[インタビュー公開/発売] ブラジル・バイーアのピアニストがリリースした他に類を見ないアフロ・ブラジル×ジャズの大傑作が待望のCD化。

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2022.09.07

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現代ブラジルを代表するレーベルとなりつつあるホシナンチ(Rocinante)より、2021年末にレコードで発売され話題となっていたマルセロ・ガルテルのデビュー作が待望のCD化。

現代ブラジル音楽界を代表する巨匠にしてアフロ・ブラジル音楽に多大な貢献を果たしたレチエレス・レイチ(1959-2021)。その側近としてレチエレス率いるキンテートで活躍したのがバイーア出身のピアニスト、マルセロ・ガルテルだ。

デビュー作となる本作では、伝統的なジャズのピアノ・トリオをベースとしつつ、ドラマーの代わりに二人のパーカッショニストを配置。カラフルかつ緊密なアンサンブルをバックに、時にリリカルに、時にアブストラクトなピアノを披露していく。アフロ・ブラジル音楽と聞いて一般に思い浮かべる爆発的な祝祭性はないが、その芳醇なリズムが喚起する小宇宙的アンサンブル、そしてセロニアス・モンクやメシアン、ドリヴァル・カイミといった巨人たちからの影響が調和したピアノには、強烈なアフロ・ブラジル性が滲む。

ライナーノーツは師でもあるレチエレス・レイチが寄稿。その冒頭では「私の夢であった、まったくもってオリジナルなアフロ・ブラジリアン・ピアノを実現したもの」と記述するなど、本作がいかにエポック・メイキングであったかがうかがい知れる。アマーロ・フレイタス『Sankofa』(2021)、レチエレス・レイチ&オルケストラ・フンピレズ『Moacir de Todos os Santos』(2022)とならび、アフロ・ブラジリアン・ジャズの未来を示す一枚といえるだろう。

*Personnel
Marcelo Galter: Piano, Organ, Rhodes, Wurlitzer, Korg
Ldson Galter: Double bass
Luizinho do Jêje: Percussion
Reinaldo Boaventura: Percussion

*レチエレス・レイチによるライナーノーツの日本語訳付