【特集】2021年11月24日に3rdアルバム「Purgatorium」をリリースするドラマティック・デス・メタル・バンドGhost Criesに直撃インタビュー!

  • HARDROCK & HEAVYMETAL
  • 注目ニュース

2021.10.21

  • x
  • facebook
  • LINE

  • メール

その独自の世界観と音楽性で聴くものを魅了するドラマティック・デス・メタル・バンドGhost Cries、メンバー・チェンジを経ての待望の3rdアルバム「Purgatorium」が11月24日(日)、Repentlessよりリリースされる。メイン・コンポーザーのMitchy (Gt) とAny (Vo)の2人に話を聞いてみた。

Q:2ndアルバム「Deorum Festum」リリースから約4年の期間が空いていますが、今回のアルバムリリースに至るまでの経緯を教えてください。

Mitchy:2018年1月の2ndアルバムのリリースツアーファイナルを以って前任のヴォーカリストとベーシストが脱退しまして、間もなくAnyが正式加入しました。スタジオで合わせてみて確かな実力を持ったヴォーカリストであることはすぐに分かったのですが、デスヴォイスとクリーンヴォイスいずれも表現の幅が広くて今までの楽曲のパターンそのままだと彼女の実力を持て余すなって思いまして、そこから試行錯誤の日々が始まりました。特にクリーンヴォイスが太くてとてもパワーがあるので、メロスピやパワーメタルのようなクリーンヴォーカルを全面に出すようなタイプの楽曲のアイデアが湧いてきまして、今作では実験的にクリーンヴォイスにかなり振り切った楽曲がいくつか収録されています。勿論、今までのようなデスヴォイスがメインのエクストリームな楽曲もあります。また、今作ではギターのYouが楽曲制作にも色々意見を出してくれて彼が好むメロディアスなギターフレーズやリフを取り入れ、ギターソロも今作では全て彼が弾いてくれています。結果として、前作では全体的にブラックメタルやデスコアといったようなエクストリームな色合いが濃かったのですが以前と比べてメロディアスなパートが増えて楽曲のバリエーションが豊かになり世界が広がりましたね。あと暫く正規のベースとキーボードが不在だったのですが、今年の5月くらいにYutaとEllyの正式加入が決まって体制も固まり、ここで新しいアルバムを出そうって決めました。

Q:4年間に渡る紆余曲折があったのですね、ここまでの過程を経てアルバムが完成した時、お2人はどんな心境でしたか?

Mitchy:長かったなと(笑)。方向性を試行錯誤しながら風呂敷を広げてしまったので纏め上げるのに大分時間が掛かってしまいましたが、メンバーの良さをそれぞれうまく引き出して新しいGhost Criesを体現した作品に仕上げることができたと思います。

Any:今作が加入してから初めてのアルバムでしたので、感慨深かったですね。ここまで本当に長かった…(笑)。新体制のこのメンバーで一つの目標に向けて奮起できたのって、Mitchyを筆頭として全員が音楽に真剣になれたからなのかなと思います。新メンバーのEllyは特にMitchyのリーダーシップを信頼していますね。あとYutaはメンバー間で音楽以外の共通の趣味で和気あいあいできるのは良い環境だと言ってくれまして、私も同じように思います。そして勿論、関わってくださった方々より多大なご協力をいただきましたので、現環境での集大成と言える作品が完成したのではないかと思います。

Q:じっくり時間をかけ新体制で臨んだ3rdアルバム「Purgatorium」のタイトルにはどんな意図があるのでしょうか?

Mitchy:アルバムのタイトルは毎度ラテン語にしているのですが、今作「Purgatorium」はキリスト教のカトリック教義に出てくる煉獄をモチーフにしていてアルバム全体を通して断罪と魂の浄化を描いた物語になっています。前作は楽曲の世界観的にもかなりダークな路線に振り切っていたのですが、今作は楽曲のバリエーションも色々増えて新しく生まれ変わったぞ(魂が浄化されたぞ)という裏の意味も込めています。

Any:「Purgatorium」というタイトルが決まり浄化の物語を描いていくなかで、私は「苦しみの上を歩いていく強さ」というメッセージを密かに込めました。逆境のなかでも歩き続けるのなら道は開かれる、アルバムの物語中にもそんなシーンがよく出てきます。そこでどんな選択が描かれているのか…聖伝承をモチーフにしながらも人間味のある内容ですので、様々な解釈で聴いて貰いたいなと思っています

Q:特に思い入れのある楽曲はありますか?

