ディスクユニオン ジャズスタッフ6月度レコメンド・ディスク

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2020.06.30

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ディスクユニオンのジャズ専門館スタッフが新譜の中で一押ししたいオススメ作品をご紹介!
今月リリースされた最新新譜はもちろん、改めて聴いたら良かった準新譜もコッソリと掲載。
最新新譜カタログ的にも、魅力ある作品の発掘的意味合いでも是非ご一読ください!


 



SAM GENDEL / SATIN DOLL / JazzTOKYO 逆瀬川
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/1008071555

サム・ゲンデルは、ベーシストのサム・ウィルクスや、Knowerとしても活動するドラマーのルイス・コールなどとの共演で知られるLAのサックス奏者。ノンサッチからリリースした本作では、「Afro Blue」「Satin Doll」「In A Sentimental Mood」などジャズの大スタンダード曲を、サックスに強烈にエフェクトをかけた奇妙なエレクトロニック・サウンドでカバー。スタンダードを解体して再構築するかのようなサウンドスケープは、聴けば聴くほどクセになる。SFのような未来感とレトロ感の共存は『ブレードランナー』のようだ。近年盛り上がるLAのジャズ・シーンから登場した問題作。


 


JOHN ZORN / VIRTUE / 吉祥寺ジャズ館 中村
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/1008067489

14世紀の修道院長でありキリスト教神秘主義の創設者の1人にインスパイアされたという、非常に美しいハーモニーとメロディを、ジョン・ゾーン、ジュリアン・ラージ、ビル・フリゼール、ギャン・ライリーの4名が奏でるというギター・ファン・歓喜のプロジェクトが再登場。いろいろと気が張っていたここ数か月間は、この作品を夜な夜な聴いて神秘的な音世界に浸っていました。


 


JASON PALMER / Concert, 12 Musings For Isabella / 新宿ジャズ館 有馬
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/1008104818

数独、旅行、お気に入りの女性シンガーなど、毎回しっかりと独自の視点でコンセプトを選び、ほとんどをオリジナル曲で構成する。本作は実際に美術館で強盗されたそれぞれの絵画の、空白の展示スペースを補填するという衝動が火種で、各曲に絵画のタイトルが付けられています。
重厚なMIDIデータを再生するような、おなじみの完璧主義的なアレンジに加え、ヴァイブの余韻にジェイソンの現代型横ノリ志向が共鳴します。
作品はもとよりオーガナイズ全体に魅力を感じたプロジェクトです。


  


V.A. / ELLA 100: LIVE AT THE APOLLO! / JazzTOKYO 丸山
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/1008101366

そこから歴史は始まった。本作は、2016年にアポロシアターで行われたエラの生誕 100年トリビュート・コンサートを収録したもの。パティ・オースティン、リズ・ライト、カサンドラ・ウィルソン、レデシー、カウント・ベイシー・オーケストラなど豪華ゲスト陣がエラの人気ナンバーをライヴで披露した、とにかくゴージャスな作品です。エラ自身の歌唱も収録されており、今もなお彼女から一本の道が連綿と続いているのだなぁ、としみじみ感じることのできる一枚です。


 


AARON PARKS / LITTLE BIG 2 : DREAMS OF A MECHANICAL MAN / JazzTOKYO 鮫島
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/XAT-1245730190

ブルーノート、ECMから数々の名盤を送り出し、カートローゼンウィンケル(Gt)やケンドリックスコット(Dr)など、大物との共演も果たしているピアニスト、アーロン・パークスの最新作。
このアルバムの特徴として、エレクトロニカやインディー・ロック、ヒップホップやサイケデリックの緻密に組み合わせたサウンドが楽しめる。落ち着きがあるベースを基本とし、シンセサイザーやギターの情動的な旋律を、ロック色が強いドラムで引き締めている。シンプルであり、複雑であるという言葉がふさわしいかもしれない。
様々なジャンルを綺麗にまとめあげており、聴きごたえがある。アレンジや精密なプレーが求められるコンテンポラリーの醍醐味を大いに堪能できるだろう。


 


 KURT ROSENWINKEL / ANGELS AROUND / 新宿ジャズ館 四浦
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/1008097462

ドラマーにグレッグ・ハッチンソン、ベーシストにダリオ・デイダという、残念ながら来日がかなわなかったメンバーとのトリオ編成で、ジャズの数々の名曲を中心に彼ならではのアレンジでジャズ・ギターの現在進行形を聴かせる一作となっている。彼の音楽家としての集大成的作品に仕上がっているといっても過言ではないほど安定の出来で。作、編曲家として、ギタリスト、インプロヴァイザーとして取り組む、バラエティに富んだ楽曲群に対する、しっかりとしたプロデュースが施された本アルバムは、現代のメインストリーム・ジャズのお手本となることだろう。


 


V.A. オムニバス / Hanne Borchgrevink - Hus / 営業部 三橋
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/1008107334

複数の作曲家/ミュージシャン/サウンドアーティストが同じイメージを描いた場合、その描写は似ているのか?といった疑問からスタートした本作はノルウェーの画家Hanne Borchgrevinkが2017年にギャラリーで披露したプロジェクトを収録。彼女は家の外観をシンプルかつ荒涼としたトーンで描いたり、室内の何気ない空間を描いた作品を発表しています。その絵画を見た12人の音楽家が録音した作品をまとめた1作。
自宅での静かで孤独な束の間の時間を想い起させるクラシカルなピアノ曲や家の窓から見える寒々とした雪景色を眺めるかのような美しい室内楽調の楽曲、庭に置いてある風車や扉のベルのようなものがカタカタと鳴っているだけのような曲や電化製品から出るジーっという静かなノイズが入った曲など、「家」と関連付けられたようなインスピレーション刺激する面白い音楽を収録しています。
"Stay home"と何かとストレスの多い毎日ですが、本作の美しいジャケットと音による想像・妄想は脳内でどこまでも行けるような気持ちにもさせてくれます。

※Hanne BorchgrevinkのHPから作品も観られるので合わせて是非!
http://hanneborchgrevink.no/?view=featured


 


TENDERLONIOUS / Piccolo: Tender Plays Tubby / 営業部 池田
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/1008100547

今やサウス・ロンドンのジャズ界を牛耳ると言っても過言ではない22a主宰、マルチインストゥルメンタリストとして活躍するテンダーロニアスの新作。
タビー・ヘイズへのオマージュ作品を、彼が実際に使用していたピッコロで演奏するというなんとも胸熱なアルバムになっています。比較的クラブジャズ系統の楽曲が多い彼の、王道モダンジャズなプレイが聴けるのも個人的に嬉しいところ。ただ、タビー・ヘイズが亡くなってから50年近くトランクにしまいっぱなしだったというピッコロが、どういう経緯で彼の手に渡ったのかいくら調べても出てこないのが悔しい、、