【特集】メロスピ・シーンの注目バンドShiver of Frontier。5/27に発売する3rdアルバムについてお話を伺いました♪

  • HARDROCK & HEAVYMETAL
  • 注目ニュース

2022.05.09

  • LINE

  • メール
国産メロスピ/メロパワ界の要注目バンド:Shiver of Frontier(以下、シバフロ)が、前作から約3年ぶりとなる新作3rdアルバム「Faint Hope to the Reality」(Black-listed Recordsより5/27発売)を完成させた。

コロナ禍の2年間に3名の新メンバーを迎えてバンドの体制を整え、新曲を作ってレコーディングをする期間に充てて制作されたこのアルバムは、外部エンジニアを迎える等バンドにとっての新しい試みも導入されている。

アルバムのタイトルや楽曲等に込められた想いも含め、バンドに色々と話を伺った。
●まずはバンドの紹介と、簡単に結成からの歴史を教えてください。

Akihiro: 2010年にギターのAkihiroとベースのKoutaにより結成され、まもなくヴォーカルのMinakiが加入、その後もメンバー・チェンジを経て、ドラムの妙-tae-、ギターのRyo、キーボードのNobuakiが加わり、現在の形となりました。日本語詞のシンフォニックなメロディック・パワー・メタルをやっていて、これまでに通算3作品をリリースしてきました。今回の新作である3rdフル・アルバム「Faint Hope to the Reality」は、現メンバーになって初の作品となります。

●メンバーの皆さんは、どの様な音楽やアーティストに影響を受けてきましたか?

Minaki: 学生時代に、Stratovarius、Sonata Arcticaに衝撃を受けたのに始まり、Helloween、Angra、X JAPAN他、メロディック・メタル中心に広く聴いていました。好きなヴォーカルが歌っているバンドを好きになるというパターンも多いです。Mark Boals、Michael Kiske、Michael Sweet、Michele Luppi等の影響を強く受けています。他にも影響を受けたヴォーカリストは洋邦・メタルに限らず沢山居るのですが、長くなり過ぎるので割愛と言うことで。(笑)

Akihiro: Helloween、Stratovarius、Angra、Sonata Arcticaといったメロディック・パワー・メタルを代表するバンドを初め、Dark Moor、Heavenly、Dragonland、Insania等の欧州のバンドの他、日本特有の叙情的なメロディーを持ったバンドも好きで、X JAPAN、Galneryus、MinstreliX、Dragon Guardian等、国産バンドからも影響を受けました。ギタリストとしてはYngwie J. Malmsteen、Tony MacAlpineといった、テクニカルなシュレッドと泣きの表現が素晴らしいギタリスト達から影響を受けています。

Ryo: 自分は両親がハード・ロック好きで、車の中でDeep PurpleやSCORPIONS、Van Halenが流れていたので、自然とそういったハードめの音楽に触れてました。本格的にメタルに目覚めたのは高校生の頃で、HelloweenやYngwie Malmsteenを聴いたのがきっかけです。その後はGalneryusのSYUさんだったり、Alexi Laiho、Jani Liimatainen、Leda等の新世代系や、彼らのルーツの80年代のギター・ヒーロー系の音楽を好んで聴くようになりました。一方でJ-POP等も聴いていたので、特に歌メロはそういう音楽からの影響が強く出ていると思います。

Kouta: HR/HMからだとHelloween, Angra, X JAPAN, Queen, Rainbow辺り。クラシック方面だとドヴォルザーク、チャイコフスキー、ベートーヴェン辺りの、主に交響曲ですね。

妙-tae-: メタル歴は割と浅いんですが、Angra、Sonata Arctica、Helloween、Galneryusといったメロディック・メタルや、Dark Moor、Nightwish、陰陽座、Sound Horizon等のシンフォニックだったり物語性のある音楽ですね。特にツーバスを始めるきっかけになったのは陰陽座なんですが、河塚さんのプレイが好きで、使用している機材や自分のドラムのセッティングが水平に近いセッティングなのは確実に河塚さんの影響を受けています。

Nobuaki: 本当に節操なく色んな音楽を聴いているのですが、自分の音楽を作りたいと思うきっかけになったのはゲーム音楽です。中学生の頃にスーパーファミコンで作曲できるソフトに出会い、友人と曲を発表し合ったことが私の音楽の源流です。その後、次第に激しいバンドを聴くようになったのですが、小学校の頃に少しピアノを習った経験があったので、ピアノやキーボードでコピー演奏もするようになりました。大学生になった頃、Yngwie MalmsteenやStratovariusに出会い、Jens Johanssonのキーボーディスト演奏を聴いてからは、もうすっかり虜になりまして、今もJensのプレイが聴ける音源を探し求めて,常にアンテナを張っている状態です。(笑)

●やはり皆さん、好きなバンドやアーティストは被っているんですね…。ちなみに最近加入されたお3方は、バンドへの加入を誘われた時に、どう思いましたか? また加入前にシバフロのことをどの様に見ていましたか?

