ディスクユニオン ワールドミュージック・SHOP'sバイヤーズ・チョイス 4月号

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2021.04.28

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ディスクユニオンのスタッフによるワールドミュージック・バイヤーズ・チョイス4月号!  新譜も旧譜も中古も私物もサブスクもチャンプルー(ごちゃまぜ)でお届けいたします! 今、ディスクユニオンのラテン、ブラジル、ワールドのバイヤーが本当におすすめしたい良質な作品を一挙ご紹介!!

3月分へのリンクはこちら
https://diskunion.net/latin/ct/news/article/0/95761
 
■吉祥寺ジャズ館

東京都武蔵野市吉祥寺本町1-8-24 小島ビル2F
https://diskunion.net/shop/ct/kichijyouji_jazzandclassic




オルケストラ・アフロシンフォニカ『オリン - ア・リングア・ドス・アンジョス』
https://diskunion.net/latin/ct/detail/1008222822

我が国で南米の音楽と聞いて真っ先にクラシックのオーケストラやジャズのビッグバンドを想像する方はあまりいないと思いますが、実はどちらも物凄く盛んで、クオリティも高いです。特筆すべきはクラシックとジャズとルーツミュージックのミックス (リミックスとも言えますが) にまったく抵抗がないことで、どのサイドのプレイヤーも見事な連携プレイを見せる川崎フロンターレの如きラージアンサンブル作品が目白押しです。近年のブラジルジャズサイドに絞っても、アントニオ・ロウレイロなどミナスの才能が集結した「奇数拍子を操るオーケストラ」ことミストラーダ・オルケスタ。ベネズエラのオーケストラとブラジルのジャズコンボをミックスさせたハファエル・マルチニ (新作が待ち遠しいです) 。ビッグバンドにヒップホップを持ち込んだロウレンソ・ヘベッチス。ついにオリジナルの交響曲まで書いてどこからどう聴いてもクラシックのアルバムを作ってしまったアンドレ・メマーリ。などなど、ほか多数過ぎるくらい多数です。その流れをくむオルケストラ・アフロシンフォニカの最大のチャームは「声」。声と楽器のシンフォニー。アフロポリリズムと聖歌隊の幸福なマリアージュ。我が国の学生音楽コンクールもいっそのこと合唱と吹奏楽をくっつけてパーカッションを入れてみては? (笹山良林)




LES PASSAGERS『ELDORADO』
https://diskunion.net/latin/ct/detail/1008255162

当店はもちろん、どこのレコード屋さんにもある「ワールドミュージック」の棚は便利な反面、ブエナビスタ・ソシアルクラブと女子十二楽坊とリッキー・マーティンが並んでアチチする (※実話です) 文化帝国主義の危険性を孕んでいるわけですが、遥かカナダはモントリオールから届いたこのデビューアルバムには「ワールドポップミュージック」という新しい棚が必要かもしれません (そっちにもリッキー・マーティンが浸入してきそうですが) 。アフロビートもジャズもロックもテクノも、混ぜ方次第でインドカレー屋のインド人もびっくりの新メニュー、ワールドフレンチポップの出来上がり。しかもタイトルはエルドラド=黄金郷。この地球上のどこかにあると言われていたワールドポップミュージックが絶賛来日中です。数に限りがございますので、お早めに。(笹山良林)


■新宿セカンドハンズ店
東京都新宿区新宿3-17-7 紀伊國屋ビル8F
https://diskunion.net/shop/ct/shinjuku_used




Los Shapis『Historia Musical』

チーチャと言えばこちら! …って言ってもチーチャって何?となる方が多いと思うので簡単に説明を。チーチャとはアンデスの楽器を電化させ、コロンビアのクンビアとワイノをミックスした音楽でさらにそれが進化してテクノ・クンビアへと云々…まあ言葉で説明してもよくわかりませんよね。ということでコチラ!
 


