<連載> ★山本隆の"続 JAZZ IN THE WORLD"★ 2021 May

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2021.05.31

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ジェニー・エヴァンス  / シャイニー・ストッキングス
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/XAT-1245742648

この作品は1997年。吉祥寺ジャズ館がオープン(オープンは因みに1997年7月)してから入荷してきた(と思う)。オリジナルはディジパック仕様だった。デュスコ・ゴイコヴィッチとジャンニ・バッソが参加していたこともあり当時は評判が良かった。80年代から作品をリリースしていたようだが、当時は知らなくてこれが最初のジェニー・エヴァンスだった。当時連載していたスウィング・ジャーナル誌の<輸入盤ワールド>でも紹介した(と思う)。
「Good Old Days」と「The Song Of Autumn」はデュスコの曲で彼らしい異国の哀愁を感じられる曲で、なんとも言えない素晴らしさだ。



ジェニー・エヴァンス / ガール・トーク
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/XAT-1245742647

そしてこれはその後1999年に発売されたライブ音源。『Live at the Allotria』というタイトルで発売になったこともある。
「ソング・フォー・マイ・ファーザー」、「セント・トーマス」を歌っている。
11曲目には「ミスター・ボージャングルス」が収容されている。『Jazz Bar 2005』でフランクリン・クローバー・シールズ演奏のその曲が採用されていて、その時初めて知った。ソニー・スティットにはアルバム名が『ミスター・ボージャングルス』(カデット)がある。ジャズ的にはニーナ・シモンのが有名。高倉健さんが生前好きだった曲のようだ。
ジェニーのヴァージョンもいいね。
ジェニーは、ミュンヘンに住んでいる。ボクの知り合いともとても仲が良くて、2019年10月のミュンヘン出張の際、彼女に連絡をとってくれた。「20数年前からあなたのCDを聴いています」と一言会って言いたかった。しかし予定が合わなくて会うことは叶わなかった。
残念。





マイルス・ディヴィス / イン・ストックホルム・1960・コンプリート(4CD)
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/1008290689

1960年ストックホルムのコンサートハウスでのライブ音源。コルトレーンとのセッション(2枚組)、ソニー・スティットとのセッション(2枚組)のレコードが1985年Dragon Recordsより発売となった。
その後DIWがライセンス契約し国内盤を出した。
Dragon Recordsは1975年ピアニストのヤン・ヴァルグレン (Jan Wallgren)とジャーナリストのラーシュ・ウェスティンにより設立された。スウェーデンで最も重要なジャズレーベルだ。ウェスティンさん宅には3回訪問した。多くのスウェーデン・ジャズの資料を見せてもらい勉強になった。
Dragon Records はBest Swedish jazz album of the yearというゴールドディスクを13回受賞している。ボクがオフィスを訪問した2001年時の壁には8個のGディスクが掛かっていたので、その後も増えたということだ。
レーベル史上一番のセールスはこの1960年の『マイルス・ディヴィス / イン・ストックホルム』らしい。おそらくレコード、CD合算の数字だと思う。
このジャケットは、スウェーデンを代表する写真家ベント・ホ・マルムクヴィスト(Bengt H. Malmqvist)によるもの。トミー・フラナガン『オーバーシーズ』、EP3枚のジャケットをはじめ、Metronome、Philipsなど多くのジャケットを手掛けた。
トム・クルーズ主演の『ザ・エージェント』という映画にこの作品のことが出てくる。
「マイルス・ディヴィスとジョン・コルトレーンのストックホルム・コンサート 1963年。2人のジャム・セッション。キングの演奏だ」というようなセリフの場面があり、トム・クルーズはマイルスとコルトレーンの写真がジャケットの<カセットテープ>を渡される。
一瞬、カセットテープが出ていたのか?とも考えてしまうが、それは映画上の演出に過ぎないと気が付く。そもそもコンサートは1963年ではなく1960年なのだから。(1963年にはコルトレーンのバンドが再度ストックホルムでコンサートをしているけど。)
因みに映画では、そのカセットから流れてきたのは、チャールス・ミンガスの「Haitian Fight Song」(道化師に収録)だった。
コンサートハウスは1800人弱収録できる。スウェーデンのジャズ・ファンの熱狂ぶりが歓声から伝わってくる。そういえば、リー・コニッツが1951年に初めてストックホルムで演奏した(Sax Of A Kind)のも、このホールだった。
今回、コルトレーンのインタヴューをちゃんと聞いてみた。憧れのコルトレーンを前にして少し緊張気味。一ファンとして知りたいことを率直に質問しているのが好感持てた。

