菊地雅章のラスト・レコーディング「ラスト・ソロ~花道」が発売

  • JAZZ
  • 新着ニュース

2021.04.16

  • LINE

  • メール

MASABUMI KIKUCHI / 菊地雅章 / Hanamichi-The Final Studio Recordings(LP) / ラスト・ソロ~花道

生涯を通してピアノの響きを追求し続けたピアニスト菊地雅章のラスト・レコーディング
マイルス・デイビスやギル・エヴァンスから伝承されたDNAが、ここに昇華・・・
仕掛人は元ECMのプロデューサー、Sun Chung(サン・チョン)
サン・チョンの求めに応じ演奏されたスタンダード楽曲を中心とした感動の6トラック
ラストは、50年近く弾き続けた深遠な美しさをたたえた究極の「リトル・アビ」!!


★日本が世界に誇る孤高の鬼才、菊地雅章。感動のラスト・スタジオ・ソロ録音!!妥協を一切許さなかったアーティストが、生涯をかけて探求した音楽表現が、今、作品化されます。

★録音は、2013年12月、菊地雅章自らが選んだスタインウェイの最高級ヴィンテージ・モデルが設置されたNYのスタジオ。発起人は、ECMでマンフレッド・アイヒャーの傍ら、プロデューサーをつとめたMr. Sun Chung(サン・チョン)。2011年、NYヴィレッジ・ヴァンガードにポール・モチアンのバンドで出演していた菊地雅章の演奏に衝撃を受け、すっかり魅了されたサン・チョンは、2年以上に亘ってレコーディングを模索しつづけて、ついに実現。この時菊地雅章は、肺がんを患っての強度の投薬もあり、レコーディングは多くのインターバルを要し、さらに睡眠をとるために2時間の中断も余儀なくされたとのこと。しかし・・・演奏には、すべて超越した世界があります。

★“ピアノの前に座った瞬間に音楽があふれ出てきた”とはプロデューサー、サン・チョンの証言ですが、鋭い直観と、インスピレーションから生まれる即興の美の世界は、唯一無二のもの。フリー・インプロヴィゼーションとソング・フォームの両極を行き来しながら繰り出される演奏は文字通り、<<スポンテニアスな至高の美>>。メイベル・ウェインが作曲した1928年の楽曲「ラモナ」でメロディが浮かび上がる瞬間等々、アーティスト菊地雅章の世界の極みがあります。

★晩年の演奏では即興を主にしたものが大半を占めて来た中で、テーマのある楽曲をサン・チョンが求めたことに応え、本作品では即興は1トラックのみ。上記「ラモナ」ほか「サマー・タイム」と、「マイ・フェイヴァリット・シングス」が2ヴァージョン。往時より「メロディには興味がなくなってきた」「今はもうフレーズなんて必要ない、音楽を聴きながら進んでいく。面白い音がでてきたところから進めばよい」というようなことも語ってきてもおり、このような演奏が聴けることは大変貴重。そして、ラストは菊地が50年にわたって愛奏しつづけた「リトル・アビ」。愛娘、生誕時の慈しみを込めたバラード曲での、豊潤なハーモニーの響きと、凛とした芯を感じさせるメロディのコントラストは、深遠な美しさをたたえ、決定的なものがあります。

★ところで、この録音について菊地雅章はサン・チョンにこう語ったといいます。「今日、数か月前に録った演奏を初めて聴いてみたんだ。すごくフレッシュな演奏だな。自分でも信じられないくらいだ」。朋友ゲイリー・ピーコックが「(菊地雅章は)死を迎える直前まで自分の演奏に満足することがなかった」と語っている通り、充足とは無縁に、瞬間の表現を追究し続けたアーティスト。本作は、その菊地雅章の最後の現在進行形。マイルス、ギル・エヴァンスの遺伝子も受け継ぎ、のちのアーティストたちにもインスピレーションを与えていく音楽、芸術を極めたアーティストの究極の作品です。

メンバー:菊地雅章 (piano solo)
2013年12月NY録音