<ジャズ・オーディオファイル 紹介> -2021年2月-

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2021.02.26

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EABS (ELECTRO ACOUSTIC BEAT SESSIONS) / Discipline of Sun Ra(LP/180g)

EABS (ELECTRO ACOUSTIC BEAT SESSIONS) / Discipline of Sun Ra
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/XAT-1245736794

はるか銀河を「模倣するのではなく、正しい情報をもとに再創造すればオリジナルの背後にある精神を理解することができる」というSun Raの教えに則り、楽曲を脱構築・再構築したトリビュート・アルバム!!サウンド的な聴きどころは、ビッグバン前夜のような凝縮と拡散を繰り返すエネルギー感の表現と、スピリチュアルなハモリが鳴らせるか否かにある。高音質やアコースティックな高音質とは隔たりがあるが、スピリッツとイメージを漂わせる快感を楽しめる。(ジャズ部門生島昇)



EMMET COHEN  / エメット・コーエン / Future Stride

EMMET COHEN / Future Stride
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/XAT-1245738925

現代屈指のピアニスト、エメット・コーエンによる、飛躍のMack Avenue第一弾作品。
タイトルにStrideとあり、オープニングから 1920年代のトラッドなストライドピアノトリオから始まり、その後のジャズピアノの歴史を標榜するようにモダンスタイルの楽曲まで変遷していく。そのコンセプトを浮き立たせるように、きわめてクール&ビューティなサウンドに徹底され、澄み切った氷のような質感の音が鮮烈な印象だ。ホーンセクションが重なってくると途端に複雑なサウンドになり、このテイストを鳴らし切るには相当に高度なオーディオセンスが要求される。(ジャズ部門 生島昇)

 


CHICK COREA / チック・コリア / Three Quartets (LP)

チック・コリア / Three Quartets
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/1007736294

1981年録音の豪華メンバーによる現代アコースティックジャズの名作だ。
リーダーのチック・コリアも、メンバーのマイケル・ブレッカー、スティーブ・ガッドも、直前にブームとなったフュージョン・シーンで有名だったことから、当時も大きな話題となったが、その内容はストレイト・アヘッドそのもので、タイトルの元にもなった1曲目からチックのオリジナルも非常にテンションの高いシリアスなテーマが印象的だし、なによりエディ・ゴメス、ガッドの濃厚なリズムが絡み合う音塊のぶつかり合いが今聴いてもスリル満点で、ブレッカーのタイトで疾走感のあるソロとサウンドがまさに炸裂している。ピアノトリオだけを抜き出して聴いても圧倒されそうな迫真の演奏とサウンドだ。オリジナルのLPもリリースされているが、通常の国内CDの方が収録曲も多く、音質も良いのでお勧めだ。(ジャズ 部門生島昇)

 



ELLEN ANDERSSON / エレン・アンデション / You Should Have Told Me(LP)

エレン・アンデション / You Should Have Told Me
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/1008201657

スウェーデンの女性ジャズボーカリスト、エレン・アンデションの4年振りソロアルバム。タイトルの"You Should Have Told Me"他、ジャズスタンダードから、ミッシェル・ルグラン、ランディ・ニューマン、ジョン・レノンなどの名曲をカバー。スウェーデンを代表するトランペッター、ペーター・アスプルンドが参加。
情緒たっぷりな欧州ジャズボーカル。リズムセクションの切れ味が小気味よく、スィートな声に乗ったスイングな演奏が駆け回る。クリーンでテンションの高いサウンドが印象的だ。(ジャズ部門生島昇)

 


RON CARTER / ロン・カーター / Foursight - Stockholm, Vol.2

ロン・カーター / Foursight - Stockholm, Vol.2
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/1008202328

いわずと知れたマイルス黄金期やV.S.O.P.でも活躍したロン・カーター、Foursight Quartetの2作目。
ライブを体験した人ならお分かりと思うが、なんといってもロン・カーターの魅力はそのゆったりと風格のある生音にある。このCDはその堂々たるベースの生音が非常にリアルに録音されていて、大型スピーカーを震わせる快感がある。(ジャズ部門生島昇)

 


CHICK COREA / チック・コリア / Now He Sings, Now He Sobs (LP/180g)
チック・コリア / Now He Sings, Now He Sobs
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/1007837663

1968年録音、ベースにミロスラフ・ヴィトウス、ドラムスにロイ・ヘインズという名プレイヤーを起用し初のピアノトリオ作品となった本作は、70年代のクロスオーバーのヒットとなるreturn to foreverと同様に、その後のモダンジャズピアノトリオの指標となった名盤である。事実、ここで聴かれるトリオの一体感や疾走感は、後進のピアニストに与えた影響は計り知れない。現代を代表するピアニストでこのアルバムを通らなかった人はいないだろう。また、ここでのヴィトウスを筆頭にしたリズムセクションの在り方も、その後の現代ピアノトリオのお手本だし、才能ある若手を見つける酔眼においても超一流であった。そのすべての始まりがこのアルバムだ。それはサウンドにも明確に表れている。音域をフルに響かせ音色とハーモニーの乱舞が怒涛のように押し寄せるダイナミズムをこれでもかと聴かせてくれる。(ジャズ部門 生島昇)