Dragon Recordsのオフィス。8個のゴールドディスクが壁に掛かっている。(2001年6月撮影)


ラーシュ・ウェスティンさんの自宅にて。膨大なレコードと資料に溢れかえった部屋での滞在は至福の時間だった。(2006年3月)


ストックホルムのコンサートハウス。いつも花とかフルーツとか売るマーケットが建っている。(2014年6月)


映画『ザ・エージェント』のそのシーン。カセットのジャケはマイルスのようにも見える。

 



 



WARNE MARSH / 1950s Collection(4CD)
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/XAT-1245742551

ウォーン・マーシュの1950年代の8作品を4枚のCDに収めたお買い得盤。

ここに収録されている作品を録音順に列挙したものが下記となります。
最後の2枚は1970年代に発売されたが、録音は実は1959年のものだ。
1957年のテッド・ブラウン名義の『Free Wheeling』が収録されていないのは残念だけど。
『Jazz of Two Cities』はインペリアルがオリジナル。昔東京芝浦電気からは赤盤で再発されていた。ボクの働いていたジャズ喫茶にはなく、また毎日のレコード漁りでも出くわすことはなく聴けていない状況が何年も続いた。或る時今も営業している都内のジャズ喫茶でリクエストして聴いた。ロニ・ー・ボール(p)、ベン・タッカー(b)、ジェフ・モートン(ds)という黄金のリズムセクションとのカルテット。
『The Right Combination』は、ジョー・オーバニーの作品。録音技師の自宅でのプライベートな録音をウォーン・マーシュが買取り、リバーサイドからの発売となった。ジョー・オーバニー名義としたのは、やはり「チャーリー・パーカーお気に入りピアニスト」であるオーバニーへの敬意があったのか。ベース奏者のボブ・ウィットロックとのトリオ作品。なのだが、曲によりやる気のないドラムがきこえる。これは一説にはその技師とも言われている。ということで録音は粗末で演奏も中途半端に中断されてしまう。なのだが、それがかえってこの演奏の雰囲気を盛り上げているようにも思えて個人的には好きだ。
この奇天烈なジャケットは、ポール・ベーコンによるデザイン。ポールはモンクの『ミステリオーソ』とかブルーノート盤とかで人気のデザイナーだ。結構おおがかりでコミカルではある。金庫の組み合わせとメンバーの組み合わせ、そのふたつのコンビネーションをかけたタイトルと合うジャケット、そして内容。なかなか地味で誰も振り向かない作品だけどね。
リー・コニッツとのセッションは結構聴きすぎたから最近敬遠していたけど、今聴くとやはり最高な演奏だった。
ボクのウォーン・マーシュの1曲は「You Are Too Beautiful」(Music for Prancingの1曲目)です。コルトレーンとジョニー・ハートマンのインパルス盤で有名な曲だけど、ボクの好みはウォーン・マーシュなんだな。

収録作品
Lee Konitz with Warne Marsh (Atlantic, 1955)
Jazz of Two Cities (Imperial, 1956)
Art Pepper with Warne Marsh (Contemporary, 1956)
The Right Combination (Riverside, 1957)
Music for Prancing (Mode, 1957)
Warne Marsh (Atlantic, 1958)
The Art of Improvising (Revelation, 1959 [1974])
The Art of Improvising Volume 2 (Revelation, 1959 [1977])

