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ついに国内盤登場の"カタラン・ギター"ことカタルーニャを代表するベテラン・ギタリスト、トティ・ソレール。第二弾は、2013年作"君の名前"をご紹介。
トティ・ソレールは、1949年スペインのカタルーニャはバルセロナ生まれ。60年代からノバ・カンソ運動などカタルーニャ音楽シーンの重要場面で活躍してきた当地を代表するギタリストです。アメリカのタジ・マハールに出会いブルースを学び、セビージャの伝説的フラメンコ・ギタリスト、ディエゴ・デル・ガストールからフラメンコの手ほどきを受けたり、他にも地中海音楽、ジャズ、ロック、クラシックを吸収し、70年代初期には、地中海ギター・サイケデリックな不思議な作品群をリリース。一時期率いていた"OM"というグループは一部のプログレファンにも知られています。
その後、80~90年代と、洗練度合いを増しながらも、それまでのスタイルは崩さずに、コンスタントに作品を出し続け、その一方でマリア・デル・マール・ボネットやパスカル・コムラードといったカタルーニャの個性的な音楽家たちとも共演を果たすようになりました。
近年では、長年のキャリアの到達点ともいえる研ぎ澄まされた、静謐なギター・インストゥルメンタルの世界を展開。静かな波や木漏れ日のような心地よいアコースティック・サウンドに、トニーニョ・オルタにも通じるようなヴォーカル+ギターを乗せた、地中海フォークともいえるサウンドは、まさにカタルーニャの円熟のエレガンスを感じさせ、キューバのフィーリンやアルゼンチン・フォルクローレ、ポスト・クラシカルを通過したリスナーを中心に密かに話題となりました。
今作も、言うまでもなく文句なしのギターが紡ぎ出す優しく美しい世界が繰り広げられています。1曲目の「Fins la fi dels temps」は日本では「愛は面影の中に」というタイトルでロバータ・フラックが歌い大ヒットしたユアン・マッコールの名曲です。ノバ・カンソ運動でも活躍したバレンシア生まれのSSWのオビディ・モンショールの作品も1曲取り上げている他、カタルーニャの詩人サルバドール・エスプリウ、ポルトガルのフェルナンド・ペソアなどの詩にトティが曲をつけるという形式で綴られています。
また、国内盤も発表された注目のジェンマ・ウメットがここでもフィーチャーされ非凡ぶりを発揮しています。さらに、かわいらしいジャケのアートワークは愛娘ライラ・ソレールの子供の頃のドローイング。ジャケ裏のトティの写真は、シルビア・ペレス・クルスが撮っており、カタルーニャの世代を超えたつながりが垣間見られます。
(メーカーインフォより)
TOTI SOLER / トティ・ソレール