<連載> ★山本隆のJAZZ IN THE WORLD★ 2017 Aug.

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2017.08.09

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GIDON NUNES VAZ
Carry It On!

GIDON NUNES VAZ / Carry It On!


今日の東京はこの夏一番暑い日のようだ。
朝から既に35度を目標に温度計もぐんぐんと背伸びをして頑張っていたようだ。確かにアツい。今日みたいな日はなるべくなら外に出ない方がいいのかもしれないけど、そうもいかない。外営業、田町駅と品川駅の新駅建設の現場の方々、就職活動のみなさん、お疲れさまです。

ボクは明日から夏休みを頂戴します。
といっても病院通いです。
明日は立会川の呼吸器の先生のところ。それから青物横丁の内科を受診。土曜日は、慈恵医大の腎臓内科。13:30に予約をしてあるので、12:30には行って順番をとらなきゃ。それから放射線科。病院行くと半日から一日かかりの大仕事。血液検査が待っている。昨日まで不摂生していたので今日から3日間酒を抜こう。腎臓はクレアチニンの数値が悪い。通常なヒトの二倍の数値。これは抗がん剤の副作用によるものだけど、なかなか落ちてくれない。塩分控えめとか積極的に努力しているつもりなんだけど、一向に減らない。今回の数値もかなり悪いに違いない。体重も増えたし、中性脂肪など全般的に数値も悪いだろう。次回9月に向けて更なる努力が必要だ。

それが終了したら、オスロに行ってきます。
オスロ・ジャズ・フェスティヴァルに招待されました。オスロに行くのは2001年からだから16年ぶりということになる。

カーリン・クローグ&スティーブ・キューン&ジョン・サーマンのステージが楽しみ。ヘルゲ・リエンにも会ってくる予定。ちなみに今日のオスロの気温は14度だって。3年前7月のストックホルムが以外に寒くて、ダウンジャケットを買ってしまったことあるけど、今回もそれくらいは持参しなきゃ。
でも日差しは非常に強いので晴れたら、気持ちの良い夏になるハズ。

では今日の一枚。

4週間くらい前にギドン・ヌネスから送られてきた新作。
カバーは藤岡宇央さんのイラストです。内容にぴったりと寄り添います。ギドンはますます、古典的なハード・バップの世界にのめり込んでいきます。それがボクは気に入っています。
もう28回鑑賞してきて一番は、On A Clear Dayですよ。こんなスローでじっくりと聴かされたら誰だって参るのでは、はかないピアノもいいね。
Fifth Imageはギドンのオリジナル曲、テーマメロディーに魅かれたですよ。
その次の曲もオリジナル曲。暗い印象の曲だけど、これが良かった。では。


 



約2ヵ月遅れての発売となりました。遅れて申し訳ありませんでした。
6月の発売日あたりには「書店に並んでいないようだけど」と心配のご連絡もいただきまして、ありがとうございました。
またこのコラムも1月に再開したとたんにしばらく休止とさせていただきました。今日はその顛末をここに書かせていただきます。

昨年12月13日ポーランド大使館にて、前号の発売記念イベントをやらせていただきました。
その時には、まだ異変はなかったのですが。しかし1週間後、声が嗄れているよ、と女房が言うので近所の医者に行く。ちょっと診て、「大学病院を紹介するから」と言われたものの、年末年始にかまけて行かずじまい。
そうこうしているうちに4週間がたって、ますます声がひどくなる。かすれた声で「ハイボールね」と注文したら、「ひどい声ですね、こんなところで飲んでいる場合じゃないんじゃないですか」と言われて、それもそうだなと考える。
流石にやばいかなと思って、また近所の医者へ。医者はすぐに「紹介状」を書いてくれて、すぐにでも行くようにと。すぐに行った慈恵医大の耳鼻咽喉科では、すぐに喉の細胞を摂取{生検}。1週間後に結果発表するとのこと。

1月27日金曜日午後5時。

診察室入る前には、この診察終わったら田町の駒八本店で一杯やっていくかなと楽しいことを考えていた。けど、やけに重苦しい診察室の空気。「軽い喉の炎症などではなかったのかな」という思い。

「喉頭がんです。ステージ3です。つんくと同じ病状です」と何の抑揚もなく告げられた。

果たして、ボクの頭が真っ白になったのかどうか忘れたが、診察椅子から落ちそうにはなった。

「今日から煙草、お酒はいっさいやめてください」と言われた。
そういうことなら、さっきの上島珈琲店でもう何本か吸っておけばよかったな。でもそれを機会にすっぱりやめた。