 


ASTUKO KOHASHI & TONY OVERWATER / 小橋敦子&トニー・オーバーウォーター / CRESCENT / クレッセント

小橋敦子&トニー・オーバーウォーター / CRESCENT
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/XAT-1245744085

小橋敦子さんから「新しくレコーディングをしました」とラフミックスの音源を送っていただいたのは2月の終わりだった。その時の事情で、「ワイズ・ワン」、「ロニーズ・ラメント」、「クレッセント」の3曲の試聴ではあったが、既に名盤と確信を持った。
「コルトレーンが探求していて精神世界の高みへと連れて行ってもらった気分です、これらの曲が持つ刺激的な側面をピアノとベースで表現されていますが、その快楽に浸りました。」と音源のお礼の返事を送った。
そもそもボクは、コルトレーンの中では『クレッセント』が一番なのだ。かつて吉祥寺にあったA&Fというジャズ喫茶の大西さんも好き!ということで、話も弾んだこともあった。
「クレッセント」、「ワイズ・ワン」、「ロニーズ・ラメント」が至上のコルトレーン曲。ということでもコーフンは禁じえない。
小橋さん、ニューヨーク時代にスティーヴ・キューンの薫陶を得た、と聞いたことがある。スティーヴ・キューンにはベース奏者とのデュオ作品の名盤が2枚ある。
ハービー・シュワルツ(ハービー・S)との『Mostly Ballads』(1984年)、スティーヴ・スワローとの『Two By 2』(1997年)だ。今聴いても最強のデュオ作品だと信じて疑わない作品。
そういう師匠の影響もあるんでしょうか、小橋さんもベース奏者とのデュオ作品が目立ちますね。
フランス・ヴァン・デル・フーヴェンとの『アムステル・モーメンツ』(2009年)、井上陽介との『ターナラウンド』(2010年)がありました。
そしてこの作品。ここで演奏するベース奏者は2019年の『ヴァーゴ』にも参加していたトニー・オーバーウォーターです。フリューゲル奏者のアンジェロ・フェルフーヘンとのトリオでしたが、今聴いても名盤だと思います。

ベースとピアノの世界。気持ち大き目の音量で身を預ける贅沢な時間を持つことができました。ありがとうございます。心が洗われます。

ああ、小橋さんと一緒に飲んだデュヴェル。一晩で10本も飲んで二日酔いになったけど、これ聴きながら飲みたくなった。買ってこよう。。





CHARLES MINGUS / Live at Carnegie Hall (Deluxe Edition)
https://diskunion.net/jazz/ct/news/article/1/97016

ボクが聴いていた昔のレコード収録は2曲のみだった。すなわち「Perdido」と「C Jam Blues」。この2曲だけで45分もある。当時はA面「Perdido」かB面「C Jam Blues」どちらかだけを聴くことが多かったと思うが、ボクはA面派だった。
聴き終われば疲労困憊、腹いっぱいになり満たされた。
ソロのオンパレード。ソロに次ぐソロ。その圧倒的なパワーにコテンパンにされる。
楽しみだな。

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新譜案内から抜粋

◆2枚組CDと3枚組LPという2形態でリリースされるこの『MINGUS AT CARNEGIE HALL (DELUXE EDITION)』は、当時リリースされていた2曲入りのアルバムに加え、約80分の未発表音源を含む全7曲(イントロダクション含む)を1974年1月にカーネギー・ホールで披露されたセットリスト順に収録した、まさにジャズ・ファンにとっては宝物のような作品であり、マグマの様に熱く濃密なあのミンガス・ミュージックの神髄を、完全な形で体験できる非常に貴重なアルバムなのだ。なお、ブックレットにはオリジナルのライナーノーツ執筆者、Sy Johnsonによる序文や、ジャズ歴史家/プロデューサーのMichael Cuscunaによる書き下ろしライナーノーツに加え、貴重な未発表写真などが掲載されている。





