2018.06.22
2018年2月には長年バンドの屋台骨を支えてきたドラマー:DRAGONBLASTERが脱退するも、これまでもバンドと近い関係にあったMOUNTAIN KINGを迎え入れ、新作レコーディングを開始、3月にはリーダー・トラックとなる“Speed Metal Hell”を発表、各メンバーのソロをフィーチャーした強力な楽曲は80年代VHSテイスト溢れるそのPVと共に大きな注目を集め、バンドのポテンシャルがより一層の高みへと登り詰めたことを強くアピールした。
そして5月頭にマスタリングまでの作業を全て終了、ここに4thアルバム「The Oath Of Allegiance to The Kings Of Heavy Metal(鋼鉄の軍団)」が完成した。いつも通りの「一度聴いたら頭から離れないメロディーとリフ」が満載、そして「溢れんばかりの徹頭徹尾メタル愛」は言わずもがな。
4thアルバム「The Oath Of Allegiance to The Kings Of Heavy Metal(鋼鉄の軍団)」は、2018年6月22日にリリースされる。
いざ行かん…導(しるべ)は此処に在り!
1. THEME アルバムのオープニングを飾るイントロだ。楽曲の持つパワーから、次の“鋼鉄の忠誠”をトップに持ってこようって決めた時に、だとしたらそのパワーに達するまでに盛り上げて、一気に爆発させる起爆剤になるようなモノが必要だなと思ってね。「軍団=闘い」ってことで、ホルストの“火星”をイメージして作ったよ。始まりは当初軍靴の音って思ったんだけど、ありがちだし、それの持つダークなイメージに短絡的乗っかるのもつまらない…もっと何かインパクトのあるモノが欲しいって思ってね、それで古いディズニー映画とかで使われてるようなイメージのティンパニーはどうだ?って閃いたんだ。MOUNTAIN KINGにそれを説明する時に具体的に聴いてもらったのは水前寺清子の“365歩のマーチ”だったけどね。
2. THE OATH OF ALLEGIACE TO THE KINGS OF HEAVY METAL 本作品のタイトル・トラックで、作り始めた時から、この曲がアルバムの核となることは直観していたな。とにかく凄い曲を! 凄いHEAVY METALを!って気持ちで作ったよ。特にヴォーカルでは他の誰にも出来ないような、自分ならではの大袈裟なパフォーマンスを意識したよ。歌ってる時は歌舞伎役者が見栄を切るようなイメージだったな。このクソ長い早口言葉みたいなサビは、誰にもパッと聴いただけじゃ歌えない…けれど印象に残る、故にそれがキャッチーさになるという一見矛盾した、禅問答のような事に挑戦したんだ。おかげでレコーディングの時は苦労したけどさ。嫌ででも耳を惹くイントロの掛け声は70年代のディスコ・バンド、ジンギスカンの影響だな。アレを本気でHEAVY METALに取り入れて、格好良く仕上げるなんてなかなかのモノだろ? あとこの曲で特筆すべきはBLACKWINDのルート・プレイだな! ヤツのおかげでこの曲のトゥルーっぷりが最高に高まったぜ!
