シューベルト:アルペジオーネ・ソナタ、他(SACD)

MSTISLAV ROSTROPOVICH ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ

エソテリック特約店限定販売 / SACDハイブリッド盤

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レーベル
エソテリック (ESOTERIC)
国(Country)
JPN
フォーマット
SACD
規格番号
ESSD-90303
通販番号
1008992835
発売日
2025年03月15日
EAN
4907034225668
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商品詳細情報

エソテリック特約店のみの限定販売
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ロストロポーヴィチが作曲家ブリテンと成し遂げた室内楽演奏の桃源郷


■チェロの概念を深化させたチェリスト
パブロ・カザルスと並び、20世紀におけるチェロという楽器の概念を深化させた巨人、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(1927-2007)。旧ソ連(現アゼルバイジャン共和国)のバクーに生まれ、7歳からチェロを始め、モスクワ音楽院でチェロをコゾルーポフに、作曲をショスタコーヴィチに師事。1956年に欧米での演奏旅行で大成功を収めて一躍世界的な存在になりました。チェロのあらゆるレパートリーを掌中に収め、傑出したテクニックで特に20世紀の優れた作曲家たちに多くの刺激を与え、ハチャトゥリアン、ブリテン、デュティユー、バーンスタインらの巨匠たちから170にも及ぶ作品を捧げられています。指揮者、ピアニストとしても活動し、熱心な人権擁護活動家でもあり、1970年には作家ソルジェニーツィンを擁護してソヴィエト政府と対立、1978年にはソヴィエト市民権を剥奪される(1990年に回復)など、音楽家としての枠を遥かに超えた存在でした。音楽面でも、高度で磨き抜かれた技術、とりわけ幅広い音域にわたって平均した音色の美しさを保ち、力強い情熱、幅広い表現力と尽きることのないエネルギーを放射し続ける演奏は、聴き手に興奮と深い感動をもたらしてきました。

■ロストロポーヴィチの生涯を変えた「3名の作曲家」の一人、ベンジャミン・ブリテン
ロストロポーヴィチは「自分の生涯を変えた3名の作曲家」としてプロコフィエフ、ショスタコーヴィチのほかに、イギリスの作曲家ベンジャミン・ブリテン(1913-1976)の名を挙げていました。1961年9月、ロストロポーヴィチはレニングラード・フィルのイギリス・ツアーに帯同し、ショスタコーヴィチのチェロ協奏曲第1番のイギリス初演を行った際、ロンドンのロイヤル・フェスティヴァル・ホールでは演奏に臨席したショスタコーヴィチの隣にブリテンが座っていました。ブリテンは作品と演奏双方に強い感銘を受け、自らが1948年に創設し主催していたオールドバラ音楽祭で初演するということだけを条件にロストロポーヴィチのためにチェロ・ソナタの作曲を約束しています。その結果チェロ・ソナタは1961年に作曲・初演され、さらにブリテンは1964年から1971年にかけて3曲の無伴奏チェロ組曲、「チェロとオーケストラのための交響曲」をロストロポーヴィチのために作曲しており、20世紀後半における最も重要かつシリアスなチェロ作品がこの二人の音楽的交感から生み出されたのでした。

■オールドバラ音楽祭での共演から生まれ音楽の絆
ブリテンは作曲だけでなく、ピアニストそして指揮者としても卓越した才能を持ち、オールドバラ音楽祭でも、パートナーだったテノールのピーター・ピアーズとの共演のほか、室内楽やオーケストラの指揮も担っていました。ロストロポーヴィチとブリテンの初共演は1961年7月、オールドバラ音楽祭でのブリテンのチェロ・ソナタの世界初演でのこと。音楽祭を気に入ったロストロポーヴィチは「私はオールドバラでとても幸せでした。帰りたくないです。素晴らしい聴き手の皆さん、そして友人のベンとピーターのために必ず戻ってきますよ」と明言しており、その後もこの音楽祭に登場しています。レパートリーは主にブリテンの個人的な趣向を反映し、シューベルト、シューマンからドビュッシーやヤナーチェクまで多岐にわたるものでした。ブリテンはロストロポーヴィチにシューベルトのアルペジオーネ・ソナタとイギリスの作曲家フランク・ブリッジのチェロ・ソナタの演奏を勧め、ロストロポーヴィチはショスタコーヴィチのチェロ・ソナタの演奏とハイドンのチェロ協奏曲第1番のカデンツァを依頼するなど、二人の共演はブリテンが心臓病のため演奏活動から退くまで続きました。

■ロストロポーヴィチ最重要の録音遺産
LP時代以降、英デッカはブリテンの作品の自作自演の録音に力を入れており、オーケストラ曲からオペラまでその主要作のほとんどが当時最先端の技術で収録され、作品の普及に貢献しました。そのプロジェクトの過程で、指揮者・ピアニストとしてのブリテンによるパーセル、バッハ、モーツァルトからエルガ―に至る様々な作曲家の作品も録音され、ロストロポーヴィチとの共演も残されました。まず1961年7月、オールドバラ音楽祭での二人の初共演の直後に、世界初演したばかりのブリテンのチェロ・ソナタのほか、一緒に取り上げたシューマンの「民謡風の5つの小品」、ドビュッシーのチェロ・ソナタが録音されました。その3年後の1964年7月、同年3月に初演されたばかりのブリテンのチェロ交響曲とハイドンのチェロ協奏曲第1番がイギリス室内管弦楽団を起用して録音され、さらに4年後の1968年7月、シューベルトのアルペジオーネ・ソナタとブリッジのチェロ・ソナタが録音されたのです。この時同時に録音されたブリテンの無伴奏チェロ組曲第1番・第2番も合わせるとLPにして4枚分となるこれらのデッカ録音は、ソ連時代のライヴも勘定に入れると膨大な量が残されているロストロポーヴィチの録音遺産の中でも、リヒテルとのベートーヴェンのチェロ・ソナタ全曲、複数のドヴォルザークのチェロ協奏曲、晩年のバッハの無伴奏全曲と並び、最も重要なものといえるでしょう。

