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<ディスコロヒア>
ブラジル最高の夫婦デュオが広大なラテン・アメリカを歌でグルッと一回り
音楽評論家:田中勝則の自主レーベルであるディスコロヒアの復活第2弾が早くも登場することになりました。『中村とうよう 音楽評論家の時代』の副聴CDだった『とうようズ・チョイス・スペシャル』に続いて登場する本作は、いよいよ田中独自の趣味がさく裂したような内容。強力アルバムと言っていいでしょう。
カスカチーニャ&イニャーナは、ブラジルでは「セルタネージャ」という分野で活躍した夫婦デュオ。50年代からイニャーナが亡くなる1982年まで、ブラジル中で幅広い人気を獲得しました。セルタネージャは、サンパウロを拠点に中西部の内陸地域で主に親しまれる音楽ですが、純粋な民謡というわけではありません。それどころか、カスカチーニャ&イニャーナはパラグァーイの名旋律をはじめ、中南米の幅広い地域で親しまれた幅広い楽曲をポルトガル語に訳して歌う、当時のブラジルでももっとも「インターナショナル」な方向性を持つデュエット・ティームでした。
このアルバムは、そんな彼らの全盛期の代表曲+重要曲をすべて網羅した名曲名演集です。もちろん、彼らの単独アルバムが日本で紹介されるのは、これがはじめて。その代名詞ともなったパラグァーイの「イパラカイの思い出」「パラグァーイの夜」「アナイー」といった名曲はもちろん、同じくパラグァーイ産で74年にガル・コスタがカヴァーした「インジア」、マリア・ベターニアとカエターノ・ヴェローゾの兄妹がこぞってカヴァーした「私の初恋」、さらにボサ・ノーヴァの帝王ジョアン・ジルベルトがカヴァーした「グァシーラ」など、後のブラジル音楽に多大な影響を与えた名曲名演のオリジナル録音まで、たっぷり楽しませてくれるのが、このアルバムということになります。
奥方イニャーナのほれぼれするようなヴェルヴェット・ヴォイス! 夫君カスカチーニャの女性をさりげなくエスコートするような温かいハーモニー!!そしてアコーディオンなどをフィーチャーしながらも、意外に洗練されショーロの要素も感じさせるような懐の深い伴奏。
最近はフィーリンなんて音楽が流行りましたが、もうそんなのを聞いているときではありません。中南米でもっとも開かれた歌を聞かせたのは、実はブラジルのカスカチーニャ&イニャーナでした。1950年代には、こんな多彩なレパートリーを歌うデュオがブラジルにいた。中南米が歌のきずなで結ばれた時代があった、ということです。
これに100点満点を付けない評論家は音楽がわかっていないと思って間違いありません。 2017年を代表する復刻アルバムの登場です。
CASCATINHA & INHANA / カスカチーニャ & イニャーナ