【特集】ブラジル音楽通信~7月のブラジル音楽ニュースまとめ~ 『エリス&トム』リイシュー、マルコス・ヴァーリ'24新作、Nicolas Geraldiデビューシングルなど

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2024.08.01

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毎月初めにリリース情報を中心として先月のブラジル音楽ニュースをまとめる記事、ブラジル音楽通信。
今回は7月のニュースをお届けいたします。




INFORMATION



ブルーノ・ベルリ、O TernoがFESTIVAL de FRUEで初来日!
https://diskunion.net/latin/ct/news/article/1/123781

ディスクユニオン・ラテン/ワールド/ブラジル部門でも大プッシュ中のアーティスト、ブルーノ・ベルリO TernoFESTIVAL de FRUEにて初来日が決定しました。ブラジル北東部、アラゴアス州出身のSSWであるブルーノ・ベルリは、UK名門FAR OUTからリリースされた1stアルバム『No Reino Dos Afetos』(2022)が新人SSWとしては異例のヒット。その続編となる『No Reino Dos Afetos 2』(2024)もまた人気を集め、日本の音楽ファンに広く愛される存在となりました。サンパウロのロックバンド、O Ternoは、もとはビートルズやトロピカリアを消化したサイケデリック・ロックを基調としていましたが、次第にバンドリーダーであるチン・ベルナルデスのソロ作『Recomeçar』(2017)を彷彿とさせるオーケストラル・ポップ~MPBへと変化。2019年作『atlas/alem』では坂本慎太郎もゲストとして参加するなど大きな話題を集めました。チン・ベルナルデスソロでの来日は過去にもありましたが、O Ternoでの来日は今回が初。またO Ternoは今年11月のポルトガルでのライブを最後に活動休止を発表しているため、日本でライブを見ることができるのは今回が最初で最後になる可能性が高いです。FESTIVAL de FRUEの詳細については下記をご参照ください☟


FESTIVAL de FRUE

https://festivaldefrue.com/

日程:2024年11月2日 - 11月3日


出演者
・Acid Pauli

・カネコアヤノ
・Bruno Berle
・DJ Olive
・O Terno
・Sam Gendel & Sam Wilkes
・Time Wharp
and more...


会場:静岡県掛川市つま恋リゾート彩の郷




Davi Fonseca『Viseira』ミナス新世代の注目株、待望2ndアルバム('24)!

https://diskunion.net/latin/ct/news/article/0/12373



ミナスの作編曲家/ピアニスト/SSW、ダヴィ・フォンセカの2ndアルバム『VISEIRA』(2024)が紙ジャケットCD仕様でThink! Recordsからリリースされます。多彩なリズムが洪水のように押し寄せてくる複雑な器楽的作品でありながら、同時に歌モノとして楽しく聴ける絶妙なバランス感覚が素晴らしい一枚です。今年リリースのアルバム『Oracão』が(少なくとも日本では)大きな話題を集めているルイーザ・ブリーナもM4「Barra Grande」でゲストとして参加しています。ジャズの一大市場である日本における特異な需要ではあるとは思いますが、「ミナス新世代」が2010年代のブラジル音楽シーンにおける一大トピックだったことは間違いありません。その最前線のサウンドを存分に味わってみて下さい。







小野リサ『Romance Latino』 ボサノヴァ歌手・小野リサによるラテンポップスのカバーシリーズが世界初アナログ化!
https://diskunion.net/latin/ct/news/article/0/123824



続々とアナログ化が進む小野リサのタイトルですが、今回はラテン・ポップス/スタンダードのカバーシリーズ『Romance Latino』3作がアナログレコードでリリースされることとなりました。『Romance Latino』は、Vol.1から順に「Sophisticate (洗練)」、「Romantico(ロマンティック)」、「Caliente(暖かさ)」の3つのテーマに分け選曲された三部作。先日、ルカ・グァダニーノの新作映画『チャレンジャーズ』カエターノ・ヴェローゾによるラテンポップスカバーアルバム『Fina Estampa』収録の名曲「Pecado」が使われたことも話題になりましたが、ブラジル音楽のシンガーによるラテンポップスカバーには独自の魅力がありますね。「ブラジル音楽の視点から解釈されたメキシコ音楽、キューバ音楽」といいますか、『Romance Latino』でもボサノヴァやボレロのエッセンスを同時に感じられる点が素晴らしいです。






エリス・レジーナ&アントニオ・カルロス・ジョビン『エリス&トム』 歓喜!ボサノヴァ屈指のマスターピースがリリース50周年を記念してリイシュー!!
https://diskunion.net/latin/ct/news/article/0/123862



