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ブラジル・ガット・ギタリスト最高峰と、サンパウロ屈指のアコーディオニストによるコラボレートが示す、ブラジル・インストゥルメンタル音楽の新たな可能性。「蛇腹」サウンドを嗜好するすべてのリスナーにレコメンド。
ブラジル・ストリング・ギターの最高峰プレイヤー:マルコ・ペレイラ。クラシック畑出身で、数々のコンクールで受賞暦を誇り、華麗なセンスと卓越した技術でソロ/セッション/MPBサポートなど多岐にわたる活躍を繰り広げてきた名手だ。既製の音楽観にとらわれず、常に自身を刺激する演奏活動にも精力的で、今回の最新作では、サンパウロ屈指のサンフォーナ(アコーディオン)奏者をパートナーを得て、新たな躍動を見せる。デュオに加わったトニーニョ・フェハグッチは、正統派のアコーディオン奏者にして多彩なセッションやMPBサポートでも活躍が目覚しい才人。ブラジル北東部の伝統音楽に帰依しつつ、ショーロ、ジャズへの造詣も覗かせるプレイ・スタイルは、この楽器の使い手としては、ブラジルでも随一の存在だ。
元々フィールドの異なる二人の巧手をつなげるもの、それはブラジル・インストの可能性と美しさの追求。そんな共通項が生み出したこの1枚は、互いの音を絶妙に重ね合わせることで表現された、素朴で麗しいアコースティック・サウンドの芸術。フォホー、ショーロ、ヴァルサ(ワルツ)など、彩り豊かなリズムに則って、一音ずつを大切にするかのように気持ちをこめて奏でられる二人のコラボレートは、時にスリリングで、時に感傷的で、そして時に優しく力強い。作曲家でもある二人各々の自作曲も粒ぞろいで、旋律も味わい深い。加えて、エルネスト・ナザレー、ドリヴァル・カイーミというショーロ/バイーアの巨匠作品をメドレーにしたM2には、本作の根底にあるテーマを縮図にしたような意義のあるハイライト・トラックだ。ブラジル音楽の真の魅力を綴った素晴らしい作品にして、タンゴやミュゼットなどの「蛇腹」サウンドを嗜好するすべてのリスナーにレコメンド。
MARCO PEREIRA & TONINHO FERRAGUTTI / マルコ・ペレイラ&トニーニョ・フェハグッチ