妙-tae-: 最初に加入したのは私なんですが、正直「こんな楽曲叩けるのか!?」というのと、「私でいいのか!?」という気持ちがありました。(笑) オリジナル・バンドの経験もあまりなかったですし、楽曲も難しいのでかなり不安でしたが、やってみたい気持ちがあったので猛練習しました。インディーズ・バンドのライヴをよく観に行っていたので、シバフロのライヴも観に行ってましたし、一度対バンした事もあります。メロスピ系のバンドはあまり多くなかったので、気になってはいましたね。

Ryo: 実は加入の話を聞くまではシバフロの音源をきちんと聴いたことがなかったのですが、過去の作品を聴いたり、スタジオでリハーサルをしたりする中で「やっていけそうだな」と思い、加入に至りました。

Nobuaki: 実は私はAkihiroから加入前にも何度か誘われていまして、最初は1st制作のタイミングでした。デモ音源はまさに好みのど真ん中でしたし、誘われて嬉しかったのですが、私が個人的にオリジナル・バンドに腰を据えて取り組める状況ではなかったため、結局“Everlasting Light”1曲のみゲスト参加という形になりました。それから時は流れ、子供が産まれてプライヴェートな時間は更に減りましたが、「このままバンド活動を引退することになるのは嫌だな…オヤジでもまだやれるぞ!という証を残したい」との思いが強くなっていたところ、改めてお誘いを受けたため奮起した次第です。

●さて、新作「Faint Hope to the Reality」について伺いたいのですが、日本語に訳すと「現実へのかすかな希望」という意味かと思いますが、このアルバム・タイトルにはどの様な意味が込められていますか?

Ryo: 過去の作品では、疾走曲にHopeが付くことが多かったので、「リード・トラックのタイトルにHopeをつけて、シリーズ感を出したらどうか?」と提案しました。この曲のタイトルがアルバムのタイトルにもつながっていますね。

妙-tae-: Ryoの提案からリード・トラックのタイトル案でFaint Hopeを候補に出したんですが、他の楽曲にも「かすかな希望」は共通しているところだと思います。

Kouta: Realityを現実世界と捉えると、2ndアルバムのタイトルにあるWorldに近いのですが、2ndの「想像し得る様々な世界」に対し、こちらは「今ここにある我々の世界」の意味合いになりますね。

Minaki: 今の私達の現実と、そこで持ちうるかすかな希望ですね。生のある限り、どんなにかすかな希望でも持ち続けて生きていきたいなと。

●作曲やレコーディングはいつ頃スタートされましたか? 作業スケジュール等で新型コロナの影響はありましたか?

Akihiro: アルバム制作に向けて本格的にスタートしたのは、Ryoの加入が内定して現体制となった2020年の夏頃からだったと思います。作曲自体は以前から作りためていたアイディアを元に行なったので、曲によってはもっと早い段階で形になっていたものもあります

Kouta: 相変わらずのことなんですが、10年位前の曲を引っ張り出していたりもしてますね。“鐵の騎士と姫”が最も直近で、2020年9月です。

妙-tae-: まともに作曲するのは初めてだったので、かなり時間がかかると思って1曲入魂で、2020年の8月から作り始めました。それまでバンドとしてカヴァー演奏の動画制作をやっていて、編集もしていたので、着手し始めたのは他メンバーより少し後になりましたね。

Ryo: 自分が提供した3曲は2020年の10月位から年末にかけて作曲しました。その後Koutaさんのオケ・アレンジが入って、本レコーディングは2021年の6月頃にスタートという流れだったと思います。ギターはリアンプかシミュレーターを想定していたので、基本的に宅録してオンラインで共有するという流れでした。おかげでマイペースにできましたね。年末にヴォーカルのテイクが上がってきたので、その編集だったりをやったのですが、ミックスを外部委託する都合で締切が近く、慌ただしかったです。ヴォーカルは宅録できないので大変ですね。

Kouta: コロナの影響が明確に有ったと言えるのはヴォーカル録りを自分の立ち会いの元でやらなくなったことですかね。他の楽器は元々それぞれ個人で録って、データを送ってもらう形になっていたので。その場にいればディレクションして数分で次のテイクが聴けるところが、早くても数日かかるのは大変もどかしかったです。

Minaki: ヴォーカル・レコーディングがとにかく大変でした。コロナで自分の生活が一変してしまったり、レコーディング期間中に私の歌の師匠が他界してしまったのもあり、かなり試練のレコーディングだったと感じています。

Nobuaki: キーボードは全て自宅で録音したので、コロナの影響はありませんでした。

●新加入のRyoさんと妙-tae-さんもそれぞれ曲を提供していますが、Nobuakiさんが今後作曲に参加される予定はありますか?