アントニオ・カルロス・ジョビンエリス・レジーナの奇跡的な共演盤『エリス&トム』がリリース50周年を記念して久々にリイシューされることになりました。「三月の雨」、「ばらに降る雨」、「白と黒のポートレート」、「無意味な風景」、「コルコヴァード」などなど、ジョビンの名曲の数々をエリスがしっとりと、時に楽しげに歌い上げる名作です。先日ブラジル映画祭でドキュメンタリー映画ELIS & TOM: IT HAD TO BE YOU (SO TINHA DE SER SOM VOCE)』が公開されたことも話題になりましたが、この映画を観て「レコードも欲しい!」と思っていた方も多いのではないでしょうか。ぜひこの機会に。






セウ・ジョルジ 『CRU』 MPB~サンバソウル名作'04がリリース20周年を記念しCD/LPで待望のリイシュー!
https://diskunion.net/latin/ct/news/article/0/124036



ジョルジ・ベンの後継者ともいえるSSW/俳優、セウ・ジョルジが2004年にリリースした名作『CRU』がリリース20周年を記念しCD/LPでリイシューされることになりました。2005年ブラジルディスク大賞では一般投票/関係者投票ともに一位を獲得するなど、日本国内でも大ヒット。セウ・ジョルジの代表作と呼んで差し支えありません。アナログ盤は以前TRES SELOSからリリースがありましたが、すでに売切れになっており稀少ですのでぜひ(また、TRES SELOS盤と比較するとかなりお安くなってます)。





マルコス・ヴァーリ『TUNEL ACUSTICO』 5年ぶりの新作アルバム! リオン・ウェアとの共作曲を収録した現代のディスコ・ブギー!
https://diskunion.net/latin/ct/news/article/0/124077



ブラジリアン・レジェンド、マルコス・ヴァーリが5年ぶりの新作アルバム『Tunél Acustico』をFAR OUTからリリースすることを発表しました。ディスコ~AOR系のサウンドを現代的にアップデートした前作『Sempre』の内容を踏襲したアルバムといえるでしょう。また、リオン・ウェアとの共作曲やかつてシカゴ名義で発表されたLaudir de Oliveiraとの共作曲を収録するなど、アルバム『Vontade de Rever Voce』(1981)を彷彿とさせる内容です。今年アルバム『Novela』をリリースしたセウも再びマルコス・ヴァーリと共演しゲストとして参加。それ以外にも、ジョイスモレーノ・ヴェローゾなど豪華なゲスト陣が参加しています。







「ミナス新世代」を代表するブラジルのシンガー・ソングライター/マルチ奏者、 アントニオ・ロウレイロの衝撃的なデビューアルバム (2010) が待望の世界初レコード化!

https://diskunion.net/latin/ct/news/article/0/124125



「ミナス新世代」の幕開けとも言えるアントニオ・ロウレイロの記念碑的傑作『Antonio Loureiro』(2010)が世界初レコード化。こちらはThink! Recordsからのリリースとなります。長谷川白紙岸田繁ら日本を代表するミュージシャンたちを唸らせるロウレイロ・ワールドの原点ともいえる一枚です。また、2012年にリリースされた特に人気の高いandアルバム『Só』のLPもThink! Recordsから再プレスが決定しました。こちらもぜひ!





RELEASE INFORMATION(現状配信のみ)


ミナス音楽ファン必見の大型新人、ニコラス・ジェラルディのデビューシングルがリリース!



今回の特集で特にイチオシなのがこちらのタイトルです。弱冠24歳のSSW、ニコラス・ジェラルディが発表したデビューシングル「Sempre Há」。彼はミナスの音楽やニック・ドレイクジョージ・ハリスンといったアーティストに影響を受けたそうで、ギターの煌めくような音色やエモーショナルで豊かな歌声、目眩めくような展開は、ロー・ボルジェス『A Via-Láctea』(1979)フラヴィオ・ヴェントゥリーニ『Nascente』(1981)ベト・ゲチス『Amor de índio』(1978)フェルナンド・オリー『Tempo pra Tudo』(1981)といった名作たちを彷彿とさせます。これらのアーティストが好きな方にはたまらない内容でしょう。パーカッションにマルセロ・コスタ、ドラムにセルジオ・マシャードなどといったビッグネームが参加していることからも彼がいかに期待されているかがわかります(プロデューサーは過去にアナ・フランゴ・エレトリコの1stアルバムやドラ・モレレンバウムVento De Beirada』(2021)を手がけたギリェルミ・リリオです)。とにかく大型新人であることは間違いありません。要注目です。





カエターノ、フーベルら豪華ゲスト陣が作曲!アライヂ・コスタが新作をリリース !