哀愁のメロディと猥雑なリズムが織りなすイナタいサウンドにハマって頂ければ幸いです。奥深いチーチャ/クンビアの入門として合わせてVAMPISOULから出されている『CUMBIA BEAT』もおススメ! (秋田)


■神保町店
東京都千代田区神田神保町1-4 クロサワビル2F
https://diskunion.net/shop/ct/jinbouchou




BLACK SO MAN『TOUT LE MONDE ET PERSONNE』
https://diskunion.net/latin/ct/detail/1008301652

コートジボワール生まれのレゲエアーティスト、ブラック・ソー・マン後期録音の作品です。アフリカのミュージシャンということもあり、近年更なる盛り上がりを見せているレゲトンにかなり近いものを感じる作品に仕上がっています。オリジナルがカセットテープということで、ジャケットもそれに準拠したデザインになっており個人的に写真も含め大好物です。おそらく当時からレゲトンアーティストと影響しあってたであろうこの作品、オススメでございます! (坂本)




MAMMAN SANI『LA MUSIQUE ELECTRONIQUE DU NIGER』
https://diskunion.net/latin/ct/detail/1007962578

西アフリカ・ニジェール共和国の電子音楽家ママン・サニによる1978年録音、ごく少量カセットにて流通した作品です。チープでミニマルなドラムマシンの上に浮遊感のあるロングトーンのシンセメロディがのり、コズミック〜サイケデリックな作風に仕上がっており、ドローンやクラウトロック好きにお勧めできる内容です。同アーティストの未発表音源集 (といっても、おそらく当時発表された音源は今回紹介した作品のみですが) "Unreleased Tapes 1981​-​1984" もジャケット含めメチャクチャかっこいいのでそちらも要チェックです!  (坂本)


■お茶の水駅前店
東京都千代田区神田駿河台4-3 新お茶の水ビル2F
https://diskunion.net/shop/ct/ocha_ekimae




CARWYN ELLIS & RIO 18『MAS』
https://diskunion.net/latin/ct/detail/1008267758

シティポップとMPB、インディポップを調和させた1st『JOIA!』が最高だったCARWYN ELLIS & RIO 18の2ndはさらにブラジル度強め。しかしながらブラジル人でないからこその中和された感じがちょうどいいというか、渋谷系にも通ずる本物ではない「似非」だからこその良さがあります。前作に続くシティポップ・ナンバーからブラジリアン・ファンク、メロウなスローボッサにCARWYN ELLISのゆるいヴォーカルが乗る感じが絶妙でハマってます。(中本)


■新宿ラテン・ブラジル館
東京都新宿区新宿3-31-4 山田ビル4F
https://diskunion.net/shop/ct/shinjuku_latin




BRUNO PERNADAS『PRIVATE REASONS』
https://diskunion.net/latin/ct/detail/1008285565

先行シングルを聴いた時にはあまりにもポップな曲で肩透かしを食らってしまいましたが、今日アルバム全編を通して聴いて、これはブルーノ・ペルナーダスの最高傑作であることはもちろん、21世紀のポップ・ミュージックとしてもトップクラスのアルバムであることを確信しました。ワールド・ミュージックの様々な影響を受けながらも、決してルーツ・ミュージックへの憧れだけでなく、また単なるサウンド・テキスチャーを引用したサンプリング・アートでもなく、さらっと自然体にすべての音がブルーノ色に染まっていく不思議な感覚を覚えます。決してカリスマ的な個性を主張するわけでもなく、かといって単なるワールド・ミュージックの引用とも違う。捉えどころのない、しかし滲み出るブルーノ節みたいなものがアルバム全体のトーンを支配していく。。。個性とは決して主張するものではなく、黙っていても醸し出されてしまうものだという事を強く感じさせてくれる作品でした。2000年代のポップ・ミュージックの忘れられない、いつもでも大切に聴いていたいアルバムです。大傑作です。 (西原)




MARCELO D2『EU TIRO E ONDA』
https://diskunion.net/latin/ct/detail/1008115199

左が今回のリイシューで、右は1STアルバムのリリース当時プロモ・オンリーでひっそり制作されていたオリジナルのアナログ盤となります。オリジナル盤は実際に手に取るとジャケットの画像が荒かったり、確かにプロモらしい作り。音もそれなりなのですが、90年代盤ファンとしてはそういうチープな感じも好きです。品質に関しては今回のリイシューはジャケットの作りも音も非常にいいと思います。なんといってもジョアン・ドナート・ネタ (本人演奏?) と思われるスリリングなサンバ・ブーンバップ 「SAMBA DE PRIMEIRA」がかっこいいです! (金田)



ROCK in TOKYO

〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町32-7 HULIC &New UDAGAWA B1F
https://diskunion.net/shop/ct/rockintokyo