■最高の状態でのSuper Audio CDハイブリッド化が実現
これらの録音は、アナログ全盛期の英デッカの生々しいサウンドによってロストロポーヴィチの強烈な演奏を余すところなく捉えているという点でも特筆すべき価値を持っています。今回のアルバムは1961年と1968年のセッションから3曲をコンパイルしたもので、CD初期の1987年に登場して以来踏襲されるようになったCD時代の定番カップリング。1961年のセッションでのシューマンとドビュッシーはアナログ時代最高の録音会場の一つ、ロンドンのキングスウェイ・ホールで収録されました。残されたセッション写真を見ると、楽器の配置は通常のリサイタルとは異なり、ピアノとチェロを2メートルほど離し、チェリストはピアノの右側を正面に見る位置で弾く、という形で収録されたことが判ります。この配置により二つの楽器の響きが交じり合うことなく、それぞれの鮮明なプレゼンスが確保され、演奏の微細なニュアンスが聴き取れるサウンドに結実しています。一方、1968年のセッションはオールドバラ音楽祭のメインの演奏会場だった「ザ・モルティングス」と名付けられたコンサート・ホールで収録されました。このホールはもともと19世紀半ばにビール醸造の際の製麦=モルティングを行う場所として建立された建物で、1966年に832席のコンサート・ホールに改装され、1967年の音楽祭に際して開場しました。内装は木造でしっとりと落ち着いたアコースティックが素晴らしく、デッカによる録音にも多用されるようになりました。2年後の1969年の火事で被害を受けたため全面的に改装され1970年に再オープンして以後も優れた音響効果を保ち続けイギリスで最も優れた録音会場として定着しています。1968年にこの「ザ・モルティングス」で録音されたアルペジオーネ・ソナタは、改装前の最初のホールで録音され、楽器の配置は不明ながら1961年のセッションよりも二つの楽器の音像が大きく捉えられており、左右のスピーカー一杯に演奏のイメージが広がります。このソナタの解釈の中でも最も遅い部類に属するゆっくりとしたテンポで静かに進められ、ところどころでさらにゆっくりと立ち止まるかのような表情も聴かれるなど、全体として深く沈潜していく味わいは、ロストロポーヴィチとしては珍しく、そのスローテンポを支えるブリテンのピアノも美しいリリシズムに満ちていて、文字通り空前の名演。上述の通りこれらの録音はCD時代初期の1987年にCD化され、1999年にはデッカ・レジェンドのシリーズで24ビット・リマスター盤となり、2004年にはSuper Audio CDハイブリッド化もされています。今回は20年ぶりの新たなリマスターが実現。これまで同様、使用するマスターの選定から、最終的なDSDマスタリングの行程に至るまで、妥協を排した作業をおこないました。特にDSDマスタリングにあたっては、「Esoteric Mastering」を使用。 入念に調整されたESOTERICの最高級機材Master Sound Discrete DACとMaster Sound Discrete Clockを投入。またMEXCELケーブルを惜しげもなく使用することで、オリジナル・マスターの持つ情報を伸びやかなサウンドでディスク化することができました。



【収録内容】
フランツ・シューベルト(1797-1828)

[1-3] アルペジオーネ・ソナタ イ短調 D.821

[1] 第1楽章:Allegro moderato
[2] 第2楽章:Adagio
[3] 第3楽章:Allegretto


ロベルト・シューマン(1810-1856)

[4-8] 民謡風の5つの小品 作品102

[4] 第1曲:Vanitas vanitatum (Mit Humor)
[5] 第2曲:Langsam
[6] 第3曲:Nicht schnell, mit viel Ton zu spielen
[7] 第4曲:Nicht zu rasch
[8] 第5曲:Stark und markiert


クロード・ドビュッシー(1862-1918)

[9-11]チェロ・ソナタ ニ短調

[9] 第1楽章:Prologue (Lent)
[10] 第2楽章:S?r?nade (Moderement anime)
[11] 第3楽章:Finale (Anime)



【演奏者】
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(チェロ)
ベンジャミン・ブリテン(ピアノ)

【録音】
?[1-3]1968年7月22日~27日、スネイプ、「ザ・モルティングス」コンサート・ホール
?[4-11]1961年7月19日~21日、ロンドン、キングスウェイ・ホール


[初出]
?[1-3]DECCA SXL 6426(1970年)
?[4-11]DECCA SXL 2298(1963年)
[日本盤初出]
?[1-12]LONDON SLA1015(1970年7月)
?[4-11]LONDON SLC1200(1963年2月)

[オリジナル・レコーディング]
?[レコーディング・プロデューサー]
??[1-3]ジョン・モードラー
??[4-11]アンドルー・レーバーン
?[バランス・エンジニア]
??[1-3]ゴードン・パリー&ケネス・ウィルキンソン
??[4-11] アラン・リーヴ

[Super Audio CDリマスタリング]
?[Super Audio CDリマスター]2024年11月 エソテリック・オーディオルーム、「Esoteric Mastering」システム
?[Super Audio CDプロデューサー]大間知基彰(エソテリック・マスタリング・センター)
?[Super Audio CDアソシエイト・プロデューサー]吉田穣(エソテリック・マスタリング・センター)
?[Super Audio CDリマスタリング・エンジニア]東野真哉(エソテリック・マスタリング・センター)
?[解説]浅里公三 芳岡正樹
?[企画・販売]ティアック株式会社
?[企画・協力] 東京電化株式会社