プレボサノヴァ期~ボサノヴァ黎明期から活躍するベテランシンガー、アライヂ・コスタの最新作『E o Tempo Agora Quer Voar』(2024)がリリースされました。本作は、プピロ(セウ作品への参加で特に有名)、エミシーダMarcus Preto(ガル・コスタの近年作のディレクションを行っている人物ですね)の三名のプロデュースによる三部作の二作目の作品となります。カエターノ・ヴェローゾ作曲の「Foi Só Porque Você Não Quis」、フーベル作曲の「Bilhetinho」、マリーザ・モンチ作曲(カルリーニョス・ブラウン作詞)の「Moço」などなどMPBの要人大集合のアルバム(他にも、ゼ・ヘナートゼ・マノエウらも参加していますね)で、叙情的で味わい深いMPB作品が好きな方にオススメしたい一枚です。





リニケル、3年ぶりの2ndアルバムから先行曲「Tudo」をリリース!



今年の末、2ndソロアルバムをリリースすることを発表しているリニケルですが、アルバムの最初の先行シングルから「Tudo」が公開されました。ルーツ回帰的な内容だった前作『Indigo Borboleta Anil』(2021)と比較するとよりグローバル・ポップのトレンドに接近していることが伺える内容。アフロビーツからの影響を感じられるビートが印象的ですが、これは共同プロデュースで参加しているNave(マルセロD2エミシーダクリオーロらビッグネームのラッパーたちの楽曲のプロデュースで知られる売れっ子ビートメイカー)によるところが大きいでしょう。先日アマーロ・フレイタスDino D'Santiagoクリオーロの連名で発表されたシングル「Esperança」も彼のプロデュースによるもの。こちらも素晴らしい内容です。






リリアン・ホーシャ、デビューアルバム『DO NILO』('24)から続々と先行曲を公開!



サンパウロのSSW、リリアン・ホーシャが今年末に発表予定のデビューアルバム『DO NILO』から先行曲を続々と発表しています。6月末にはダブル・シングル「GRACINHA / Raiz Forte」を、7月末には第2弾シングル「O PERFUME DO CAJU / CUMBUCA」を公開しました。アフロ・ディアスポラ音楽としてのアイデンティティーを追求する彼女の音楽は、ブラジルのブラック・カルチャー・メディア等では注目を集めているようですが、国際的にはまだまだ無名といえるアーティストです。しかし、豊かなリズムをエレガントにまとめ上げたサウンドは非常に魅力的。ぜひ聴いてみて下さい。








アンドレ・メマーリ、ソロ名義では久々の新曲『NONADA』を発表



ミナス新世代を代表するピアニスト、アンドレ・メマーリがソロ名義では久々の新曲をリリース。ブラジリアン・インストゥルメンタル・シーンではもはや不動の人気を誇る彼の新曲は題して『NONADA』。自身も参加するブラジリアン・ジャズ・キンテートであるNONADAの名を冠した本作ですが、内容はピアノソロで、跳びまわるように奔放でありながら優雅な旋律を奏でる3テイクを収録しています。ぜひそれぞれのテイクを聴き比べてみてください。





マルセロD2の初期名作が待望のサブスク解禁!



ブラジルのレジェンド・ラッパーであるマルセロD2。彼の初期作はどれも名作ですが、これまで各種サブスクリプション・サービスでの配信がありませんでした。しかしなんとこのたび待望のサブスク解禁!第1弾は、2ndアルバムで結実した「サンバとヒップホップの融合」というコンセプトをさらに推し進め、よりパゴーヂに接近した3rdアルバム『Meu Samba é Assim』(2006)。本作はなんといってもアルリンド・クルスをフィーチャーしたパゴーヂ・アンセム「Dor de Verdade」が最高。「Saudade~」と歌い出したくなる大名曲ですね。なお、1stアルバム『Eu Tiro É Onda』(1998)は8月2日、2ndアルバム『À Procura Da Batida Perfeita』(2003)は8月16日にサブスク解禁予定とのことです(また、『Acústico MTV』(2004)も8月9日にサブスク解禁されるようです)。



今月はPLUMAのデビューアルバムN​ã​o Leve a Malも注目タイトルだったように思います。PLUMAのアルバムについてはぜひこちらのバイヤーズチョイスをご参照ください!
https://diskunion.net/latin/ct/news/article/0/124216



NEW RELEASE FROM DISK UNION

7月はマリーザ・モンチ『PORTAS』や過去作のリイシュー、さらにガブリエル・ミリエッチ『UM』エルメ―ト・パスコアル『PRA VOCE, ILZA』リアナ・フローレス『FLOWER OF THE SOUL』などが特に大きなタイトルでした。マリーザ・モンチ『INFINITO PARTICULAR』については入荷が遅れています。もうしばらくお待ちください。

最後までお読みいただきありがとうございました~