ディスクユニオン ワールドミュージック・バイヤーズチョイス8月号

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2023.08.01

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ディスクユニオンスタッフによるワールドミュージック・バイヤーズ・チョイス8月号!  新譜も旧譜も中古も私物もサブスクもチャンプルー(ごちゃまぜ)でお届けいたします! 今、ディスクユニオンのラテン、ブラジル、ワールドのバイヤーが本当におすすめしたい良質な作品を一挙ご紹介!!

↓バックナンバーはこちらから↓
https://diskunion.net/latin/ct/news/archive/9



■吉祥寺ジャズ館
東京都武蔵野市吉祥寺本町1-8-24 小島ビル2F
https://diskunion.net/shop/ct/kichijyouji_jazzandclassic



Bastarda & João de Sousa『Fado』

 

ポーランドの室内楽トリオ「バステルダ」とポルトガルのS.S.W.ジョアン・デ・ソウサが2021年に発表したアルバムです。スマホをいじっている最中に見つけた作品で、「うわ、2年前にこんな作品がリリースされていたの!?」という驚きと「うわ、なんでこんないい作品を見つけられなかったの!?」という悔しさが入り混じった複雑な心境の中、最近はこの作品ばかり聴いています。バステルダはクラリネット、コントラバス・クラリネット、チェロからなる3人組で、現代音楽シーンで活躍をしているとのこと。一方のジョアン・デ・ソウサはこれまでにロック~フォーク寄りの作品を何枚かリリースしている模様。国籍もジャンルも異なる2組のミュージシャンがどのようにして出会ったのか気になるところですが、非常にいい。これまでにもファドを題材にした作品が数多く作られていますが、サウダーヂという言葉が持つ傷みや悲しみ、憂鬱といった闇の部分をここまで美しく表現したものはなかったように感じました。ひんやりとした空気を感じさせる美しい作品です。 (中村)


■新宿ラテン・ブラジル館
東京都新宿区新宿3-31-4 山田ビル4F
https://diskunion.net/shop/ct/shinjuku_latin




Hiperson / ハイパーソン (海朋森)『BILDUNGSROMAN / 成長小説』
https://diskunion.net/portal/ct/detail/1008424867

7月は個人的には中国語圏のバンドの来日が熱かった。チケット発売時刻に張り付いていたのに瞬時に売切れたり、都合がつかなかったりして行けない公演もあったが、注目していたところでは、草東沒有派對(No Party For Cao Dong)、法茲(FAZI)、US:WEなど…… 今後の来日を心待ちにしているバンドの筆頭は、四川省の成都出身の海朋森(Hiperson)という男女5人組ポストパンクバンドだ。ギター×2、ベース、ドラムのバンドアンサンブルは緻密でソリッド、大胆さもある。そして、素朴にもアイロニカルにも響くヴォーカルが、バンドの個性に大きく寄与している。最新アルバム『成長小説』でおすすめの曲は「我們的歌謠(私たちのバラード Our Ballad)」。緊張感も漂わせながら、心地よく展開していく。時に演劇的なヴォーカルの表現力が光っているのもこの曲だろう。日本国内盤のCD/LPには対訳もついているので、是非手に取ってほしい。(笹倉)


■ROCK in TOKYO
東京都渋谷区宇田川町32-7 HULIC &New UDAGAWA B1F
https://diskunion.net/shop/ct/rockintokyo

Asake『Work Of Art』

灼熱の夜を踊り明かす最高の1枚!昨年リリースされたデビューアルバムが高い注目を集めたナイジェリアの新鋭アーティストAsakeの最新作が早くも登場、伝統的なアフリカ音楽を継承しながら現代的なアプローチを施していく音楽性は前作から地続きですが、全体を通してより多彩に広がったリズムがアートワークの様にアルバムを鮮やかに彩っていますし、自国だけでなくアフリカ大陸全土の音楽文化を背負う覚悟も見せつけられたようで胸を撃たれました。 "レゲトン"と並び、今世界を席巻している"アフロビート"の魅力をこれでもかと堪能できる素晴らしい1作です!先行シングルとしても公開された7曲目"Amapiano"だけでも是非ご試聴ください。(鎌田)


