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2ヶ月連続でリリースしてきたラブクライのアナログ化シリーズ、サード・アルバムの平凡は1999年の作品で、オリジナル・リリースはこれまでのオズディスクではなく、麻田浩氏が運営する麻田事務所、SEVEN GODS PRODUCTION内のBISHAMON LABELからのリリースだったものです。本作でメンバーは、三沢洋紀(vo,g)、NANA(vo,g exバチラス・ブレイン)、清水恒輔(b現mama milk!)、斉藤晃彦(ds スピードライダー)、宮地健作(kbd)、そして奇才・村上ゴンゾのエレクトロノイズやブルース・ハープという、黄金期のメンバーが揃い踏みになりました。
曲数は極端に少なくなり、代わりに曲の尺は次第に長くなっているのが本作の特徴で、じっくりと場を練り上げながら歌世界と共にじわじわと飛翔しカタルシスに達するA面は、これぞラブクライ。ラブクライのアルバムに必ずあるサイケデリック・グルーヴィンなインスト曲と旬の女性ヴォーカルのフィーチャリングは今回もあり、今回はファーストにもギターやコーラスで参加していたマディグラブルウヘヴン〜HELICOID 0222MBのタナカヒロコが初々しい歌声で華を添えています。同時期の渚にてを彷彿させるものがあり、これぞ当時のいわゆる「うたもの」と呼ぶに相応しいナンバーになっています。
全体にポップではあるのですが、全アルバムの中で最もサイケデリックな感触も同時にある、このアシッド・フォーク感覚は本作ならでは。ラブクライ・マスタリングの精度もだいぶ上がってきており、今回もCDを聞いていた人には驚きの音に仕上がっていると思います。
ここまでの3作とも懐かしの作品アナログ化の域を越えたリマスターによる現代性の獲得に焦点を絞って制作してきましたので、ぜひとも次の世代へ渡していただけたらと思います。
LABCRY / ラブクライ