必要最小限がデフォルトですね。歌が生かされる事が全てだと思っています。


    Bei Xu「Gravity」のクレジットを見ると塩田さんはレコーディングだけではなくアレンジにも関わっておられます。Steelpan Records作品は塩田さんのミュージシャンとしての経験も活かされていると思いますが、楽曲をアレンジするうえでのポイント、Bei Xu「Gravity」ではどのような点に重点をおいてアレンジされたのか教えてください。

    S:Bei Xuに関しては、選曲からアレンジまで全て僕とBeiで話し合いながら進めています。彼女の場合はカバー曲というか、何をどう歌うかという部分からジャズだと思ってます。Bei Xuが歌いやすかったり、言葉が届きやすいテンポ、Keyを選んだりと、その際に歌手というのは生身の人間で、人それぞれ長所短所、個性も特徴、できる事もまったく違うんだという事を認識、客観視する事が大切です。客観性という意味では、本人のやりたい事とずれる事もしばしばですが、本人が望む姿が一番本人の輝く姿とは限りません。あくまで、エゴや自己満足の為の音楽ではなく、ちゃんと聴いてくださる方に伝わる音楽であったりBei Xuであったりというのが大事だというのが、Beiと僕の共通認識ですね。

    Bei Xu "I Love You (Yutaka Ozaki's Song)"


    ■今後の予定
    第一弾、第ニ弾と内容・録音ともに素晴らしい女性ヴォーカル作品を立て続けにリリースされました。今後の予定や展望などお話できる範囲でかまいませんのでお伺いしてもよろしいでしょうか。

    S:第三弾に、ほんまあやなさんという19歳のジャズシンガーが控えてます。若いのにニーナシモンやエイミーワインハウスに憧れを持つ、とても個性的なシンガーです。それと僕のジャズプロジェクト"1969Quintet"の新作や、長年活動している"SFKUaNK!!(スフォンク)のライブ録音作品なんかもあります。海外のミュージシャン仲間の作品もディストリビュートしていきたいです。是非、今後のSteelpan Recordsの動向に注目していてください。

    Steelpan Records HP:https://www.steelpanrecords.tokyo/
    Steelpan Records Facebook:https://www.facebook.com/steelpanrecords/
    Steelpan Records YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCEP0M8zI5uYBmmGjBRYM-BA


    塩田哲嗣 PROFILE


    BassPlayer&Producer&Recording Engineer

    1969年8月8日生まれ。
    1992年頃からベーシストとして数多くのSession&録音に参加。
    1996年ニューオリンズで演奏活動。1997年帰国後、大坂昌彦(Dr)などのバンドで活躍。
    2001年ニューヨークに再渡米。14年間のアメリカを拠点とした活動を開始する。
    2002年9月東京スカパラダイスオーケストラのNARGOと”SFKUaNK!!"を結成。全国bluenoteツアーやクアトロツアー等、精力的な活動を展開する。2005年メジャーデビュー。
    2005年よりプロデュースも本格的に開始し、NY在住中Vocalの"Bei Xu”をプロデュース。i Tunes Musicなどのヒットチャートで1位を獲得。以降、数多くのプロデュース作品をリリースし続けている。
    2010年ボストンのバークリー音楽大学に入学、MP&E(ミュージックプロダクション&エンジニアリング)とPerformance(パフォーマンス)のDual Majorで2014年5月に卒業。
    2014年6月より日本に活動拠点を戻し、ミュージシャン&プロデューサー&録音エンジニアとして活躍中。
    (写真・PROFILE共にSteelpan Records HPより)

    BEI XU / ベイ・シュー / Gravity / グラヴィティー

    Gravity / グラヴィティー

    BEI XU ベイ・シュー

    Steelpan Records / JPN / CD / SPR0001 / 1008008110 / 2019年11月20日

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    AIRI(JAZZ) / Airi is Her Name

    Airi is Her Name

    AIRI(JAZZ)

    Steelpan Records / JPN / CD / SPR0002 / XAT-1245722804 / 2019年12月18日

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