■JazzTOKYO
東京都千代田区神田駿河台2-1-45 ニュー駿河台ビル2F
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Clara x Sofia, Moons『Clara x Sofia, Moons』

昨年12月に配信リリース。ムーンズと、ミナスの女性ポップデュオ Clara x SofiaのコラボレーションEP。全4曲はClara x Sofiaとムーンズで2曲ずつ提供ということで、曲順としては後になるが手始めにムーンズの2曲から聴いてみる。昨年の新作からの「Let's Do It All Again」はほぼ同じアレンジだが、ビートが気持ち前ノリに。2コーラス目からClara x Sofiaの2人が入ってくる。ジェニフェルのソフトでジェンダーレスな歌声に慣れた耳からすれば、彼女たちのフェミニンな歌声は新鮮。EPのラストになる「Sweet & Sour」は傑作『Dreaming Fully Awake』からのナンバー。こちらはウーリッツァー(ローズ?)のバッキングで歌いだされるスローなアレンジに。ムーンズの面々と異なる艶のある歌声がロンリーな雰囲気を助長させていて、アレンジも相まって宵闇 に溶け込んでいくかのようだ。この2曲だけでもムーンズ・ファンとしては大満足なわけだが、曲順としては先になるClara x Sofiaの2曲がめちゃめちゃよくて驚く。歪ませたギターが印象的な「Se Fim em Mim」は、ムーンズ以前にアンドレが率いていたバンド"Camera"を思わせるサイケデリック風味。途中から入るブルースハープが寂寥感を醸し出していてカッコいい。続く「fala (to te querendo)」はレイドバックしたビートがムーンズらしい。試しに聴いたClara x Sofiaの原曲は両曲ともまったく異なる雰囲気で、ムーンズのアレンジセンスと、あこんなことも出来るんだ、という演奏能力の高さに感心するのだった。全曲YouTubeでも聴くことができるが、Clara x Sofia側の2曲は一発撮りのセッション・ビデオ付き。セクシーな衣装で歌う2人の後ろで黙々と演奏する職人感満載のムーン ズの面々に、意外とカメラがクローズアップしてるのも面白い。彼らの新作以上に、このコラボレーションには彼らのまた新たな展開を期待させられたのだが、そんな矢先の活動休止発表はただただ残念。もっともっとたくさんの人に聴かれてほしいし、来日してくれないかなーと淡い思いを今でも抱いている。(逆瀬川)(逆瀬川)


■渋谷ジャズ/レアグルーヴ館
東京都渋谷区宇田川町30-7 アンテナ21 5F
https://diskunion.net/shop/ct/shibuya_jazz




MITCHUM YACOUB / ミッチャム・ヤクーブ『LIVING HIGH IN THE BRASS EMPIRE』
https://diskunion.net/portal/ct/detail/1008681150

サンディエゴで活動するMITCHUM YACOUBのデビュー作。ジャケットからすでにかっこよく、溢れ出る名作の風格に惹かれました!ラテンやクンビア、アフロビート、ソウル、ファンクなど様々な音楽を取り込んだ独自のスタイルはまさにオンリーワンな内容となっております。デビュー作にしてこの素晴らしいクオリティ、今後の活動にも期待大です。これからの夏本番にぴったりな内容で是非とも聴いていただきたい1枚です。(柴田)


■新宿中古館・ブックユニオン新宿
東京都新宿区新宿3-34-1 ジュラクツインBビル2F
https://diskunion.net/shop/ct/shinjuku_chukokan_bookunion

