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Dave Stewartさながらの鍵盤使いやPhil Miller風の芯の太いギターによって彩られる、どこかしらくすみがかった音像がEGG/GILGAMESH/HATFIELD & THE NORTH~NATIONAL HEALTHといった往年のバンドを彷彿とさせつつ、多種多様な音楽性を咀嚼した21世紀産らしいアレンジや構成によって現代流にブラッシュアップさせたカンタベリー・サウンドが各方面で話題を呼んだ、秀才マルチ・ミュージシャン:Ryan Stevensonをブレーンとする英国産新鋭カンタベリー・ロックプロジェクト:ZOPPによる待望の2ndアルバムが'23年にリリース決定!

今作でも前作同様にRyan自身のマルチプレイとAndrea Monetaのドラムスを中心とした録音で、"あの頃"のカンタベリー・シーンの影響下にあるファズ・オルガンやメロトロン、そしてふくよかな音色のベース/ギターは健在ですが、単なる過去の再生産に陥らないのがRyanのアイデアと発想力。今作のキー、そして新機軸となるのは"声"で、前作から引き続き参加のCaroline Joy ClarkeとCELESTIAL FIREのフロントマンとして活躍するSally Minnearの2名によるTHE NORTHETTES直系の透明感のある女声スキャットで前作と同じように作品が幕を開けますが、続く先行配信されたトラック'You'やラストの14分長の大曲'Toxicity'では全編に亘ってRyan自身によるボーカル・パートを大胆に取り入れており、前作のインスト・サウンドに慣れ親しんだ方々には少々驚きを持って迎え入れられると思われます。そういったボーカルの導入の効果も有って、前作では希薄であったTAME IMPALAを筆頭とするモダン・サイケデリックロックとの共通項も見出せるようになった今作のサウンドは、様々なアーティストが群雄割拠する現行のプログ・シーンにあって新鮮そのものです。とは言えど、テクニカルなプレイとハンドメイドな温もりが共存した70sカンタベリー・サウンドに通じる独特の浮遊感を持った演奏は何物にも代えがたく、前作を好まれた方々であれば言わずとも必聴の一作。カンタベリー・シーンを彩ったミュージシャン達へのリスペクトとRyanの尖鋭性な感性ががっちりと噛み合った、今後の現行カンタベリー・ロックシーンにおける大きな指針の一つと断言できる傑作となっております!!

【Digipack仕様】