これまでに自主制作の1stアルバム「RUN FOR THE NIGHT」(1997年4月)、徳間ジャパン/ハイウェイズから2ndアルバム「KING OF THE STEELY NATION」(2001年1月)と3rdアルバム「SUNRISE IN THE DREAMLAND」(2003年8月)、そして2010年1月には現在所属しているBlack-listed Recordsから4thアルバム「DREAM ON」をそれぞれリリースしている。
1. Birth Of The Universe 2曲目の”Moonchild”に繋がるSE的な曲で、オーケストラ・アレンジは全て新メンバーのYASU が担当している。レコーディング時には曲が出来ておらず、Dsだけをひとまずレコーディングし、後付けで曲を載せたという驚きのアプローチで制作した曲ではあるが、タイトル通り「宇宙誕生」を思わせるスケール感があり、これから始まるアルバムの楽曲への期待感を高めている。
3. Surveillance Society ”Moonchild”に続くスピード・ナンバーで、作曲はTAKEが担当。もともとEDGUY”Babylon”の様な曲を意識して作り始め、仮タイトルもしばらくの間”Babylon”だった。Aメロはマイナー・キーで疾走し、Bメロでメジャー・キーのハーフ・テンポになるところは、完全に「参考」にしていると言わざるを得ない(笑)。イントロで奏でるキラキラしたTAKUYAのKeyや、TAKEとAKKKIのGソロ・バトルもこの曲の聴きどころだ。意外にもアルバム内では唯一ハイトーン・シャウトで始まる曲でもある。
4. Fly Till The End Of Time 2005年に自主製作で発表した3曲入りミニ・アルバム「My Blackest Heart」(現在廃盤)に収録していた曲。作曲者は既に脱退しているSHIRAOで、1st/2nd/3rdアルバムにおいて数多く楽曲を提供していたメンバーである。ライヴではサビ部分をお客さんと一緒に歌うことが多い楽曲で、イントロとサビにおけるバッキングGのザクザク感が気持ちいい。SHIRAO作曲ということもあり、AZRAELの初期~中期を思い起こす懐かしいハード・ロック・ナンバーだが、音源が既に存在しないため、SHIRAOに許可を取り(笑)、多少アレンジを加えて収録した。
5. Dreams Die Hard Vo:AKIRAの作詞・作曲。原曲が作成されたのは10年以上前に遡るが、当初のデモ音源は所謂8bitゲーム機の音楽のようなチープなもので(笑)、Gすら録音されていないものだった。当時のメンバーは皆「これはボツだね」と声を揃えていたが、TAKEはVoのメロディー・ライン”だけ”を気に入り、リーダー権限で採用を決定。曲構成やバッキングをメンバー全員で考え直し、その結果アルバム内でもTNTを彷彿させる北欧ハードポップ路線の曲になった。
6. Fight It Out 東日本大震災が発生した2011年に、TAKEが作曲したスピーディーなナンバーだが、Black-listed Records からリリースされたMetal bless JAPANチャリティー・アルバム「RISING SUN」にもデモ・ヴァージョンが収録されている。イントロ部分を Stratovariusの” Freedom”を「参考」にアレンジし直し(笑)、ソロ明けのYASUによるオーケストラ・アレンジも物悲しくもあり、しかし希望の光が差し込んでくるようなイメージを沸かせている。デモと比べるとサビにおけるAKIRAの重厚な合唱団のようなコーラスが非常に強力になっている所もポイント。
8. Heaven Or Hell もう1人のGがなかなか決まらず悶々としていたときTAKEが作り始めた曲で、アルバムにおいて一番速い疾走曲である。Gソロが終わった後の感動的なオーケストラ・アレンジはYASUによるものだが、そこから連続するサビにおけるAKIRAの叙情的なVoメロディーとコーラス・ワークが素晴らしい。本来であれば1曲目に匹敵すると思うのだが、これを8曲目辺りに持ってくるのがAZRAELの面白いところではあると思う(笑)。
9. King For A Day ミドル・テンポの所謂「メロハー」な曲で、TAKEによる作曲だが、Voメロディーに関しても珍しくほぼ担当した。AメロではTAKEが大好きな玉置浩二のような歌い方を強要したのだが(笑)、シンプルではあるが全編に渡って哀愁はありつつも、それでいて何か勇気が沸くような楽曲に仕上がったと思う。後半のGソロはAKKKIによるものだが、レコーディング時にはいつ止めていいかわからず、結局はフェード・アウトで逃げた曲でもある(笑)。
10. Legacy Of Tragedy 新メンバーAKKKI作曲によるミドル・テンポの曲で、本人によると「人生の喜怒哀楽の”哀”にあたる部分をイメージして制作した」とのこと。AKKKIが所属するちびらりは、昭和歌謡風な楽曲を得意とするヘヴィ・メタル・バンドで、この曲もその部分を活かしつつ、AKIRAとAKKKIでVoメロディーを練り、アレンジを進めていった。その結果これまでのAZRAELにない曲調になっており、アルバム全体を通して聴くと、この曲からラスト2曲へと流れていく「鍵となる曲」になっていることが分かる。
11. Servant Of Steel 4曲目同様、2005年に自主製作で発表したミニ・アルバムに収録していた曲の再録で、作曲はTAKEが担当。当初はボーナス・トラックやCD購入時の特典音源として提供しようと考えていたが、思いのほか出来が良く(笑)、新メンバーのAKKKIやYASUの希望もあり、正式なアルバム収録曲とした。サビのVoにおいては、LIZZY BORDENの様なダブリング効果を使ったミックスを施し、80年代のニュアンスを活かした音に仕上がっている。
12. Sun Will Rise アルバム最後の曲を飾るのはカヴァー曲で、YASUがリーダーを務めているELENDIRAの1stアルバムに収録されていた疾走曲。実はそのアルバムがリリースされた時に偶然この曲を耳にし、年齢が若いバンドでありながら楽曲センスが素晴らしく、当時は引退を覚悟したくらいだった(笑)。希望の光が見えるようなメロディー・ライン、キラキラ感のあるKey、ツインGのハモリにAKIRAのハイトーン・ヴォイスが絡み合い、最終的にはAZRAELの曲なのではないか?と思わせるくらいの完成度となっている。