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※LP
★1980年代より交流をもち、ジャズ・フィールドはもちろん、不滅のAORサウンドをクリエイトするグループ“スティーリー・ダン”を支えるメンバーでもある、2人のミュージシャンによるデュオ・アルバム。
★ジム・ベアードは、ローランド・ハナ、ジョージ・シアリングといったロマンティシズムあふれるオリジナルで端正な演奏をみせるアーティストに師事したピアニストで、パット・メセニーの『シークレット・ストーリー』や、ウェイン・ショーターの作品にも参加。またアレンジはドン・セベスキーに師事し、マイケル・ブレッカー、ジョン・マクラフリンらにも楽曲を提供してきたほか、デニス・チェンバース、マイク・スターン、イリアーヌほか、数々の名アーティストのアルバムもプロデュース。リーダー作は、90年の『Songs of the Sun』以来6作ながら、CTIでのサウンド・クリエーションを含め、そのセンスの良さは現代屈指。近年では、ヴィンス・メンドゥーサ指揮によるメトロポールとの共演『Revolution』が記憶に新しくあります。一方ジョン・ヘイントンもクロスオーバーの世界で職人的な演奏をみせています。
★本作はそんな二人のポップかつ、インティメートな演奏を収めた作品。
★ピアノとギターのデュオによるジャズアルバムといえば、ビル・エヴァンスとジム・ホールによる『アンダー・カレント』が有名ですが、本作は二人の音楽的趣向が反映された作品。
☆セロニアス・モンク的とも感じさせる、ニュー・オリンズ・スタイルのストライド的なアプローチが楽しく踊るジム・ベアードの曲でのオープニングを皮切りに8曲の演奏は多種多様。メランコリックなメロディとハーモニーが聴けるジョン・ヘリントンのナンバーあり、ビル・エヴァンスも演奏したM3はシナトラとジョビンのヴァージョンに寄せたボサ的なアプローチ。一方室内楽的な演奏M4で、アンダー・カレントに近づいた演奏も挟みつつ、ジョージ・ベンソンを意識したというヘリントンのギターが聴けるスタンダード曲M7のような演奏も。そして、ラストは、スティーリー・ダンの超名曲“ガウチョ”!!
★ギター、ピアノという楽器は、双方がコード楽器でもあり、ハーモニー・ワーク、リズムの役割などの面において、デュエット演奏は本来向かないものでもありますが、2年半前にショート・ツアーも成功。アイディアをもちよって本作につながりました。
★ロック、ポップ、ボサ、ブルース、ジャズ、それぞれの音楽の魅力が理想的に融合した演奏には、ロックへの愛情と、ジャズの伝統への敬意があります。
メンバー:Jim Beard(p), Jon Herington(g)
JIM BEARD / ジム・ベアード