灰野敬二を中心とするプロジェクト、NIJIUMUのアルバムがボーナス・トラックを追加収録して再発
灰野敬二を中心とするプロジェクト、NIJIUMUのアルバムがボーナス・トラックを追加収録して再発
7,700円(税込)
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*2LP
日本の先鋭的なミュージシャンである灰野敬二を中心とするプロジェクト、NIJIUMU(滲有無、ニジウム)が1993年にP.S.F. Recordsからリリースしたアルバムがボーナス・トラックを追加収録して再発。
灰野がグループ名を冠した初期のソロアルバム(1993年にP.S.F.からリリース)と同様に、楽器はリバーブに溺れ(秋山はこれを「バンドの特徴の一つ」と回想している)、しばしば楽器の音源を覆い隠してしまう。短いオープニングでは、遠くから聞こえるリード楽器が、シンバルとゴングのベッドの上で、長く唸るような旋律を奏でる。まるでチベット音楽のサイケデリックな解釈のようだ。約50分に及ぶ壮大な第2部は、エレキギターとベースが広がり、ほぼ形のない雲のように広がる。弓で弾かれた弦と撥弦の影に隠れ、3つの要素がねじれた無調の形を奏でる。録音の様々な場面で、ミュージシャンが楽器間を行き来しているような音が聞こえ、シャッフルやバンプといった動きがこの過激に開放的な音楽にシームレスに溶け込んでいる。やがて、エレキギターらしき音が前面に現れ、繰り返される旋律のセルに定位する。その周囲には、ロングトーンと時折シェイカーの神秘的な雲が漂っている。30分を過ぎると、音楽は激しく感情的なクライマックスへと盛り上がり始める。灰野の情熱的なボーカルが、重厚な低音の重々しい音を強調し、時折ティンホイッスルのような音が対比をなす。突然、音量はささやき声に近いほどに下がり、灰野の名曲「Affection」のスローモーション・バラードを彷彿とさせる、息を呑むようなラストシーンへの道が開かれる。時折ウッドブロックが叩かれることで、この曲にエキセントリックなひねりが加えられている。
3曲目は、轟くベース、弓で弾く弦楽器、そして抽象的なスライドギターの朧げなトリオで幕を開ける。後者は、秋山の後期のソロ作品を彷彿とさせる。やがて灰野の声が加わり、その脆く、恍惚とした音色は、録音以前に黒服の男が残忍なジェズアルド伯爵のマドリガルを愛していたという記録を思い起こさせるかもしれない。音符の途中で唐突に途切れる。この再発盤では、虹ウム・トリオによる録音に加え、灰野が1973年にソロで録音した楽曲を収録。これは、約30分に及ぶ爽快なエレクトロニック・サウンドの炸裂だ。自作の機材を用いて、クランチーなディストーションと震えるような倍音ファズの奔流を解き放つこの曲は、ロバート・アシュリーのウルフマンやウォルター・マルケッティのキンモクセイと並ぶエクストリーム・ライブ・エレクトロニクスの正統派として、メルツバウより何年も前にエクストリーム・ノイズを予感させる作品として位置づけられている。全体として、これら4つの側面を持つ音楽は、灰野の特異な創作過程における、あまり知られていない中継地点のいくつかを記録した素晴らしい記録となっている。
NIJIUMU / 滲有無