 



BOB MATE / ボブ・メッティ / FIRST SNOWFALL / ファースト・スノウフォール
ボブ・メッティ / First Snowfall
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/XAT-1245738483

タイトル通り、雪景色をイメージした曲想でしっとりと奏でられるソロ・ピアノ作品。
冬の寒さに染み渡るようなクールな音色とセンシティブなタッチが印象的なネオ・ロマンなピアニストだ。サウンド的にも、透明感を極めたようなクリーンな音色画が広がり、広大な空間に響き渡る。ピュアサウンドを求める現代オーディオにピッタリな世界だ。(ジャズ部門生島昇)

 



FRANK BASILE / フランク・ベイシル / 2 Part Solution

フランク・ベイシル / 2 Part Solution
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/1008126259

現在進行形のバリトンプレイヤーフランク・ベイシル。往年の名プレイヤーと比較するまでもなく、若い感性と演奏力に裏打ちされた颯爽としたアドリブとスマートなアンサンブルに聴きほれる。
サウンドも分離良く演奏の出ているを良く捉えていて痛快だ。現代MODERNハードバップのクリーン・ヒット。(ジャズ部門生島昇)

 


SALENA JONES / サリナ・ジョーンズ / マイ・ラヴ

サリナ・ジョーンズ / マイ・ラヴ
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/VICJ70003

1981年に日本で大人気だったサリナ・ジョーンズと、スタッフの来日公演と合わせて録音された企画作品で、当然のごとく大ヒットしたのでよく知られている有名なアルバムだ。
CD誕生前夜の時期なのでデジタル録音と思われがちだが、実は名匠、高田英男エンジニアによるピュア・アナログ録音であり、最初のリリースはLP盤だった。高田氏といえば、当時からジャズFUSION系の西海岸サウンドに強かったが、ここではスタッフのバンドサウンドを意識してか、当時のNYサウンド風の厚く太い音が特徴で、特にゴードン・エドワーズとスティーブ・ガッドのリズムがシュリンクしていくスリリングな空間は現代でもリファレンスとなるようなリッチネスとグルーヴの強さに驚く。
サリナのヴォーカルも、持ち味のバラード表現を隅々まで捉え切っていてPOPなイメージはあまりない。硬派なジャズファンでもサウンドの魅力で存分に楽しめる。まさしく80年代を代表する名録音のひとつだ。(ジャズ部門生島)

 



SONNY ROLLINS / ソニー・ロリンズ / 橋

ソニー・ロリンズ / 橋
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/1005098049

およそ3年の雲隠れ後に発表されあまりにも有名なアルバムだが、ピアノレスによる名演勝ることながら、クリーンな音質が素晴らしいサウンド名盤でもある。
ジム・ホールのギターが驚くほど鮮明なために、コードをギターに任せたロリンズのチャレンジの理由が手にとるようにわかる。ブルックリンの橋の袂で彼が何を考えて練習し、思い至ったアイデアの過程がくっきり追想できる演奏は、この上質なサウンド画あってこそ聴き取ることができる。オリジナルのレコードなどよりも、普通の国内盤CDの方が良いくらいだ。87年発売のR32J規格の盤が特におすすめだ。(ジャズ部門生島 昇)

 



PETER BERNSTEIN / ピーター・バーンスタイン / Tribute To Jim Hall

ピーター・バーンスタイン / Tribute To Jim Hall
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/1008229733

ニューヨークの売れっ子ギタリスト、ピーター・バーンスタイン(1967年生まれ)とイタリア、バーリ生まれのギタリスト、ギド・ディ・レオネが組んで、ジム・ホールのジャズオリジナルや、愛奏曲を集めたトリビュート作品。NYで活躍中の若いジャズアーティストから今も広くリスペクトされるジム・ホールをNY最前線のギタリストが演らないわけがない。
実際にどの楽曲も完璧な仕上がりといえる美しいハモリとスイングで、ロリンズの「セント・トーマス」が飛び出すあたりも最高潮の聴きどころだ。
サウンドも極めてクリアで見通しが良く、現代ギター・サウンドのリファレンスのような高音質だ。(ジャズ部門 生島昇)

 



GEORGE BENSON / ジョージ・ベンソン / Weekend In London(2LP/180g/ORANGE VINYL)

ジョージ・ベンソン / Weekend In London
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/1008156218

80年代以降のメロウファンクのサウンドのリファレンスを生み出したベンソンの最新ライブ音源が登場。半世紀ぶりとなるロンドン公演は2019年の名門ジャズ・クラブ、ロニー・スコット・ジャズ・クラブでのライブパフォーマンス。黄金のクインシーサウンドから、ダニー・ハサウェイの"Ghetto"やデイヴ・バーソロミューの"I  Hear You Knocking"のカバーまで、サービス満点のステージは、手に取るようにわかる会場の熱気と盛り上がりで満たされている。ジャズファンには敬遠されがちなFUSION全開だが、あのブーム全盛期を知る世代や、ソウルファンには聴きごたえのあるエモーショナルなサウンドだ。(ジャズ部門生島昇)