<連載> ★山本隆の"続 JAZZ IN THE WORLD"★ 2022 Feb.

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2022.02.16

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Feel Like Making Live!(MQA-CD) / ボブ・ジェームス
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/XAT-1245750200

よし、今日はボブ・ジェームスのレコードを買うぞと勇んで山蓄高岡店へ繰り出す。『One』、『Two』、『Three』、『BJ4』、『Touchdown』というのが在庫してあってどれを買うか悩んだ。当時流行のフュージョン。スタッフとかハービー・メイソン、ヒューバート・ローズ、エリック・ゲイル、、、聴くべきフュージョンはたくさんあったのだけど、その日のターゲットはボブ・ジェームスだった。最終的には、ジャケットの良さで『Three』を買った(今思えばそれほどナイスなジャケでもないと思うけど)。とりあえず貪り聴く。B面1曲目の「Westchester Lady」が気に入った。それから『Touchdown』を買った。ラグビーボールのジャケット、当時大流行したタイトル曲に痺れた。1977年のことだったと思う。
先日来から、待ち続けていたボブ・ジェームスの新作がようやく入荷してきた。
1曲目は、「アンジェラ」で『Touchdown』の1曲目に収録されていた曲、いい曲だ。
最後の曲は、「Westchester Lady」。初めて買った『Three』に収録されていたもの。ボクは知らないけど、この曲はいろいろサンプリングされる有名曲なんだそうだ。
最初と最後で、ボクのボブ・ジェームス初体験を思い起こしてくれた。





Petite Fleur / NEW ORLEANS JAZZ ORCHESTRA
https://diskunion.net/jazz/ct/list/0/80960800

PETITE FLEURのクレジットが大きくて、Cyrille Aimee(シリル・エメ)の名前が小さいのは残念なことだ。
ジャケットを見ていて、この女性はシリル・エメなのではないかと思った。後ろ髪を束ねた雰囲気で彼女だと認識した。つい最近まで観ていたエメット・コーエンのユーチューブ番組で彼女が歌うのを結構見ていたからわかった。
シリルはフランス人。アメリカ、ブルックリンに引っ越してきて武者修行を重ねていた。ある時ニューオリンズに傾倒し移住もした。そのようなバックグラウンドでこの作品の構想が練られたようだ。
シリル・エメは稀有な女性ヴォーカリストだと思う。歌唱力が抜群に優れているシリルだが、何と言っても「声質」がたまらない、魅力的だ。とてもセクシーだと思う。それはエロティシズムという感覚ではなくて、ジャズの醍醐味、ジャズの快楽というような感じ。

 





Imaginary Gardens / ヘレン・サリム
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/1008374330

この作品の詳しい解説は、ここをご覧になってください。

この作品にたどり着いた経緯から。ストックホルムの名物ジャズカフェであるGlenn Miller Caféは連日スウェーデンの若手からベテランまで出演している有名なヴェニューだ。かつては、エズヴィヨン・スヴェンソン、ボボ・ステンソンなども出演していた。日本からは西山瞳さんが出演し、『In Stockholm: Live At Glenn Miller Café』(2008年)を制作した。
20名も着席したら既に満員なのだが、詰めたり、立ち見だったりで、その2倍、3倍のお客さんが入ることも珍しくない。ボクも何度も立ち見を経験した。
コロナになってからの2年間、ずっと有料配信を行っていて、たまに観る。ついでにカフェの細かい情報もかいつまんでみる。ほぼスウェーデン語で理解できないので、写真を追い、興味を持ったら調べてみる。最近気になったのが、Britta Virvesという女性のピアニストだった。それで彼女が参加しているCDはないだろうかと、探したどり着いたのがこのヘレン・サリムであった。ヘレン・サリムのことは知らなかったが、イラン系のスウェーデン人らしい。何度かこのグレン・ミラー・カフェにも出演しているようだ。ほぼこのメンバーで。
というわけで、エキゾチックな雰囲気漂う、作品に出会えたのは良かった。タイトル曲「Imaginary Gardens」がいいなあ。ピアノも良いしね。

 





Giulia / トリオセンス
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/1008426108

トリオセンスの新作だ。トリオセンスの作品は2002年の『First Enchantment』から注目してきた。ジャケットのぼやけた雰囲気と耽美的なピアノトリオ演奏が当時のファンには受けた。その後出されるどの作品も日本では好評であったと記憶している。
あれから20年、これが9作目になるようです。何曲かでパオロ・フレスが参加しております。
相変わらずオリジナル曲で勝負というのが良いのですが、ビル・エヴァンスに捧げた「Needless To Say」という曲が気に入りました。
相変わらずジャケットも牧歌的、旅情的、郷愁的な雰囲気を醸し出しており、センチメンタルな楽曲とマッチします(一部ロック風の曲が二曲ほどありますが)。。

 





レター・フロム・スローボート / 福居良
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/XAT-1245752935

この作品の1曲目は「ソノラ」という曲だ。ハンプトン・ホーズの曲だ。ここに「ソノラ」が収録されていることを知ったのは、去年の4月ごろでそれから幾度となく聴いている。福居良の個性が出ているような演奏だ。
このオリジナルは、1968年の『スパニッシュ・ステップス』に収録されている。1967年のSABA盤に『ハンプス・ピアノ』というのがあって、それにも「ソノラ」という曲が収録されている。しかしながら、この2曲はぜんぜん違う曲。どちらも捨てがたい美しい曲ではあるんだけど。
ボクは、大学生の頃に『スパニッシュ・ステップス』を知り、この福居良も演奏しているほうの「ソノラ」に慣れ親しんできた。それで、『ハンプス・ピアノ』はそれほど聴き込んでいなくて、「ソノラ」という曲が収められているとは微塵も思っていなかった。45歳で初めて知ったというわけだ。
ヘルゲ・リエンの『To The Little Radio』を作る際にヘルゲに「ソノラ」を演奏してみてはどうかと提案したのだが、もしあの時気づいていれば、ふたつの「ソノラ」を収録することを提案していたかもしれないと、最近思っている。

 





2月の写真は、モネの生家の庭に咲く柳と緑色の太鼓橋。
パリから135キロ、ノルマンディー地方にあるジベルニーという村に位置する。2006年プライベートで訪問した。パリ在住うん十年のT氏に連れて行ってもらった。柳の枝葉の奥のほうに、緑色の太鼓橋が見えるが、傑作<睡蓮(太鼓橋)>のモデルとなった橋だ。池には睡蓮が生い茂り、モネは睡蓮を題材に数多くの絵を描いた。オルセー美術館地階の巨大な「睡蓮」。とかニューヨーク近代美術館には、巨大な睡蓮が一同に会した「睡蓮部屋」がある。


モネの生家。中の見学もできたが、日本の浮世絵がかなりの枚数飾られていた。






日本庭園を思わせる庭には、カラフルな花が植えられている。


ジベルニーの近隣の街ルーアン。アムステルダムやコペンハーゲンを思わせる建物が目をひく。近所の耳鼻科の診察室にこのルーアンを描いたであろう油絵が飾ってあった。医師に問うと、昔の訪問の記憶をもとに描いたんだ、との答え。小さな診療所で、ふと邂逅したルーアンではあった。


ルーアン大聖堂(ノートルダム大聖堂)


モネはたびたびルーアンを訪れてルーアン大聖堂を描いた。その数数十枚。(オルセー美術館)


睡蓮 (オルセー美術館)


睡蓮(太鼓橋) (オルセー美術館)


巨大な睡蓮 (オルセー美術館)


巨大な睡蓮が集う「睡蓮部屋」(MoMA)