4,400円(税込)
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こちらはTシャツ付きセット! Mサイズ
※ボディ、サイズ表は決定次第更新いたします。
帯ライナー付国内盤仕様
解説: 松永良平
カルト・シンガー・ソングライター最高峰PETER IVERSのWARNER期の名盤3タイトルが3ON2CDリイシュー!
ハーバード大学を卒業しながらハーモニカ・プレイヤーとしてキャリアをスタート、68年にはMUDDY WATERSをして「生きている中で最も偉大なハープ・プレイヤー」と言わしめた彼は、ソングライターとしてもサイケ、アシッド・フォーク、ブルース、ジャズはもちろんのこと、シンセ・ポップにエレクトロ、ディスコ、ニュー・ウェーヴ、レゲエ、ソウル、アヴァンギャルド、サントラETC ETCと軽々とジャンルを横断。フリーキーでポップな個性と淫靡でストレンジなメロディ・センス、そして類まれなるそのハイトーン・ヴォイスを武器に、縦横無尽にそのすべてを串刺しに繋ぎ合わせることに成功した不世出の異能シンガー・ソングライターPETER IVERS。
職業作曲家としてはPOINTER SISTERSやDIANA ROSS、笠井紀美子らへの楽曲提供、さらには77年デヴィッド・リンチの長篇映画デビュー作にしてカルト映画の代名詞的傑作「ERASERHEAD」の楽曲製作をリンチに依頼され、のちにDEVOやBAUHAUS、TUXEDOMOON、PIXIESら多くの後進に取り上げられることになる"IN HEAVEN (THE LADY IN THE RADIATOR SONG)"を提供、またANGRY SAMOANSやDEAD KENNEDYSらをいち早く取り上げ80年代LAローカルの伝説のテレビ番組となったエクスペリメンタルなミュージック・ショウ「NEW WAVE THEATRE」のホスト役を務めたことでも知られていますが、本筋のシンガー・ソングライター稼業ではメインストリームでの成功を得ることなくカルトな立ち位置に甘んじたまま非業の最期を遂げています。
スリランカのジャズ・ディーヴァとのPETER IVERS' BAND WITH YOLANDE BAVAN名義のEPICからの69年1STアルバム『KNIGHT OF THE BLUE COMMUNION』を経て、VAN DYKE PARKSとLENNY WARONKERから10万ドルの契約金を提示されWARNER BROS. RECORDSへと移籍。そこで残したTHE PETER PETER IVERS BAND名義の74年2ND『TERMINAL LOVE』、ソロ名義となった76年3RD『PETER IVERS』、死後85年の追悼盤『NIRVANA PETER』の3作を一挙コンパイルしたお買い得2枚組CDが登場です。
74年『TERMINAL LOVE』は、BEEFHEART的に突き抜けていた前作から一転、シンガー・ソングライターとしてのポップな感性が爆発した傑作中の傑作。独特の中性的なヴォーカルを芯に、およそブルース・ハープに聴こえない淫らな音色を絡ませた変態的ソングライティングとアレンジメントは凡庸なシンガー・ソングライターを寄せ付けない孤高の一枚として輝きを放っています。共同プロデュースはCECIL TAYLORとのトリオやクインテットでも知られるチェリスト/ベーシストBUELL NEIDLINGER。
76年『PETER IVERS』は、元SPOOKY TOOTHのGARY WRIGHTをプロデュースに迎えた発展作。前作がストレートに彼の本質を体現した作品だとすれば、本作はそれをさらにレゲエやファンクといったフィルター(もしくはエフェクター)を通過させて捻じ曲げた逸品となっています。ソウル・ファンクな一流ベーシストWILLIE WEEKS、セッション・ギタリストとしてノリにノり始めた時期のWADDY WACHTEL、新鋭TOTOのキーボーディストSTEVE PORCAROなど西海岸の腕利きスタジオ・ミュージシャンを起用した中でも、とりわけ話題となったのが"PETER"でのCARLY SIMONとのデュエットでしょう。
85年『NIRVANA PETER』は、彼の死後(83年、LAの彼のアパートメントでハンマーにより撲殺。犯人はいまだ不明)に出されたレトロスペクティヴ追悼盤。81年のロック・ミュージカル「VITAMIN PINK FANTASY REVUE」や78年の自伝的ミュージカル「NIRVANA CUBA」用の音源など74年から81年にかけてのレコーディングを元に編集され、BUELL NEIDLINGER、VAN DYKE PARKS、GARY WRIGHT、RICHARD GREENE、WADDY WACHTELらをフィーチャー、再び彼本来のポップ性が浮かび上がった作品に仕上げられています。
PETER IVERS (PETER IVERS' BAND) / ピーター・アイヴァース