MIKE WESTBROOK / Love Songs(LP)
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/1008306174

嬉しいレコード化だ。オリジナル盤は1970年DERAMから発売となっている。
ボクは、2000年2月に国内発売されたCDで初めて聴いた。
どういう経由で聴いたのかはよく覚えていない。自分から進んで聴いてみたというのは考えられない。当時はそんなにこのあたりには興味なかったので。
ヨーロッパジャズ、特にブリティッシュ・ジャズに詳しい星野秋男氏と月一回の定例会を持っていたので、もしかしたら星野氏の提言だったのかもしれない。実際ジョン・サーマンの「ブリティッシュ・ジャズの金字塔」とも星野氏が言う『Jazz In Britain '68-'69』収録のジョン・サーマンの「ウィンター・ソング」を試しに聴いたら果たして「これは名曲」だと思ったわけだし。

ちょうど、その頃結婚式を計画していた、そう自分の。「BGMのご希望とかあったらCD音源を持ってきてくださいね」と係の女性に言われていた。普通の結婚式でかかるような普通の「おきまりのBGM」はまったく考えられなかったので、一生懸命頑張って考えた。
ナット・キング・コールの『Love Is The Thing』は決めていて、あと他はどうするかなと悩んだ。そこで浮上したのが、この『Love Songs』だ。タイトルもいいし、なにしろいい曲だ。式の参加者の方々も喜んでくれることだろう。これはうってつけだろうと思い決めた。
考えてみるに、これを結婚式のBGMで流した、なんて他にはいないだろうな。





アート・テイラー/ ミスター・A.T.
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/1006128096

1991年録音作品。
これはよく聴いていたな。発売当時。たぶん横浜店勤務時代だと思うけど。
渋谷から桜木町まで毎日通っていた。4年間も通った。だんだんと背が伸びていく横浜ランドマークタワーを毎日眺めていた。そんな頃の思い出深い作品だ。
当時売り出し中だったアブラハム・バートン(アルトサックス)とウィリー・ウィリアムス(テナーサックス)の2管ハードバップ。ピアノには新進気鋭のマーク・キャリーを、ベースにはサンラー・アーケストラのタイラー・ミッチェルを据えた。
特にウィリー・ウィリアムスが好きで、その翌年あたりに発売された『Spirit Willie』(1994年)、1997年の『WW3』が思い出される。
実は、今何十年かぶりで聴いたのだが、その内容も鮮明に覚えていた。ロリンズの『サキソフォーン・コロサス』かよ、というくらいにだ。
1曲目の「Mr.A.T.」という曲は、「シャイニーストッキング」をベースにしているかのような曲で、なんともセクシーだ。この感覚を体験したくてこれを聴いていたようなものだ。
2曲目はランディー・ウェストンの「Hi-Fly」だ。この曲はほぼいい演奏に決まっている(ボクの主観)が、これもクール。
マル・ウォルドロンの「Soul Eyes」はこの作品の白眉。全員の張り切り具合が伝わってくる。名曲にして名演奏。



JAZZ FURNITURE / Jazz Furniture (Jazz I Sverige '94)(2LP/180g)

JAZZ FURNITURE / Jazz Furniture (Jazz I Sverige '94)(2LP/180g)
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/1008310437

このレコードのことはモーズロビーレーベルを主宰するヨナス・キュールハマー(カルハマー)に教えてもらった。
カプリース(キャプリース)音源作品のレコード化をプロデュースしたよ、5月に発売されるよ、というのだ。
その作品は『Jazz Furniture』というもので1994年の録音。
その後のスウェーデン・ジャズを牽引してゆく若手で構成されていたということで興味深い。それを今復刻することはとても意義あることだろう、またレコードでというのもイカシテいる。そういえば、ヨナスは、スウェーデン・ジャズのレア音源であるギルバート・ホルムストロームの『Utan Misstankar』をレコード化(モーズロビーより)したな、ということを思い出した。
Jazz Furniture のメンバーはESTのエスビョルン・スヴェンソン、ダン・ベルグルンド 、 マグヌス・オストロム。Atomicのマグヌス・ブルー、フレードリク・ユングクヴィスト。
Moserobieの諸作で活躍するペール・テキサス・ヨハンソンの6名である。
Jazz Furnitureというグループ、結局これ一枚しか発売されなかったみたいだが。
1990年代初頭のスウェーデンのジャズを知る恰好の作品として注目したい。

