◆グレイトフル・デッドの創立メンバーの一人であり、以降脈々と続くデッド・ファミリーの中核をなす存在、ロン・”ピッグペン”・マッカーナン。1973年3月にこの世を去った彼の墓標には、「ピッグペン、彼は過去も現在も、そしてこれからも永遠に、グレイトフル・デッドの一員である」という言葉が刻まれている。グレイトフル・デッドが1973年7月に発表した、バンドにとって4枚目のライヴ・アルバムであり、通算9作目となるアルバム『HISTORY OF THE GRATEFUL DEAD, VOLUME 1 (BEAR'S CHOICE)』は、ピッグペンの人生、そして彼の存在/音楽そのものにスポットライトを当てた、彼に捧げるアルバムとなった。
◆『HISTORY OF THE GRATEFUL DEAD, VOLUME 1 (BEAR'S CHOICE)』は、1973年3月にこの世を去ったピッグペンへのトリビュートとして、バンドのオリジナル・サウンドマンでありバンドの恩人でもあるオーズリー・スタンレー(通称ベアー)によって深い愛情と共にプロデュースされ、73年7月に発表された作品だ。ピッグペンの死から50年目を迎え、彼に捧げられたライヴ・アルバムも発売50周年を迎える今年、このライヴ・アルバムが50周年記念エディションとなって世界に届けられることとなった。ここには、プランジェント・プロセスを経由して生まれ変わったオリジナル・アナログ・マスター・テープをもとに、グラミー賞受賞歴を誇るエンジニア、デイヴィッド・グラッサーによって最新のリマスターが施された音源が収録されている。今までとは違う非常に素晴らしいサウンドとなって、このライヴ・アルバムが現代に蘇るのだ。
◆デッドのサウンドマンであり、恩人でもあるスタンレーが、ライブの録音とプロデュースを担当した、バンド初の本格的なアーカイブ・アルバム『HISTORY OF THE GRATEFUL DEAD, VOLUME 1 (BEAR'S CHOICE)』。このコレクションは、1970年2月13日と14日にニューヨークのフィルモア・イーストで行われたデッドのコンサートからハイライトを抜粋したアルバムだ。このコンサートでは、バンドはアコースティックとエレクトリックの2つのセットを演奏していたのだが、同様にこのアルバムも、アコースティックとエレクトリックの2つのセットで構成されている。ちなみに今作はタイトルが長いのだが、ファンの間ではこのアルバムのレコーディングとプロデュースを担当したベアーに敬意を称し、親しみを込めて『ベアーズ・チョイス』という名で呼ばれている。また、今やバンド以上にデッドを象徴するキャラクター、ダンシング・ベアが初めてアートワークに登場したアルバムでもある。
◆ピッグペンは、今作のオープニングとなるライトニン・ホプキンスの「Katie Mae」の心に響くソロ・パフォーマンスをはじめ、B面に収録されているハウリン・ウルフの「Somkestack Lightnin'」とオーティス・レディングの「Hard To Handle」のカヴァーという全3曲でヴォーカルを担当。また、ジェリー・ガルシアとボブ・ウィアーが「Dark Hollow」と「Wake Up Little Susie」のカバー曲を演奏し、デッドのオリジナル曲で当時はまだ未発表だったスタジオ・アルバム『WORKINGMAN'S DEAD』収録の「Black Peter」も披露している。