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アルバムって出だしが大事だな、と思います。最初だけが耳をひいて、数曲目からだれてしまう近頃の諸作品には、辟易しますが、こうしたソロ・ピアノにおいて一音目にこんな音を鳴らされると、心が溶けます。
美しく、優しい響きと、ジョン・テイラーならではのアブストラクトな世界の美しき融合。UKシーンにおいて、プログレッシブな硬派路線を突き進んできたテイラーもお年を召して、よく丸くなった、という印象をこのアルバムから受けます。70年代の切れ方もよいけれど、ここには、そうした世界を突っ走ってきた人だからこそ、鳴らせる美しさがあると思います。
そう、本当に美しさと激しさは表裏一体。激しさがあるから、その勢いで感じた深みの底に潜む研ぎ澄まされた音があるのです。
テイラーには、よくも悪くも硬いイメージがあるけれど、レーベルのカラーもあってか、メロディアス。やっぱり、好きです。この世界。
JOHN TAYLOR(p)solo
JOHN TAYLOR / ジョン・テイラー
1942年生まれ、イギリス・マンチェスター出身のピアニスト。名門ECMから多くのアーティストとの共演作を出している。1971年にトリオで初のリーダー作にして名盤、「覚醒(Decipher)」を発表。その後はケニー・ホイーラー、ノーマ・ウィンストンとアジマス(Azimuth)を結成。UKジャズ黄金期の中心核となった。バップに親しみのある抒情的なピアノを得意とする一方、常に前衛的で、アンサンブルジャズやプログレ、ジャズロックなどにもファンが多い。2015年7月15日逝去。