「スウェーデンのアート・ブレイキー」と称されていたのが、ドラムのフレードリク・ノーレン。数多くの若手をグループから輩出していたので、そう称されているとベースの森泰人さんに教えてもらった。2001年初めてストックホルムに行った時に、森さんの案内でオルケスタル・ジャナレーン誌(世界最古のジャズ雑誌)社を表敬訪問した。同じビルにカプリースのオフィスがあり、そこから出てきた人物が彼だった。そこで立ち話をし、「スウェーデンのアート・ブレイキー」と紹介を受けたのだった。
エスビョルン・スヴェンソン、マグナス・ブルーがその出身者だ。
因みにエスビョルン・スヴェンソンの初参加作品は『Joao Carlos』(Dragon 1987年→後に彼のレーベルMirrorsから発売)だ。
エスビョルン・スヴェンソン・トリオの名前がじわじわと浸透し始めたのは『When Everyone Has Gone』(Dragon 1993年)あたりからだが、日本でのそれは1997年とか98年のことだ。
ペール・テキサス・ヨハンソンは、ヴォーカルのレベッカ・トルンクヴィストの『The Stockholm Kaza Session』(1996年)に参加していた。発売当時は新宿店勤務で、店頭演奏もすこぶる好評だった。特に「The Peacocks」の彼のバスクラリネットはなかなか震えた。
フレードリク・ユングクヴィストは1995年『Fallin' Papers』(Dragon)をリリースした。
後年Moserobieでも活躍するFilip AugustsonとTorbjorn Gulzが参加していた。
また、Lina Nyberg(リナ・ニーベリ)はスウェーデンの歌姫として90年代より日本にも紹介されている。『When The Smile Shines Through』(Caprice 1994年)が当時スウェーデン・ジャズ道究者の人たちにも人気だった。ペール・テキサス・ヨハンソン、エスビョルン・スヴェンソン、ダン・ベルグルンドが参加していた。因みにリナ・ニーベリはフレードリク・ユングクヴィスト夫人である。

実は、このCD発売当時聴いた覚えがない。
あれだけ意識してスウェーデンのジャズを聴いていたのに、スルーしていたのは謎でしかない。ということで今聴いている。「I hate all that silence」という曲が結構好きかも。
こうして『Jazz Furniture』を端緒として1990年代から2000年代あたりのスウェーデンのジャズ、その当時気に入っていたアレコレを今あらためてランダムに聴き始めている。
それらの中に入手可能な商品があるようなら、また紹介してみたいと思う。





ロナルド・マルドロウ / ディアスポラ
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/XAT-1245737935

こんなのも再発されているんだ、とビックリしている。
ロナルド・マルドロウのリーダー作品で最初に日本に紹介されたのは、1991年の『Gnowing You』だと思うが、それなりに売れた記憶がある。もう30年前の作品なんだな。
彼はウェス・モンゴメリーを信奉するギター奏者。
トリオ編成で、ラリー・ゴールディング(オルガン)、ジミー・マディソン(ドラムス)というメンバーだった。
今試しにウィキペディアでロナルド・マルドロウを調べてみたら、何故かこの『Gnowing You』は記載されていなかった。
不思議だ。「Little Wes」というウェスに捧げた曲が素晴らしく良かった。
1993年に発売された『Yesterdays』には、オルガンにメルヴィン・ラインが参加していた。メル・ラインはウェス・モンゴメリーの『ボス・ギター』などにも参加しているウェス一家の一員だ。その頃リバーサイド時代、ウェスの作品ではオルガンは重要な役目を果たしていたと思うが、その要人メル・ラインが参加とはなんとも嬉しいではないか。
この『ディアスポラ』は1995年の作品。Mulgrew Miller(p),Peter Washington(b),Yoron Israel(ds)のカルテット演奏。
「星影のステラ」、「センゼニ」、「アンビデクストラス」などオススメ。





