ディスクユニオン ジャズスタッフ 11月度レコメンド・ディスク

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2020.11.30

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ディスクユニオンのジャズ専門館スタッフが新譜の中で一押ししたいオススメ作品をご紹介!
今月リリースされた最新新譜はもちろん、改めて聴いたら良かった準新譜もコッソリと掲載。
最新新譜カタログ的にも、魅力ある作品の発掘的意味合いでも是非ご一読ください!






ELLEN ANDREA WANG / CLOSENESS / JazzTOYKO 逆瀬川
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/1008201215

ノルウェーのベーシスト/ヴォーカリストの3rdにして初のギター・トリオ編成となる作品。本作の雰囲気を決定づけているのはUK新世代のギタリスト Rob Luft。コンテンポラリー・ジャズ・ギターをベースにしつつ、「Erasmus」「Lonely Woman」などではエフェクティブな激しいサウンドで空気を変える。それに追随するドラムと、太めのベースも頼もしい。またWangも「Lonely Woman」「This Is Not America」のカバーほか数曲でヴォーカルを披露。メランコリックで上質な歌声で、ヴォーカルファンにもオススメ。この冬イチ押しのギター・トリオ作品。淡い雰囲気のジャケもいいですよね。

 




CHRISTIAN SCOTT / AXIOM / JazzTOYKO 逆瀬川
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/1008190190

休業直前のブルーノートNYで録音され、Covid-19の犠牲者へ捧げられた、クリスチャン・スコット・アトゥンデ・アジュアーのライヴアルバム。もはや彼のバンドメンバーとしてお馴染みになった、ブッチャー・ブラウンのメンバーでもあるコーリー・フォンヴィル(ds)や、今最も注目を集める天才、エレーナ・ピンダーヒューズ(fl)ら若手の演奏は勿論のこと、吹き飛ばされそうになるほどパワフルでスピリチュアルなアトゥンデ・アジュアーのトランぺットと、このバンドが持つ独特の雰囲気に圧倒されっぱなしの1時間14分。グラミー賞のBest Contemporary Instrumental Albumと、Best Improvised Jazz Soloにもノミネートされている。 





アン・バートン / フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン / 吉祥寺ジャズ館 中村
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/1008193938

アン・バートン。言葉を丁寧に紡ぎながら歌う歌手です。トーチ・ソングを中心に選曲された67年作「BLUE BURTON」を初めて聴いた時は、その低い音域の声もあってか何とも物悲しい気分になったものです。さて本作の「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン 」は62年にフラミンゴ・コンボをバックに唄った5曲と88年にロブ・アフルベーク・トリオをバックに唄った5曲をカップリングした1枚。この度日本初CD化されました。プロとして活躍し始める前の初々しい歌声が聴けるのが何より嬉しい。口をキュッと閉じているジャケットが多い印象の彼女が、爽やかな笑顔を見せているのもいいです。






JOOKLO TRIO / IT IS WHAT IT IS / 新宿ジャズ館 久保田
http://blog-jazztokyo.diskunion.net/Entry/45351/

イタリアのサックス奏者Virginia GentaはドラムのDavid Vanzanを相棒に、毎回のように違う名義でリリースを行っています。今回の編成はサックス・トリオ。フリー・ジャズの中でもノイズに接近した極北的なサウンドであり、どこを切り取ってもけたたましい音がします。興味を持たれた方は「Jooklo」を目印に彼女らの活動を追跡してください。ただし、ほとんどが廃盤です。
本作も正確にはリイシューにあたります。元々は、Virginia Genta自身のレーベルTroglosoundから2019年に50枚限定でリリースされました。NYのフリー系レーベルRelative Pitchからのリリースながら、凶暴さで頭一つ抜けています。
そもそも2人の活動の原点はノイズでした。2000年代前半にZurich Against Zurichというグループ名でVirginia Gentaはエレキギターを担当し、いまよりも過激な演奏に身を投じていました。2人での活動は15年以上に及んでいます。






TIM BERNE'S SNAKEOIL / DECEPTIVE 4 - LIVE / 新宿ジャズ館 有馬
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/1008199877

Tom RaineyからChes Smithへ。Craig TabornからMatt Mitchellへ。2012年にTim Berne's Snakeoil名義で衝撃のECMリリースをスタートしてから早8年。ここへきてECM以前のSnakeoil音源が発表されました。
DISC2-M2の「Spare / Cittá」が『Snakeoil』(2012ECM)の「Simple City」のプロトタイプ曲のようですが、この2010年録音の時点でソリッドかつ職人的なサウンドから、Ches Smithを中心とした柔軟性ありきの志向にシフトしていたことが分かります。
そんなSnakeoilの10年はもとより、Tim Berneが多大な影響を受けたと語るJulius Hemphillから拝借したであろうDISC2-M4「Hemphill」では、ロフトジャズからNYコンテンポラリー最前線のPI Recordingsまでへの文脈を感じることもできる資料音源でもあります。





SEMANTICS / Semantics / 営業部 三橋
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/1008152677

エリオット・シャープ、ネッド・ローゼンバーグ、サム・ベネットという強者3名が組んでいた短命グループの1stアルバムが初CD化。フリージャズやポストパンク、アヴァン・ポップといった音楽をガチャガチャに混ぜ合わせたらどうなる?なんて考えが根底にありそうですが、ガチャガチャになるに決まってます。ガラクタが動きだしたようなアヴァンポップ調な楽曲から一心不乱に演奏しまくるフリーフォームな楽曲まで「なんでもやったるで!」な猪突猛進っぷりが最高にかっこいい作品。





KATALYST / Nine Lives(MQA-CD) / 営業部 池田
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/1008194801

コレクティヴを率いるブライアン・ハーグローヴをはじめ、メンバーがこれまで仕事をしてきた面々を見ただけでも心躍ります(詳細は商品ページで!)。ジャズだけでなくヒップホップやブレイク、R&B含むLA音楽シーンの縁の下の力持ち集団、カタリスト。カマール・ウィリアムスの来日公演に参加していたドラムのグレッグ・ポールとベースのマーロン・スピアーズは、ここでもその時の印象を裏切らないかっこよさでした。各々が技術をこれでもかと発揮しつつ、溶け合うような音のアンサンブルを聴かせてくれます。チルアウトにもちょうどいいグルーヴ感が聴いていて心地良すぎる作品です。