3. METAL NATION アルバム制作を意識した極初期に思いついた曲だ。俺達のレパートリーに曲タイトルやワードを叫ぶ曲はあっても、この曲みたいに「オーオー」いうような曲って無いなあと思ってね。HELLHOUNDとしてはイメージしやすい、ACCEPT的なミドル・テンポの曲で、ありがちかなと思っていたんだけど、中間部に和太鼓の音を使おうって閃いた時に全ての道が拓けたよ。これは映画「KUBO/二本の弦の秘密」を観た時にサウンドトラックで和太鼓が使われていた事にインスパイアされたんだ。レコーディングを進めていく段階でMOUNTAIN KINGにそれを伝えたら、俺がイメージするよりずっと豊かなアレンジを施してくれてさ、コイツとやって良かった!と実感したよ。
4. SPEED METAL HELL これは新ラインナップになり、俺達の興奮を伝えられるような、みんなへの挨拶代わりになるような曲をってイメージして作ったんだ。とにかく細かいことは抜きにして、各メンバーの高いポテンシャルを披露出来るように全員のソロ・パートを、そしてヴォーカルはありえないくらいの勢いを詰め込んだよ。アルバムを通して一番最初にレコーディングした曲だから今回のレコーディング・プロセスを具体的に確認するって意味も大きかった。同時に発表したPVでも、ありきたりではない、HELLHOUNDらしい手法とセンスをお見せ出来たと思っているよ。バンドのオフィシャル・フォトグラファーでもあるミケーレ・マコーリン氏のカメラ・ワークが最高で、金では買えない、もっと大切なHEAVY METALなセンスが爆発してる。まあそのセンスを養うには膨大な金と時間をHEAVY METALに貢いできてるとも言えるけどな、俺達は。
5. HEAVY METAL MAGIC 過去にも所謂ヘア・メタル的なノリの楽曲はあったけど、今回のコレは究極だな。スクール・ガールズ&ボーイズの頃の何者にもなれていないけど、自分の中のパワーと可能性でハチ切れんばかりになっているような、そんな感覚を曲にしたんだ。そんな思いもHEAVY METALなら受け止めてやれるぜ!ってね。バンドとしては初の試みであるガールズ・コーラスの導入もバッチリ嵌っているだろ? お願いしたOLIVIA SUGARとLIPSTICKのメンバーのキャラの対比も絶妙のブレンドになってて最高だよ。あと、この曲は歌うのには苦労したね。何といっても自分がデイブ・リー・ロスにでもなったように、アタマのネジを2~3本、いや5~6本外さなきゃならなかったからさ。もしPVを作れるなら、LUCIFER’S HERITAGEには天井から落っこちて来て、テーブルの上でソロを弾いて欲しいね!
6. KILL WITH METAL この曲は、俺自身が精神的に落ち込んでいるときに作ったんだ。自分には何の価値もなければ居場所も無い、そんな気持ちで眠れない夜に色々な音楽を漁っていて、BEHEMOTHの「THE SATANIST」ってアルバムに出会ったんだ、そこから一時期、DEATH/BLACK METALをよく聴いていて、更にVADERの”GO TO HELL”って曲に出会った。このストレートなタイトルに「身も蓋もねえなあ」って思ったんだけどさ、ここまでガツーンといけると、逆に清々しい気持ちになれたんだ。これまでの人生で、自分の中に何が残っているかって考えたら、それはHEAVY METALであって、それを武器に世の中の嫌なコトと向き合っていくんだなって思ってね。出来るならHELLHOUNDを聴いてくれてる人達にも、何か武器となるモノを贈れたらって想いから作ったんだ。「死にたいって思うより、ぶっ殺してやる!って想いを大切に」って好きな言葉なんだけど、実際ぶっ殺すワケにはいかないからね。そんな時はこの曲を聴いて欲しいと思ってるよ。
7. EARTHBANGERS これはMETAL BATTLE JAPANの代表として、2014年にドイツのWACKEN OPEN AIRに参加した時の印象を曲にしたんだ。とにかくあの会場だけでなく、ヴァッケンという村全体、さらにハンブルグの街に至るまで、期間中はHEAVY METAL一色になる訳でね。フェスが終わって、ハンブルグのメタル・バーで大騒ぎしてた時に、「どこから来たんだい?」なんて話になると、とにかく世界各国から筋金入りのメタルヘッズが集まっててさ、そんな奴らが集まってるって事は「もうコイツらは自分でヘッドバンギングするだけじゃなくて、地球全体を揺らしてるな!」なんて思ってね。そこからアースバンガーって言葉を思いついたんだ。勿論歌詞も「今夜は地球を揺らすぐらい騒ごうぜ!」って勢いのみで書き上げたよ! ま、HELLHOUNDの歌詞は大体がそんな感じで勢いだけだけどな。
8. INTERLUDE 俺はTRIUMPHの大ファンなんだけどさ、彼らのアルバムには必ずギターの美しいイントロ的な小曲が入っているだろ? そういうモノが欲しくて、LUCIFER’S HERITAGEにお願いしたんだ。ヤツからは「憂いに満ちつつ、力強さを感じならるような曲。目を閉じれば孤高の鋼鉄戦士(メタル・ウォーリアー)がそこに佇んでいるようなイメージで作った」とのコメントが届いているぜ。カッコいいね!