Mitchy:MVにもなっているリードトラック“Sin of Justice”が個人的には最も思い入れのある楽曲になりますね。従来のGhost Criesのエクストリームなパートもありつつサビは疾走感のあるハイトーンなクリーンヴォーカルを聴かせる新しい形の楽曲に仕上がりました。全体で7分強ある壮大な楽曲なのですが、アンサンブルも細部まで作り込んでいて緩急がありドラマ性があってとても聴き応えがあると思いますので是非チェックしてほしいですね。

Any:私は“Requiem”と“Phantom Of The Kingdom”ですね。バラードである“Requiem”ではドラムのManabuが手数足数よりも歌とメロディを重視して緩急つけて叩いてくれているので、とてもエモーショナルな歌が歌えているかなと思います。“Phantom Of The Kingdom”はギターのYouのソロにとても華があって私が好きな箇所なので、是非聴いて欲しいなと思いますね。2曲とも日々のリハーサルで研磨されていたこともあり、聴きごたえのある仕上がりになっています。Manabuは「前作よりドラムパターンはリハーサルでだいぶ固まっていたけど、なぜかレコーディングめっちゃ大変だった」と言っていましたが(笑)。

Q:メンバーの意見を取り入れて、且つドラマ性も備わっているとのことですが、楽曲はどのような流れで制作しているのでしょうか?

Mitchy:どの楽曲も最初はテーマとなる物語を決めるところから始まります。ネタは神話とか小説とか映画とか様々なのですが僕がSFやファンタジー、ミステリーなどを好むので大体その辺りからモチーフを選びます。楽曲はソフトシンセの打ち込みで大まかな構成を決めて土台を作り、ヴォーカルメロディ含め全パートのアンサンブルを考えながら細部を詰めていきます。打ち込みで形が出来たらギターとベースを自分で弾いてデモの完成です。PCで打ち込んだフレーズを生身の人間が弾くのでここで意外と苦労することもあります(笑)。その後はAnyに楽曲のイメージを伝えて歌詞を書いてもらい、メンバーと一緒にアレンジを考えていく感じです。

Q:歌詞はどのようなことを意識して書いていますか?

Any:Mitchyから楽曲のイメージを受け取って、まずはそこから世界観、登場人物、情景を設定していきますね。最終的に伝えたい言葉を押し出せるような言葉選びをしています。感情的な内容よりもドラマティックな内容になりがちかもしれません。

Q:楽曲によってデスヴォイス、クリーンヴォイスともに歌い方に多くのバリエーションがありますね。歌い分ける秘訣はありますか?

Any:楽曲の世界観を膨らませるように、起承転結を作り上げていくことが歌い分けに繋がっているかと思います。ブレスやエッジを多めにして喪失感を表現したり、淡々と歌って全能感を出したりなど。デスヴォイスも同じで、ブレスの多いガラガラした発声で死者が語るような表現にしたり、女性が叫ぶ表現をするときはそのまま悲鳴を使ったりしますね。ただあくまで歌唱である根本は崩さないようにしています。あとは歌声の響き方、余韻、グルーヴ感なども意識しています。聴いている人の心を惹き込めるような表現を心掛けることが秘訣かなと思います。

Q:今後について、ツアーや次のアルバムの制作は何か考えていますか?

Mitchy:コロナもこの先どうなるか読めませんので大々的にツアーをやるかどうかは悩ましいところですが、しっかり対策はした上でライヴ活動は継続していきたいと考えています。今作は特にヴォーカリストが変わったことで実験的な試行錯誤が多かったため時間が掛かってしまいましたが、体制も整い新しいバンドの方向性が見えてきたので「次」はそれほど間を空けずに発表したいなと思っています。今後の活躍にも、ぜひご期待いただけたら嬉しいです。

◆Ghost Cries - Sin of Justice [Official Music Video]


◆Ghost Cries - Purgatorium [teaser]


アーティスト:Ghost Cries (ゴースト・クライズ)
タイトル:Purgatorium (プルガトリウム)
発売日:2021年11月24日(水)
レ-ベル:Repentless (リペントレス)
規格番号:RETS-0027
定価:税抜価格2,700円 / 税込価格2,970円

[収録曲]
1. Sin of Justice
2. Shadowbringer
3. Revelation
4. Holy Grail Saga
5. Awakening Thanatos
6. Demigoddess
7. Requiem
8. Phantom of The Kingdom

Ghost Cries are
Any (Vocals)
Mitchy (Guitar)
You (Guitar)
Yuta (Bass)
Manabu (Drums)
Elly (Keyboards)

Ghost Cries official site
http://ghostcriesmail.wixsite.com/ghostcries