ダニエル・サンチアゴ『ソング・フォー・トゥモロー』
https://diskunion.net/latin/ct/detail/1008267336

ダニエル・サンチアゴ2021年新作はな、なんとエリック・クラプトン参加! カート・ローゼンウィンケル、ペドロ・マルチンスがプロデュースと演奏で全面参加とスーパーギタリスト達が揃い踏み、夢の共演でございます! アルバムタイトル曲の「Song for Tomorrow」のMVではダニエル・サンチアゴ、カート・ローゼンウィンケル、ペドロ・マルチンス出演、ギター弾いたり、公園を駆け回りってはしゃぐ映像がレトロ感もありながら、楽曲と絶妙なマッチ感があっていいです! ジョシュア・レッドマン、アーロン・パークスも参加しています! こちらロックイントーキョーも一押しです! (佐藤)




TOTI SOLER『TOTI SOLER』
https://diskunion.net/latin/ct/detail/1008257137

TOTI SOLER 1973年作が2021年アナログリイシュー! 『Vida Secreta』や『Transparencies』にグッときてすっかりファンになったTOTI SOLERですが、前述の作品からぐっと遡った今作は山っぽいフラメンコギターサウンドで好きですね。イチオシは全編ワウ全開のSEVILLAでしょうか。なんといってもジャケットのカラーリングと猫の躍動感が最高なのでTシャツにして毎日着たいです。  (佐藤)



■横浜関内店

神奈川県横浜市中区常盤町4-45 アートビル2F
https://diskunion.net/shop/ct/yokohama




カリプソ・ローズ『映画「カリプソ・ローズ」サウンドトラック CD+パンフレット』
https://diskunion.net/latin/ct/detail/XAT-1245743594

緊急事態宣言とバッティングしてしまい公開期間が短くなってしまったようだが、楽しみにしていたカリプソ・ローズの伝記映画が公開された。社会問題に対する風刺や男女間のトラブルをあけっぴろげに歌うカリプソというジャンルで、初めて女性として成功した伝説的シンガーである。当時の女性の成功は、女性の社会的地位の向上と表裏一体。自身も様々な困難を経験しながら音楽シーンのみならず社会的にも影響を及ぼし、今でもバリバリの現役、2019年にはなんとコーチェラに史上最年長アーティストとして出演しているという超パワフルおばあちゃんなのである。とにかく公開期間が短いのが残念。NetflixなりDVDなりBlu-rayなりでのリリースが期待されるが、それまではパンフレットやサントラを、家でじっくり楽しみたいと思います。(山田)



■JazzTOKYO

東京都千代田区神田駿河台2-1-45 ニュー駿河台ビル2F
https://diskunion.net/shop/ct/jazz_tokyo




ヴィラ・タリサ『プリマヴェーラ』
https://diskunion.net/latin/ct/detail/1008270192

60′sアメリカンポップスや90年代渋谷系シティポップが好きな方には刺さるハズ! ブライアン・ウィルソン・ファンのインドネシア出身/在住のシンガーソングライターによる作品。おしゃれでカワイイ、甘酸っぱくキュンキュンするようなサウンドと歌声の、聴いていて気持ちのいいシティポップ。(関口)




■渋谷ジャズ/レアグルーヴ館
東京都渋谷区宇田川町30-7アンテナ21 BF
https://diskunion.net/shop/ct/shibuya_jazz




FRANCISCO MORA CATLETT『MORA! I』
https://diskunion.net/latin/ct/detail/1008262465

サン・ラ・アーケストラの元メンバー、フランシスコ・モラ・キャトレットのラテン・スピリチュアル・ジャズ名作のアナログ復刻。オリジナル盤は入手困難なかなりのレア盤とのこと...。ラテン好きはもちろん、ケニー・コックスが参加しているということでストラタイースト好きにも刺さる作品となっております。アフロキューバンなパーカッションにベテランプレイヤーたちの名演奏が交わって最高な仕上がりになっています。MORA! IIも同時に復刻されていますので、是非とも2枚ともゲットしていただきたいです! (柴田)




AFROSOUND『LA DANZA DE LOS MIRLOS』
https://diskunion.net/latin/ct/detail/1008266991