9. REQUIEM FOR WARRIOR 1stアルバムの”METAL WARRIOR”から続いているWARRIORシリーズの曲。「俺はWARRIORって言葉でどれだけサビを作れるかに挑戦してるんだ!」ってのも半ばホラ話じゃなくなってきてるな。曲のイメージとしてはN.W.O.B.H.M.的な哀愁をHELLHOUND流に追及した感じで、個人的には80年代のUSチャートを賑わしてたようなHEAVY METALの影響も大きいから、その2つのブレンド的な感覚で、「何も足さない、何も引かない」極上の和食みたいなイメージだね。特筆すべきは美しいギター・ソロで、初めて聴いた時は思わずガッツ・ポーズしちゃったよ! あとサビのメロディーは昭和の歌謡曲を意識して、やり過ぎなくらいにキャッチーにしてみたよ。この曲に限らず、今回は曲作りにあたって昭和歌謡曲や50年代のポップスなんかを聴いていたんだ。シンプルかつ的確に曲や歌詞のテーマを伝えるアレンジの素晴らしさを意識してね。
10. HEAVY METAL NEVER DIES バンド初のバラード! それもピアノ・バラード! 初めにこの曲の構想を話した時にはメンバーからも冗談なんじゃないか?と思われてたみたいだけどな。以前METALUCIFERが「HEAVY METAL BULLDOZER」でバラード”HEAVY METAL MOUNTAIN”を収録した際に、ニール田中氏から「HELLHOUNDもバラードやりなよ!」って言われてさ、それがずーっと心の中に残ってたんだ。「自分がバラードを作るなら? HELLHOUNDとして相応しいバラードとは何か?」ってね。LED ZEPPELINの”天国への階段“みたいなさ、静かに始まって激しく盛り上がって終わるみたいなバラードって、最近じゃあまり聴かれなくなっちゃったろ? だからその伝統を受け継ぐのは俺達しかいないんじゃないか? そこからまた誰かに繋がってくれれば嬉しいって気持ちで作ったよ。そしてHELLHOUNDの永遠のテーマであるHEAVY METAL…とにかくバラードとしてはあり得ないくらいHEAVY METALって言葉を叫び、HEAVY METALへの想いを伝えられるような曲にしたかったんだ。実はこの曲には前曲から続くストーリーがあって、その栄光を過去のものとして封印したアーティストへの想い(それは自分への想いでもある)をファンからの視点で歌った”REQUIEM FOR WARRIOR”、そして全てを諦め、この世を去ろうとしていたアーティストが再び内なるHEAVY METALに気づき、それを我が人生として悟り、新たなスタートを切るっていうこの曲。当初タイトルはサビで歌われているように、”HEAVY METAL WILL NEVER DIE”だったんだけど、最後にシャウトする時に全ての思いを込めて”HEAVY METAL NEVER DIES”と言い切る、そこにこそ大きな意味があるんだって思ってるよ。
11. SIGN OF HEAVY METAL この曲と“KILL WITH METAL”は前任ドラマーであるDRAGONBLASTERの残した遺産をそのまま使っているんだ。この曲は2年前に配信限定のシングルとしてリリースされたんだけどさ、その時にはなんとAMAZONのチャートで1位になったんだ! それも2位はBABYMETAL! 一瞬とはいえ嬉しかったね! それはさておき、これもWACKENでの思いを歌にした曲で、最近は少なくなったけどさ、メロイック・サインをする時に親指出しちゃうバカがいてさ、そういう奴らに優しく教えてやろうか?って気持ちでリリースしたんだ…なんて冗談みたいだけどさ、俺はHEAVY METALの持つ文化的な素晴らしさを心の底から愛しているから、それが変にねじ曲がって、ふざけた伝わり方をしていくのは我慢ならないんだ。だから自分たちの音楽を通して、「優しく楽しく」啓蒙していければって思ってるんだぜ。
※ メーカー・インフォメーションより
THE OATH OF ALLEGIANCE TO THE KINGS OF HEAVY METAL / 鋼鉄の軍団
2018年06月22日 / CD / JPN
2,619円(税込)
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