<月刊>スタッフ推薦盤 2017 .July

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2017.07.31

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HAMLETO STAMATO アムレット・スタマート
SPEED SAMBA JAZZ 5

HAMLETO STAMATO / アムレット・スタマート / SPEED SAMBA JAZZ 5


最先端ブラジル・ジャズ・シーンで、今最も活躍するピアニストの一人、アムレット・スタマート。彼をリーダーをするピアノトリオ"Hamleto Stamato Trio"の人気シリーズ SPEED SAMBA JAZZも今回で第5弾でございます。
「All The Things You Are」や「Take Five」などのジャズのスタンダードから、ショーロの古典までをご機嫌なノリで鍵盤を弾く様は、とても小気味良いです。痛快です。心踊る本格ジャズ・ボサ系ピアノ・トリオの最新作は、ジャズ~ボサ・ノヴァ・ファンにオススメします!(JazzTOKYO 中村)

MAYTE ALGUACIL マイテ・アルグアシル
Trav' Lin' Light

MAYTE ALGUACIL / マイテ・アルグアシル / Trav' Lin' Light

ヴォーカルトリオであればピアノより、ギター派!(完全個人的主観ですが…)この編成ならではの落ち着いたムードは、前月当店にも入荷したJane HallとEd Bickert (g)のWith A Song In My Heartにも似ています。
曲によってはサックスやトランペットが入っていてスインギーな雰囲気だったり、6. What a Little Moonlight Can Doではテンポアップし、ジプシー感もあったりします。前作も人気でしたが、今回もアコースティック感強い温まる作風が彼女の声にハマります。
スタンダードを癖なく余裕に歌いこなす様は、同郷のアンドレア・モティスと比較するとちょっとムーディーで大人な魅力があります。ヴォーカルものを追ってる方は是非とも見逃して欲しくない一枚です。(新宿ジャズ館 堀)


BLOODEST SAXOPHONE ブラッデスト・サキソフォン
BLOW BLOW ALL NIGHT LONG

BLOODEST SAXOPHONE / ブラッデスト・サキソフォン / BLOW BLOW ALL NIGHT LONG

暑い真夏に辛いものを食べるような感覚だろうか。
イメージするなれば真夏日に並んで食べる坦々麺、という感じでどうだろう。ひりつく舌に噴出す汗。夢中で食べ進めるうちに、いつのまにか暑さなどどこかへ行ってしまう。
今作は88歳(録音当時)の伝説的R&Bサックス奏者、ビッグ・ジェイ・マクニーリーと、日本のジャンプ・ブルース・バンドであるブラッデスト・サキソフォンの共演盤。
再生ボタンを押して一音目からゴリゴリにジャンプするサックス。ずしっと、腹にきます。続いて二曲目はビッグ・ジェイ初のヒット曲(1949年全米R&Bチャート一位!)を2テナーで吹きまくり。そこからはもう夢中で、ただただ楽しい、スウィングしっぱなしの40分。
暑苦しく、似た曲も多いコッテコテの内容だが、小細工一切なしの情熱たぎる音楽は、暑い夏に聴くとまた格別である。(JazzTOKYO 山田)


CHAMPIAN FULTON チャンピアン・フルトン
Things We Did Last Summer

CHAMPIAN FULTON / チャンピアン・フルトン / Things We Did Last Summer

2016年10月録音の前作『speechless』(Posi-Tone)が5月下旬に入荷し大好評を博している、話題沸騰中のヴォーカリスト/ピアニスト、チャンピアン(シャンピアン)・フルトン(1985-)と、モダンスウィング・テナーの重鎮スコット・ハミルトン(1954-)が共演したカルテット作品。
30近く歳が離れてはいますが、スウィングを追い求める志を通じて溶け合う音色は素晴らしく心地よいものです。
つい何度も聴きたくなってしまうチャンピアンの個性的な歌唱も輝かしい一枚。(JazzTOKYO 丸山)


CARMEN CUESTA カルメン・クエスタ
Palabras / パラブラス

CARMEN CUESTA / カルメン・クエスタ / Palabras / パラブラス

スペイン・マドリード生まれの女性シンガー、カルメン・クエスタの4年ぶりのアルバム。本作をプロデュースしたチャック・ローブのギターが、しっとりと美しいヴォーカルを見事に引き立てる良作です。
アルバム名にもなっている「Palabras」は、スペイン語で『言葉』という意味。同名のタイトル曲は、切なくなつかしい雰囲気のボサノヴァで、ゆったりとしたミディアム・テンポが心地良い1曲です。
個人的におすすめなのは3曲目の「Vaiven」。うっとりするようなイントロのギターソロから一転、軽やかに始まるジャズ・ボッサ風味の楽曲です。
今年の夏も暑いですが、このアルバムが爽やかな風を運んでくれる予感。(JazzTOKYO 加川)


CHARLES LLOYD チャールス・ロイド
Passin’ Thru(CD)

CHARLES LLOYD / チャールス・ロイド / Passin’ Thru(CD)

本作は以前2008年にECMから『Rabo de Nube』をリリースしたジェイソン・モラン(p),ルーベン・ロジャーズ(b),エリック・ハーランド(ds)とのNew Quartetでの全曲ロイドのオリジナルで構成されているライヴ・レコーディング作品になります。
曲は全てロイドのオリジナルで友人であるJudith McBeanに捧げられています。Judith McBeanはロイドが70年代に肉体的にも精神的にも不調でジャズから離れていた時にサポートしてくれた人物で、「彼女の愛とサポートなしでは僕の現在はあり得なかった」とコメントしています。
そんな思い入れのある彼女に捧げたセカンド・テイクなしのライブ録音。
是非聴いていただきたい。(JazzTOKYO 和田)


SHAHIN NOVRASLI
Emanation

SHAHIN NOVRASLI / Emanation

ARI HOENIG擁する3年前の前作『Bayati』でニュースター誕生の感がありましたが、新作トリオも素晴らしい出来です。
70年代はVAGIF MUSTAFA ZADEH、90年代はAZIZA MUSTAFA ZADEHと、同国出身のこの親子が伝統音楽ムガームの立場でジャズを構築したことに由来するアゼルヴァイジャンのジャズアイデンティティ。
特にAZIZAはより幅広い表現を好んだり、米のミュージシャンとの共演でフュージョン寄りのテクニックに共鳴していた印象が強いですが、SHAHIN NOVRASLIはBRAD MEHLDAUの影響を立脚点として、NYの文脈に準じているようです。その上でトラディショナルな様式を様々なアプローチで曲構造に反映させるのですが、これらの違和感のなさにビックリ。ビルドアップの点ではMUSTAFA親子や、お隣アルメニアのTigran Hamasyanを越えているかもしれません。俄然要注目のピアニストです。(新宿ジャズ館 有馬)


WORKSHOP DE LYON ワークショップドリヨン
50eme Anniversaire (6CD)

WORKSHOP DE LYON / ワークショップドリヨン / 50eme Anniversaire (6CD)

フレンチ・フリー界の猛者達が集って結成されたグループWORKSHOP DE LYONとその変名Free Jazz Workshopの貴重な初期作をまとめたボックス。
フリーと言ってみるものの、どこかサーカスのような雰囲気だったり、地元の民謡や演劇的な展開に人肌感じると同時に「誰でもウェルカム!」な下町情緒的雰囲気があるように思います。
早く再入荷してほしい!(営業部 三橋)