タローでのライブ音源がまた出た。今度は『クール・ジョジョ』を録音する7日前の録音1972年だそうだ。2枚組でタップリ、トリスターノ系、コニッツ系のサウンドが楽しめる仕掛けだ。ボクは、高柳さんの音楽のことについてはまったくの素人だけど、この辺りの音には敏感だ。そもそもジャズ聴き始めの初期にトリスターノのレクイエムに痺れ、コニッツの熱いケリーズ・トランスに痺れ、「これぞジャズ」と思っていたからだ。根底には、完全にクール系のジャズがカラダに合っているようだ。ここで演奏されている「YOU'D BE SO NICE TO COME HOME TO」は13分程度あるが、短く感じてしまう。テーマ、アドリブ、いつまでも身を置いていたい気分だ。かつて1961年にコニッツは、『MOTION』においてこの曲を演奏していた。アドリブだけで曲は進行していき、テーマが吹かれるのは、曲終了寸前という究極のインプロヴィゼイションを展開していたこともあったが、そこまでのヤンチャはここではしていない。ボクには非常にリラックスして楽しめる究極のクール・ジャズがここに詰まっていると思っている。