2021.03.30
<予約>"ENJA REAL JAZZ CLASSICS" 第6期 20タイトルが発売決定
https://diskunion.net/jazz/ct/news/article/1/95842
Enjaの過去の名盤がまた発売される。気になる作品をピックアップして紹介したい。
その2。
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カーリン・クローグ / ホエア・ユー・アット?
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/XAT-1245742390
2002年ニューヨーク録音。
過去にミューザックから、『ニューヨーク・モーメンツ』として再発されたこともある。
カーリン・クローグの初期の7インチ盤に『Break of Day in Molde』というのがある。
ジャケットが素晴らしい。初めて見た時はとても感激した。とてもレアで市場に出回ることも少ない。テッド・カーソンとか参加している。
モルデはオルロから北へ350キロのフィヨルドに囲まれた小さな街で(行ったことないけど)、ヨーロッパ最古と言われる<モルデ・ジャズ・フェスティヴァル>が1961年から開催されている。
その街にちなんで、Johs. Bergh とカーリン・クローグが作ったのが、「Break of Day in Molde」(モルデの夜明け)という曲。もともとはカーラ・ブレイのアイダ・ルピノ(Ida Lupino)という曲をベースに作られた。
アイダ・ルピノは女優で、刑事コロンボの「死の方程式」、「白鳥の歌」にも出演していた。「アイダ・ルピノ」は元夫のポール・ブレイやスティーヴ・キューンも演奏している名曲。ボクも個人的に好きでヘルゲ・リエンの『To The Little Radio』で演奏してもらった。
またこのJohs. Berghはジャズ・ジャーナリストで、カーリン・クローグの夫だった人でもある。2001年に亡くなった。
サックス奏者のトッティ・バーグは、弟にあたる。またトッティが結婚したのはジャズ歌手のレイラ・ダルセスだ。
レイラとは新宿のヒルトンホテルで会ったことがある。亡くなったJohs. Berghがコレクションしていた大量のレコードの処遇についての相談だった。当時まだヨーロッパへの積極的な買い付けを実施していなかったので、あれこれ試行錯誤しているうちに立ち消えとなった。もったいない話だ。今だったら一週間で航空券買ってあれこれ準備して行く(今はコロナだから実際には行かないけど)。もう20年近く前の話だ。
カーリンとは、2004年にノルウェー大使館で会った。ギターのヤコブ・ヤングと一緒に来日した。ちょうど『Where Flamingoes Fly』が発売された頃だったか。(この中に収録されている「I'm Shadowing You」が素晴らしい)
それから4年前のオスロ大学でのコンサート。やはりスティーヴ・キューンとのコラボレーションが絶妙だった。
この作品はニューヨーク録音ということで、そのスティーヴ・キューン参加。スティーヴのピアノには注目だ。
1曲目の「ザ・ミーニング・オブ・ラヴ」という曲が好きだ。この曲は、『We Could Be Flying』で初収録された。メンバーは、スティーヴ・キューン、スティーヴ・スワロー、ヨン・クリステンセンという最強の布陣だった。かなりクセの強い演奏と歌唱でインパクト大だ。
ここでの演奏はそれに比べるとおとなしいもので、こちらのほうが好きという人もいるだろう。スティーヴ・キューンのピアノがとても素晴らしい。
「レイジー・アフタヌーン」、「カント・マイ」など彼女が好んで歌う曲も素敵だ。
参考作品
Break of Day in Molde / Blues Eyes(Sonet T 9541)
ジャケットが素晴らしい1969年リリースの7インチ。
<予約>"ENJA REAL JAZZ CLASSICS" 第6期 20タイトルが発売決定
https://diskunion.net/jazz/ct/news/article/1/95842
Enjaの過去の名盤がまた発売される。気になる作品をピックアップして紹介したい。
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ジム・ペッパー / パス
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/XAT-1245742389
