YASMINE HAMDAN『I REMEMBER I FORGET』ベイルート生まれのシンガーによる約7年ぶりのアルバムはダウンテンポ大傑作!!

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2025.10.07

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YASMINE HAMDAN  / ヤスミン・ハムダン / I REMEMBER I FORGET

I REMEMBER I FORGET

YASMINE HAMDAN ヤスミン・ハムダン

Beth GibbonsミーツLucrecia Dalt、疑うべくもない傑作。ベイルート生まれのシンガーによる約7年ぶりの新作は、混迷を極める中東世界へと降り捧ぐ天啓のようなダウンテンポ。

CRAMMED DISCS / GER / CD / CRAM323CD / 1009123678 / 11月上旬入荷予定

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YASMINE HAMDAN  / ヤスミン・ハムダン / I REMEMBER I FORGET

I REMEMBER I FORGET

YASMINE HAMDAN ヤスミン・ハムダン

Beth GibbonsミーツLucrecia Dalt、疑うべくもない傑作。ベイルート生まれのシンガーによる約7年ぶりの新作は、混迷を極める中東世界へと降り捧ぐ天啓のようなダウンテンポ。

CRAMMED DISCS / GER / LP(レコード) / CRAM323 / 1009123679 / 11月上旬入荷予定

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Beth GibbonsミーツLucrecia Dalt、疑うべくもない傑作。ベイルート生まれのシンガーによる約7年ぶりの新作は、混迷を極める中東世界へと降り捧ぐ天啓のようなダウンテンポ。

レバノン・ベイルート生まれ、現在はパリを拠点に活動するヤスミン・ハムダン。時の戦禍の影響を受け。家族と共に中東地域を転々としていた彼女は、「アラブのマッシブ・アタック」の異名をとった人気デュオ・ソープキルズのメインボーカルとして脚光を浴びることとなる。相方であったゼイド・ハムダンは90年代後半にベイルートの地下シーンへトリップホップ~ダウンテンポといった歌モノのエレクトロニカな潮流を持ち込み、雲上のようなヤスミンの歌声とミックスされ、2000年代前半には同地のインディーシーンを代表するグループとなった。

その後にヤスミンは渡仏。2009年にソロとしては初のアルバム『Arabology』を発表すると、2013年の『Ya Nass』をもって世界デビューを果たし、あのジム・ジャームッシュ監督の『ONLY LOVERS LEFT ALIVE』では同作収録の「Hal」が象徴的なシーンで使用。これを契機に瞬く間に世界中の耳の早いリスナーから注目されることとなった。翌年には現在まで続くNPRの人気シリーズ「Tiny Desk Concert」に登場、2017年にルーク・スミス(フォールズ、デペッシュ・モード、リリー・アレン) とレオ・エイブラハムズ (ブライアン・イーノ、カール・バラー)を招いた2ndアルバム『AL JAMILAT』を発表した。

『AL JAMILAT』の翌年にリリースされたリミックス作『JAMILAT REPRISE』から数えると、実に7年ぶりとなるヤスミン・ハムダンの新作『I REMEMBER I FORGET』は、混迷を極めるレバノン及び中東世界への祈りと怒りが鈍重なサウンドスケープの中で克明に描かれている。パンデミックのみならず、甚大な被害をもたらした2020年のベイルート港爆発事故、様々な政治的イシューと分断に起因した経済危機、さらには中東世界全体に大きな影を落とし続けているパレスチナ・イスラエル戦争と、この7年間でレバノンとその周辺には多くのネガティブな問題が山積した。ヤスミンは時に激しく、または時に静かにそれらと対峙し、20年以上にも渡るキャリアの中で醸成してきたインティメイトなアレンジの中で、催眠的なレジリエンスへの可能性を開いた。

「レバノンとの繋がり、そしてそこで起きた出来事がアルバムの出発点となりました。でも、創作を進めるうちに、その場所とは象徴であり、比喩であり、世界的に起きていることのカタルシスへと変わっていったんです」と、ヤスミンは本作へのインスピレーションを語る。ウードの響きから始まる「Hon」に、彼女が心を砕いてきたアラビック・エレクトロニカの最新系をパレスチナの伝統的な作詞法と共に届ける「Shamaali」、さらにシリア人作曲家のオマール・ハルブとの共作による「The beatiful losers」やスーダン音楽へのオマージュである「Shadia」など、楽曲ごとに異なった顔を用意しながらも、哀歌の構えは崩さずに、鎮痛への祈りを捧げている。

トリップホップの先達として比較されるマッシヴ・アタックやポーティス・ヘッド、特にベス・ギボンスの幽玄な歌唱を思わせながら、その旋律は極めてアラブ的。ルクレシア・ダルトやHakuna Kulala周辺の女性プロデューサーが進める脱構築的なダブ~ダウンテンポ解釈とも近く、アル―ジ・アフタブやガナヴィヤ、さらにエンジなどのジャズ・ボーカリストのような強度も併せ持つ、濃密な傑作だ。