Maria Luiza Jobim『Azul』

トム・ジョビンの末娘であるマリア・ルイーザ・ジョビンによる先月デジタルでリリースされたアルバムです。正統派なボサノヴァ作品ながら透き通ったボーカルとストリングスのサウンドの広がりが美しくて、どこか遠く見つめているかのようなスケールの大きささえ感じさせます。個人的に好きな曲は5曲目「Boca de Açaí」。川のせせらぎなどの自然音が挿入されているなど心地よい楽曲ですが、特に浮遊感溢れるアウトロが幻想的で素晴らしいです。アルバムのラストを飾るのはなんと涙そうそうのカバーで、小野リサをゲストに迎えて日本語の歌唱にも挑戦しております。 (齋藤)





HALO MAUD『JE SUIS UNE ILE』
https://diskunion.net/portal/ct/detail/DIN180413-075

Melody’s Echo Chamberなどでも活躍しているフランスのSSWヘイロー・モードのデビューアルバムです。 浮遊感のあるドリーミーなアレンジのサイケポップな作品になっており、MVも公開されている「Du Pouvoir」やタイトル曲の「Je Suis Une Ile」を始め、キャッチーで切ないメロディの中にある冷めたような雰囲気がすごく好きです。正にフレンチポップとサイケの良さを掛け合わせたような完成度の高いアルバムです。(齋藤)


■ラテン・ワールドWEB担当



Vincenzo Salvia『Domenica (feat. Giusi Telesca)』

6月末~7月辺りから強烈な猛暑に見舞われて精神的にテンパっている今日この頃の筆者である。だが音楽というのは幾分かそういう気持ちを和らげてくれる効能があるのは確かだ。今回紹介したいのはイタリア人アーティストVINCENZO SALVIAによる「DOMENICA」という曲だ。もとはイタロ・ディスコ系のアーティストであるがこういったバラードも気持ちよく作り上げる才能の持ち主である。今年の夏はあまり遠出せず落ち着いてこういうメロメロソングを聴いて乗り切っていこうかと思う。 (Lenny)





David Darling & The Wulu Bunun『Mudanin Kata (pana003)』
https://diskunion.net/portal/ct/detail/DS1201-98

チェリストDavid Darlingが台湾東部の少数民族、ブヌン族の合唱をフィールドレコーディング、多重録音を行った作品。プリミティブながら独特なスタイルの合唱は非常に魅力的で、鳥の声なども入り込み終始穏やか、自分にとっては時折聴きなおしては初心に帰るような作品になっている。現在では観光客向けにステージで歌うくらいにカジュアル化されているとも聞くし、いつか現地に行ってこの空気に触れてみたい。(Ocean)





V.A. (BIE RECORDS MEETS SHIKA SHIKA) / オムニバス『BIE RECORDS MEETS SHIKA SHIKA (RED VINYL)』
https://diskunion.net/portal/ct/detail/1008711729

販売前でしかも視聴用音源のアップすら完了していませんが、今年もっとも興奮したこちらを!! (天然水)





V.A. (MODERNO - TRIBUTO A LAERCIO DE FREITAS) / オムニバス『MODERNO - TRIBUTO A LAERCIO DE FREITAS』
https://diskunion.net/portal/ct/detail/1008600499

リリースされてからしばらく経ってしまいましたが、久々に聴いてやっぱりいいなと思ったのがこちら。サンパウロの知る人ぞ知る巨匠ピアニスト=ラエルシオ・ヂ・フレイタスのトリビュート作。あのハダメス・ニャタリ楽団やメキシコ時代のタンバ4に参加するなど実力派として知られる存在で、先日来日したアマーロ・フレイタスもブラジルで影響を受けたピアニストとして名前を挙げていました。さて本作はそんなラエルシオの楽曲を、ブラジルが誇るトップ・ミュージシャンたちが演奏した作品です。ラエルシオの音楽的特徴は、なんといってもそのエレガントでメロディアスなピアノ・ショーロ。インスト音楽の宝庫ともいえるブラジルですが、こういったアーティストは意外にも貴重なんですよね。私的年間ベストに確実にランクインしてくる一枚です。(江利川)