1988年作品。名曲「Witchtai To」を収録。
若い頃よくヤン・ガルバレクの「Witchtai To」に身をゆだねていた。この曲は次にくる大作「Desireless」のプレリュードみたいな感じではあったが、強烈な印象を持つ曲。B面の1曲目、2曲目という構成がちょうどよかった。
2007年のミュンヘン出張で、マンフレッド・チャフナー氏が「このレコード聴いたことあるか?」と言ったので「ジャケは知っているけど聴いたことがない」と答えた。それが、Pepper's Pow Wow (Embryo, 1971)だった。日本に帰りあらためてそれを聴いたら一曲目が「Witchtai To」であった。そうなんだ、この曲、ジム・ペッパーの曲だったんだ、とその時初めて知った。その2年前に出た7インチ盤Everything Is Everything (Vanguard, 1969)が初演らしいけど。
ヤン・ガルバレクのヴァージョンとはぜんぜん違うのでびっくりしたけど、悪くなかった。
そしてこの作品でも「Witchtai To」を再演している。でも曲の表記が微妙に違う。「Witch Tia To」だ。
CAROL DUBOC / Restless
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/1008237687
キャロル・デュボクはベテランシンガーだという。ボクとそんな歳もかわらないみたいだ。
1990年代より何枚も作品をリリースしている。
ヴォーカル作品は比較的関心を持って過ごしてきたわけだけど、
実は聴いたことがない。というか記憶がない。
試しに過去の作品の何枚かを聴いてみたら理由がわかった。
フュージョンとういかクロスオーバー的な雰囲気なのが多い。
そんなのを受けつけなかった過去の自分。
今は、なんでも聴くようになり、嗜好もオープンになって、なんでも来いな状況。
ジェフ・ローバーと組んだこの作品、いっぺんで気に入った。
春になって、桜が咲いて、うきうきと浮かれたい気分。
しかし宣言解除されも、まだ不自由な生活を強いられている。
そんな塞ぎ込んだ気持ちを打破してくれるようなご機嫌なサウンドに身を任せて、ウキウキ気分を味わっている。
WES MONTGOMERY / NDR Hamburg Studio Recordings(CD+Blu-ray)
この作品の詳しい説明はこちらでお願いします。
昨日ジョージ・ベンソンを書いたので、今日はウェス・モンゴメリーにする。
ウェスのレコードを初めて買ったのは『California Dreamin』だった。1,500円とか1,300円の廉価盤。自分の思い描いていたリアルでシリアスなジャズではなかったので失望した。だから当時は好きではなかった。この良さに気が付いたのは、ここ3年くらい、最近のこと。「Oh You Crazy Moon」、「More, More, Amor」の素晴らしさにはほんとに感嘆。イージーリスニングなのかもしれないけどね。『A Day In the Life』の「カリフォルニア・ナイツ」も同じような意味合いで。
大学に入ってから知ったのは『Solitude』(という2枚組のレコードで1965年のパリ録音。
当時よく演奏していた「4 on Six」は彼の中でも上位の演奏のように思える。また「Impressions」はほとんど演奏されていないが、かなりエネルギッシュな演奏。
この音源は近年レゾナンスより発掘された『In Paris: The Definitive ORTF Recording』として聴ける。特筆すべきは、当日のコンサートと同じ曲順でリリースされているということで興味深い。当時フランスに移住していたジョニー・グリフィンが3曲で参加、これも圧巻。
このハンブルクの音源はそのヨーロッパ・ツアーの一環での演奏。
マーシャル・ソラール、ロニー・スコット、ハンス・コラー、ロニー・ロスらが参加したことにより、急速にヨーロッパ・グルーヴが吹いてきたぞ。「Last Of The Wine」を聴いてそう感じた。
ジョージ・ベンソン / ブリージン
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昨日22日はジョージ・ベンソンの誕生日だったらしい。78歳だそうだ。
今日知った。
昨日はちょうどジョージ・ベンソンのことを書いていた。題材は、1968年のジミー・スミスの『ザ・ボス』のことだ。しかしながら誕生日ということなら、もう少し広げてボクの好きなジョージ・ベンソンの曲について何曲か書いてみたい。