トミー・フラナガン / レッツ
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/XAT-1245595551

サド・ジョーンズのブルーノート盤に『The Magnificent Thad Jones Vol. 3』というのがある。大好きでよく聴いていた。といってもB面ばかりだが。B-1は「レッツ」というアップテンポで、すこぶるご機嫌な曲。奥行のあるサド・ジョーンズのトーン、ジジ・グライスの生涯絶好調時のみずみずしいプレイ、小気味よいトミー・フラナガンのソロには思わず小躍りしてしまう。そんな「レッツ」を100回以上聴いていた大学時代だった。
1993年、渋谷の地下にあったユニオン勤務時にこの『レッツ』に遭遇した。
「懐かしいなレッツ!」と思い店頭演奏すると、お客さんの反応もかなり好評だった。
また、2曲目の「ミーン・ホワット・ユー・セイ」はサド・ジョーンズとペッパー・アダムスのマイルストーンレーベルの同名作品でよく聴いた。ピアノはデューク・ピアソンだったけど素晴らしい作品だ、地味で、あまり「これはいいよね」という人には会ったことないけど名盤といっていい。
また、「ア・チャイルド・イズ・ボーン」はサド・ジョーンズのスコアの中でも最高傑作と言われている曲でもある。
録音はデンマーク。ベースのイェスパー・ルンゴーのベースプレイも聴きどころである。




5月の写真は、通称<リンカーンの顔>と言われている洞窟の岩です。

グヌン・ムル国立公園内のディア・ケイブという洞窟にあり、言われてみれば「そうとも見えるかな」というものでこれを世界から見に来る。これを見にくるほど大層なモノでもないと思うけど。
ディア・ケイブは高さ120m、幅175 mという大きな洞窟で「ボーイングの航空機が2機入るよ」とガイドさんに聞いた。
これ何億年かかったの?と思われる鍾乳石があちこちにあった。

グヌン・ムル国立公園は、ボルネオ島のムルにある。因みにボルネオ島はマレーシア、インドネシア、ブルネイの三か国が共同生活している。

ムル空港までは、ミリ空港から30分もかからない。

ムル空港はとても小さくて最小限の設備のある空港と言えるかも。もちろんボクが行ったことのある空港の中で。
ムル・マリオット・リゾート&スパ行の送迎車は、トラックだった。風が気持ちよかった。
Clearwater Caveという洞窟には、小さなボートで川を下った。ああいう揺れる乗り物は苦手なんだけど、なんとか乗れた。貸し切りというか専用ボートだったのが幸いした。人がいれば揺れるからね。途中ペナン族の市場を見学。おそらくここの市場に寄るようにガイドさんと協定が結ばれているんだろう。アクセサリーを買ったけど、まるでやる気のない接客にも異文化を少し感じた。
自分至上もっともプリミティブ(原始的な、未開の)な村だった。痩せこけた犬がせつなかった。

これは2018年、ボルネオ・ジャズ・フェスティヴァルに招待された時のもの。招待元のサラワク観光協会が、このムル探検参加が必須条件と提示してきたのだった。
おそらくプライベートではもう行くこともないだろう。

ディア・ケイブは高さ120m、幅175 mという大きな洞窟




世界屈指のを誇る鍾乳石


ムル空港


ムル空港 一つしかないチェックインカウンター


ムル・マリオット・リゾート&スパ行の送迎車は、トラックだった


小さなボートでしか行けない洞窟へ


やる気のないお土産屋


自分至上最もプリミティブな村だった