<連載> ★山本隆のJAZZ IN THE WORLD★ 2015 May.

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  • 2015.05.19

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     ROLF KUHN ロルフ・キューン / Re-Union In Berlin


    ROLF KUHN / ロルフ・キューン / Re-Union In Berlin(LP)
    ROLF KUHN ロルフ・キューン

    実は初めて聴いた。オリジナル盤は何度か扱ってきたけど機会がなかった。JazzPerspective vol10が間もなく発売になる。今回は「ドイツのジャズ」の特集で、色々な誌面をこしらえてみた。ヨーロッパジャズに精通されている星野秋男氏には、「ドイツジャズの特殊性」という論文を寄稿いただいて、氏の考えるドイツジャズについて、またオススメの10枚を紹介してもらった。その中でこの作品を絶賛されているので、聴きたいと思っていたところだ。2曲目のバラードが美しくセクシーだ。曲によりアレだけど、3曲目と4曲目にすこぶる痺れた。ボクが聴いた感じだとピアノがセシル・テイラーでベースがブエル・ネイドリンガー、クラリネットがアーチー・シェップ風、つまり『セシル・テイラーの世界』(キャンディッド)のように鮮烈で狂気に満ちた恐ろしいものであった。ボクはそういうのも好きだから大コーフンしてしまった。人により好みはあるとは思うけど。(山本隆)



     ベニー・カーター / ファーザー・ディフィニションズ
     

    BENNY CARTER / ベニー・カーター / Further Definitions / ファーザー・ディフィニションズ


    ベニー・カーターのレコード最初に買ったのは『Swinging The 20’s』(Contemporary)だった。1曲目の「Thouswell」が当時好きだったし、ベニー・カーターの滑るようななめらかな音色のアルトが好きだった。それからすぐにこの盤に出会った。これはちゃんとメンバーを見ると凄いことになっている。テナーにはチャーリー・ラウズにコールマン・ホーキンスの二人、アルトにはフィル・ウッズとベニー・カーターの二人が参加している。それぞれ特徴のある人だけに、聴いていると「今誰が吹いている」とはっきり分かるので、それぞれの持ち味をリラックスして堪能できる、それが嬉しい部分でもある。最近は「ハニー・サックルローズ」なんて曲には興味がまるでないけれども、1曲目のここでの演奏は、それはそれは素晴らしい。思わず曲の深部に入り込んでしまう。このスウィング感を心行くまで堪能したいものだ、という誘惑に駆られ負けてしまう。ちなみにこの曲のソロ・オーダーは、チャーリー・ラウズ→フィル・ウッズ→コールマン・ホーキンス→ベニー・カーター→チャーリー・ラウズ→フィル・ウッズ→コールマン・ホーキンス→ベニー・カーターそしてアンサンブルということになっている。ご機嫌だなあ。それから2曲目のバラード曲がまた絶品だ。あまりなじみのない曲だけど、ベニー・カーターのセクシーなアルトが味わえる。しかしここでのコールマン・ホーキンスのソロには疑問を感じる、どこか迷いを感じてしまうのだ、ボクだけかもしれないけどそう思うのは。3は有名曲「CrazyRhythm」だ。昔ある作品に入っているコレを聴きすぎてこの曲が嫌いになったという経緯があるんだけど、いやいやこの演奏は素晴らしかった。ジミー・ギャリソンの存在感が全面的にドバーンと出ている。あのウォルター・ビショップJrの『スピーク・ロウ』が確か1961年の録音。この作品も1961年11月。ジミー・ギャリソン絶好調の時期であったことがこれでわかった。(山本隆)



     オリヴァー・ネルソン / ライヴ・フロム・ロサンゼルス 


    OLIVER NELSON / オリヴァー・ネルソン / ライヴ・フロム・ロサンゼルス

    最近、ミステリーチャンネルで刑事コロンボの「悪の温室」をみた。たぶんもう6回目とか見ている、というか旧シリーズ45作品全部みたし、しかも何度もみている。何度みても飽きない、面白い。小池朝雄の吹き替えがあっている。先日(4/1頃)ミュンヘンでテレビをつけたら、「攻撃命令」をやっていた。「ばらのつぼみ」に犬が反応して殺人を犯すアレだ。何度もみているものでストーリーも覚えているが、ドイツ語の吹き替えは、まるでコロンボらしくはなかった。ドイツではアレがコロンボとして成立しているんだろうけど、違和感ありありだった。ということで「悪の温室」、音楽が素晴らしかった。終わりのエンド・ロールを見るとオリヴァー・ネルソンの作曲のものであることが判明した。なるほど。この「悪の温室」はシリーズ11作目で1972年の作品。ネルソンは1967年にロサンゼルスに移住して、テレビとかドラマとかの仕事をたくさんしたようだが、その一つがこれだった。その翌日会社に出てきたら、このCDが机の横に置かれていた、なんという偶然。彼の代表作だ!と言い切る信奉者も沢山いるというビッグバンドの名盤だ。確かに西海岸のメンバーを集めたものだから、なんとなくウエスト・コーストの風が吹いている。「悪の温室」のイメージ曲と同じだ。オススメは、1とかマイルスの「Milestones」とか。いい感じ。(山本隆)