チーチャ、クンビア、ファンク、サルサ、ディスコ。この作品は様々な要素が盛り込まれていますので、幅広いワールドミュージック・ファンに聴いていただきたい1枚です。チープなシンセサウンドに心地よくパーカッシブなドラムマシン、ワウワウも相まって、不思議な南国感を演出しています。暖かくなってきたこの時期にはピッタリなのではないでしょうか!  (柴田)



■ラテン・ワールドWEB担当



Set list for Bar Music 25th Apr
https://open.spotify.com/playlist/01V0Q8DlW3SSNxW5tbji4O?si=a4365fba2ad64577

緊急事態宣言発令により、4/25(日)に参加する予定だった渋谷バーミュージックでのDJイベントは残念ながら中止。悔しいので気分だけでも、ということでかける予定だったレコードでプレイリストを作りました。入場制限をし感染予防対策もしっかりした会話控えめなバーミュージックをイメージして、夕方から夜にかけて聴きたい曲を2時間半ほど。上げすぎず下げすぎずなバランスのプレイリストです。なお一部売り切れのものは除いて、全部新品のレコードで買える(予約できる)モノなので、気になるアイテムは是非通販でチェックしてみてください! (江利川)




Valentina Moretti『Valentina Moretti』
https://valentinamoretti.bandcamp.com/album/valentina-moretti-lp

バレンティナ・モレッティはメキシコ出身のうら若き音楽プロデューサー、SYNTHPOPアーティストである。また彼女はNovation,Arturia, Native instrumentsそしてAbletonといった電子音楽機器メーカーの親善大使でもある。デビュー間もなくしてメディアサイトのVICE (ロンドン版) によるコラム"Top 50Women Making Noise in Electronic Music" (電子音楽界で活躍する女性アーティストTOP50) にランクインし、スペインのVicious Magazine Awardsでもベストアーティストとしてノミネートされているほどの実力を発揮している。今作はフルアルバムでの初デビュー作でありパワフルで華やかなキラキラシンセとディープなヴァイブで満ち溢れた逸品。個人的にオススメする曲は2曲目の「NEON LOVER」と5曲目の「GALACTIC FEELING」である。「NEON LOVER」は序盤から気持ちよく舞い降りてくる80'SシンセグルーヴでまるでSTACY Qを思い起こさせる。「GALACTIC FEELING」はDARKSYNTHWAVEがいい塩梅で交わってくる曲名通りのSF系SYNTHPOPだ。バレンティナが生み出す超かっこかわいいSYNTHPOPを皆さまご興味あればどうぞ! LP盤も近々リリースされる模様です! (安達)




ITIBERE ZWARG『ORQUSETRA FAMILIA DO JAPAO』
https://diskunion.net/latin/ct/detail/1008003854

まだ公式には1曲しか公開されていません。しかし、参加者である友人から聴かせてもらった音源を思い出しながら商品ページのコメントを書きました。このORQUETRA FAMILIA DO JAPAOの取りまとめ役をしていたケペル氏のご厚意で、リハ中のスタジオを見学させて頂いたのは本番の3日前でした。音楽フェスに出演する、しかもイチベレ書き下ろしの起伏に富んだ構成の全曲新曲で! ということで、スタジオの中は人の多さ (今では考えられない密)  だけでなく、イチベレと参加者のただならぬ熱気でむんむん。そこでは音楽を楽しみつつも真剣な眼差しでお互いを見やりながら音のやり取りをするミュージシャンの姿がありました。友人たちの話では行きのバスの中でも、みんなで音を出しながら向かったそうです。あの熱気が、そして音楽に対する情熱が、音楽を共にする幸福感がこのアルバムに詰まっています。日本に届くのが楽しみでしょうがありません。(藤本)




JUAN ARABEL『TRIGO』
https://juanarabel.bandcamp.com/album/trigo

ロドリゴ・カラソやアシィなどが活動するコルドバからまたもSSW作品の傑作が登場。フアン・アラベルはコルドバの近郊の州ラ・リオハ出身で、2010年にデビュー作『Semillas』を発表して以来コンスタントにリリースを続けているSSW。通算4作目となる2021年作はフォルクローレという枠を大きく超えたインディーフォーク作品となっている。南米らしいケーナや太鼓の音色が登場もするが、その響きもまたどこか違って聴こえるような懐の深さと新しさを兼ね備えた傑作だ。ゲストにクララ・プレスタなど参加。 (宮本)