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URCの諸作に通じる生々しくも奧のねじれた表現方法(特に言葉の生活感とその譜割の異常さのズレは不思議)で紡がれる歌、それをさらりと聞かせるヴォーカルの技術にはハッとさせられます。元々合唱をやっていたことが大きく影響した一人多重録音によるコーラスの分厚さも武器で、彼女のデモでは全曲に執拗なコーラスが重ねられ、ほとんどコーラス・グループの体でしたが、このデビュー作では楽曲の良さを重視した編集がされています。アレンジャーにはかつて京都で細胞文学という稀代のデュオ(その元相方は現在Gofishでチェロを弾き喫茶ゆすらごを運営している黒田誠二郎)をやっていた斉藤友秋を迎え、彼のギターと、ケバブジョンソンのベーシスト橋本悠、そして沖縄在住の凄腕ピアニスト香取光一郎(PAAP、泊...etc)というバッキングで録音された味わい深いアルバムになりました。京都在住ながらほとんどライヴをしていないので、表立った話題にのぼることもありませんが、自信を持って推薦できる逸材です!!
小川さくら