「一週間あげるから、治療方法を考えてきてください」と素人に玄人の医師が、治療方法について丸投げするのが、がん治療である、とあとで本で読んだ。
ボクにも1手術しますか2放射線治療と抗がん剤の二本立てでやりますか、と迫ってきた。
1の場合、声を喪失します、つらいですよね。
2はある意味手術よりタフな治療になります、という。
タフという意味は、抗がん剤の副作用による吐き気、倦怠感のことで実際つらい。放射線治療による喉の痛みも激しい。食事の際には、医療用モルヒネのちからを借りて痛みを緩和して摂る。そのモルヒネの副作用に便秘というのがあり、それもまたつらい。倦怠感で寝てばかりいるからカラダの節々が痛い。とタフな治療になるのだ。つまり手術でなくて薬物治療を選んだ。セスプラチンを3週間ごとに3回、点滴で投与される。プラチナ系の毒なので、ホントにつらい。放射線治療は、週5回の7週間連続35回投射でがんを退治していく。毎週喉からその細胞が根絶されてゆく様子をカメラで見るのが楽しみだった。

ということで5月のゴールデンウィーク明け頃より職場に復帰。編集を再開したのでありました。まだ、万全な体調ではないので、だましだましの作業でやっております。

遅くなりました。次号もすぐに取りかかります。今後ともよろしくおつきあいください。
 


JAZZ PERSPECTIVE
VOL.14/ ジャズ・パースペクティヴ



特集: デンマーク / ルクセンブルク・ジャズ
○ラズウェル細木の「ラズウェル・コンサルティング」好評連載第二回目
○世界をまたにかけて活躍中の山中千尋のジャズ喫茶極道烈伝は都営三田線白山駅にある老舗ジャズ喫茶「映画館」
○大坂で無料情報誌「WAY OUT WEST」を発刊する藤岡宇央のエッセイ第二弾「デンマークのデザイン」
○今年、国交樹立150周年を迎えたデンマークのジャズと密かにアツい視線が注がれているルクセンブルクのジャズを特集
○杉田宏樹氏現地取材と編集長の緊急コペンハーゲン&ルクセンブルクの現地取材記事

 

特集1: デンマーク・ジャズ
デンマークデザインに魅せられてジャズにハマった私 米山葉子
デンマーク現地レポート 杉田宏樹
Steeple Chase物語 ニルスウィンターという人物と 杉田宏樹
Copenhagen Jazz Festival ポスター 全部掲載します
デンマークジャズの祭典Opposite 2017レポート 杉田宏樹
ニルス・ラン・ドーキー インタビュー
メッテ・ラスムセン インタビュー
デンマークを知るオススメCD40枚
デンマーク雑感~デンマークデザインとジャズ 山本隆

特集2: ルクセンブルク・ジャズ
ミシェル・ルイス 松永誠一郎
パスカル・シューマッハ 松永誠一郎
フライド・プライド 杉田宏樹
ルクセンブルクのジャズを知る16枚 杉田宏樹
ルクセンブルク滞在記 杉田宏樹

ジャズレコードコレクター訪問
今回は、今世界で注目されている発掘男、「ジャズ界のインディ・ジョーンズ」の異名を持つプロデューサー、ゼブ・フェルドマン氏の登場です。
ジャズ喫茶極道烈伝
「映画館」という名のジャズ喫茶。老舗です。
ジャズ喫茶マッチ誌上展覧会
『昭和・東京・ジャズ喫茶 昭和JAZZ文化考現学』の著者、シュートアロー氏が所有するマッチコレクションの誌上展。氏によるマニアックな解説もためになる。
廃盤座談会
今回は特集にちなんで、「デンマークのレアなレコード」をご紹介します。

【連載コラム】
ジャズとワインのおいしい関係
錆びない映画
EP 特集 イタリアの大コレクター マルコ・パッチのコレクションからレア盤誌上展
ジャズのある風景 山中千尋
モノラル者がゆく 大塚康之
ブルーノートなモノ、ヒト、コト 行方均
Jazz放言主義(寺島靖国)
ジャズの深部を軽快に描く良質な歴史書{今井正弘}
A Day in The Audio Life(田中伊佐資)
ポーランドのジャズフェスで出会った旬の若手たち 鮮度抜群の地物アーティストを現地で収穫するという醍醐味(オラシオ)
カスピ海のほとりにきらめいている独特のジャズ・ピアノfeat. アゼルバイジャンのムガム・ジャズ{岡島豊樹}
メガネ事件簿 渡辺康蔵
連載漫画(橋本孤蔵)

【JP的 Disc Review】
杉田宏樹 河内周二 神尾孝弥 広瀬毅 早川公規 深堀清次 大塚広子 島田奈央子 柳楽光隆 原雅明 中村智昭 山本勇樹 松林弘樹 山本隆
B5 / 152ページ / 並製