Akihiro: アルバムの制作が決まり、各々でデモを持ち寄った段階では15曲位あったのですが、その中にはNobuakiの楽曲も含まれていました。収録楽曲のバランスや曲順等を考えた結果、今回は候補から外れてしまいましたが、是非採用したいと思える楽曲だったので、今後の作品に収録される事もあるかもしれません。

Nobuaki: 本作の制作にあたっては、私を含め全員が作曲に参加していました。収録曲を絞り込む過程で落選した曲もあるわけです。(笑) 今後皆さんに私の曲を聴いてもらえる機会があれば嬉しいです。

●先程もチラッと話題に出ていましたけど、今まではセルフ・エンジニアリングでのレコーディングでしたが、今回は外部のエンジニアを起用されていますね。外部エンジニアが加わることで今までと変わった点がありましたら具体的に教えてください。

Kouta: 一言で言えば「皆さんが普段聴いているメタル・バンドの感じになった」ですね。セルフでやっていた理由の1つに、特殊なアレンジと現代的サウンドの相性に対する懸念というのがあって色々試行錯誤していたんですが、今回は思い切って外注して、スタンダードなサウンドに近付けてみようと。

Akihiro: 今までのサウンドも独創的で良かったと思うのですが、より一般的なメタルのサウンドに近付いたことで、リスナーから受け入れやすいものになったのではないかと思います。ギターのリアンプもスタジオの機材を使用させていただき、サウンド面ではかなりパワー・アップしていると感じられるのではないでしょうか。主にオーケストラ等の音数も多いので、意見を擦り合わせるのに苦労もありましたが、今後の自信に繋がる作品に仕上がったように思います。

●シバフロといえばまさにオーケストレーションが特徴ですが、作曲やアレンジ面等で苦労する点等はありますか?

Kouta: とにかく作業量。アレンジのアイディア自体は、デモを聴いていれば即興的にスラスラ出てくるんですが、そこから作品になるまではパソコンでカタカタ入力して、プレイバックしての繰り返しです。今回からのという面では、他メンバーが予めデモにある程度オーケストラを仕込んできてくれるようになってきていて、しかしそれが色々盛り込み過ぎて過剰だった場合には削らなければならなかった点です。空いている部分に加えていくのに比べると、作ってもらったものを削るのはかなり緊張感が伴います。自分のアレンジは荘厳、壮大という括りにあると思うんですが、表現としてはやり過ぎ上等でも、構造としての過剰に対してはかなり慎重だったりします。

Akihiro: 曲によっては作曲する段階でオケのアイディアもある程度は入れているので、デモを作るだけでもかなりの時間が掛かりました。しかしオケ・アレンジは本職ではないので、音を詰め込み過ぎていたり、楽器的に無理が生じている部分は、Koutaによる判断で変更を加えてもらっています。Koutaによるオケ・アレンジにより、各々で持ち寄った楽曲にも統一感が生まれていると思います。

Ryo: 自分は作曲面ではあまり気になりませんでしたが、自分の曲は聴いてきた音楽の影響がかなり出てきてしまうので、オーケストレーションで大きく印象を変えてもらえたのは助かりました。

●今作のアートワークは馬に乗った女性騎士がモチーフですが、これには何か意味が込められていますか?

妙-tae-: 燃えている街並みがタイトルのRealityで、現実のコロナ禍という意味合いもあって、女性の騎士がHopeの部分で、希望という意味が込められてます。

Ryo: Hopeのところにもつながりますが、過去作品のジャケットに女性が出てくることが多かったので、「今回も女性にしたらどうか?」と提案しました。IRON MAIDENのエディだったり、MEGADETHのヴィック・ラトルヘッドみたいな位置付けになればいいなと思っていますね。

Akihiro: 馬に乗っているのは、モチーフを何にするか決める際に、メタルのジャケットに合う動物で、かつ楽曲の歌詞にも通ずる所があったので提案しました。コロナ禍という厳しい現実の中、立ち向かうという意思が込められた、現代の風刺的なジャケットになったと思います。

●最後にこのインタヴューを読んでくださっている皆さんにメッセージをお願いします。

Minaki: 今回は制作期間がコロナ禍で、かつ制作中に様々な出来事があり、個人的にとても思い入れの強い作品になりました。とても内容の濃いアルバムになったと思いますので、じっくり聴いていただけると幸いです。

Akihiro: 挑戦を続けて、楽曲やサウンド等あらゆる面でパワー・アップし、メロスピ/メロパワ好きの皆さんにきっと満足していただけるような作品に仕上がったと思いますので、是非聴いてくれたら嬉しいです。

Kouta: 今作は発売前に公開したトレイラーには無い部分にビックリを仕込んでいます…と、その辺りの担当者としては訴えたいですね。

Ryo: 充実感のある作品となったと思いますので、是非聴いて、色々な人に宣伝してください!(笑)

妙-tae-: 新たな風が吹き込まれだ作品となっていますので、たくさん聴いてくださいね!

Nobuaki: シバフロに興味を持ってくれてありがとうございます。このアルバムがあなたの憂鬱を振り払う、ポジティヴなエネルギーになることを願っています。