1976年の『ブリージン』でジョージ・ベンソンを初めて知った。
記憶では発売日の翌日に購入したのだが、「発売日翌日」ではなかったかもしれない。発売してしばらくしてからだったかも。それからずっと聴き続けている。
ジャズ以外のすべての音楽で、自分の中では一番聴いてきた作品と言えると思う。
海外出張の飛行機での「お供」はほとんどこれだった。それだけでも数百時間は聴いているんだよね(17年間で)。
マイベストは、「Affirmation」、「So This is Love?」そして「Breezin」だ。
ジミー・スミス の『ザ・ボス』はジャズ喫茶時代に偶然聴いた。
「ザ・ボス」でのジョージ・ベンソンにしびれた。ボクの知っている『ブリージン』でのジョージ・ベンソンとはまるで違うジャズ・ギタリストがそこにいた。
最近では「サム・オブ・マイ・ベスト・フレンズ・アー・ブルース」、「ディス・ガイズ・イン・ラヴ・ウィズ・ユー」も気になりだしている。
ボクは、「Mambo Inn」という曲が好き。最初はビリー・テイラー・ウィズ・キャンディドのトリオで知り、ギターではグラント・グリーンが『ラテン・ビット』で演奏していた。
1989年に発売された『Tenderly』でその「Mambo Inn」をやっていた。ボクは横浜関内のお店にいた。まだジャズフロアが5Fにあった頃。毎日毎日店頭演奏した記憶がある。これも忘れられない曲。
あ、その前にもあったな。『Weekend In L.A.』だ。
これはレコードだと2枚組で当時は4,000円もした。買うのにずいぶんと悩んだ。失敗はしたくないからね。でも「メローなロスの週末」この1曲でもとがとれた気もした。富山に居ながらにして「メローなロスの週末に浸りました」よ。「Down Here On The Ground」も好きなんだけど、このヴァージョンよりもスタジオヴァージョンのほうが好き。オリジナルには収録されてなかったけど最近の『ブリージン』のCDには収録されていて、それがイイ。
ここ4年間で知った曲としては、「Love X Love」。『Give Me The Night』に収録されている。また『Weekend In London』のヴァージョンも捨てがたい。
個人的なロニー・スミス強化月間中に知った「It’s Changed」もいい曲。『Afro Desia』に収録されている。
ということでジョージ・ベンソンにたっぷりと浸っています。というかもうずっとなんだけどね。
<予約>ジャズ・アナログ・レジェンダリー・コレクション第2弾が発売
https://diskunion.net/jazz/ct/news/article/1/95485
ANN BURTON / アン・バートン / Blue Burton / ブルー・バートン(LP/180g重量盤)
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/1008272754
アン・バートンのことを知ったのは20歳くらいの時だった。
ボクが修行していたジャズ喫茶マイルスでは、特にリクエストがなければママの好きなレコードでその日の営業を閉めることが多かった。記憶しているレコードとしては、ケニー・バレルの『ヴィレッジヴァンガードの夜』、アート・ファーマーの『イエスタディ・ソウツ』、マイルス・デイヴィスの『スティーミン』、アン・バートンの『ブルー・バートン』などなど。他にもたくさんあったが忘れた。
ジャケットを手に取り、「アン・バートンって誰だろう」と思った。ヨーロッパ、オランダの歌手なのかと知った。
それは、リタ・ライス、モニカ・ゼタールンド、カーリン・クローグなどを初めて知った時に似ている。
アン・バートンの優しい語り口、どれもが名曲になってしまう。
もう皆さんが「名盤」と認定されているので、今さらボクごときが、「えー、捧ぐるは愛のみは名曲でしてぇ」なんて言っても始まらないから、差し控える。
B面の「夜は更けて」(In the wee small hours of the morning)はボクの心にさんざん刻まれた。
2008年ハクエイ・キムさんの『シャドウ・オブ・タイム』で演奏してもらったのも、そんな気持ちからだ。
アン・バートン聴いているあいだは、ゆったりとした優しい時間が流れる。
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