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ザ・ガスランプ・キラーことウィリアム・ベンジャミン・ベンサッセンは、カリフォルニア州サンディエゴ出身。レイヴに通いつつ、インヴィジブル・スクラッチ・ピクルズやビート・ジャンキーズなどのスクラッチDJの影響も受け、17歳の時にサンディエゴの有名なダウンタウン、ガスランプ・クォーター(ガスランプの街灯が連なる通りがある)でDJを始める。ザ・ガスランプ・キラーと名乗った彼のDJプレイは、トリッキーなスクラッチを交えつつ、ユニークなセットを組み上げて、瞬く間に評判となった。
2006年にロサンゼルスに移り住むと、すぐに始まったばかりのパーティLow End Theoryに関わり、レジデントDJの座を掴む。同時にdublabやTurntable LabやArtdontsleepなどLAの拠点となるシーンにも深く関わっていった。LAの最新のビーツ系から、アンディ・ヴォーテルのFinders Keepers音源やジミ・ヘンドリックスまでプレイできるDJスタイルは、既に世界的な人気を得ている。また、『My Troubled Mind』などのEPや、ゴンジャスフィのアルバム『Sufi & A Killer』のプロデュースでも評価を高めた。
ザ・ガスランプ・キラー待望のデビュー・アルバムが本作『Breakthrough』だ。これまで、EPやゴンジャスフィのプロデュースで 培ってきたものはもちろんのこと、DJプレイで展開してきた音楽性、また世界各地をDJで回ってきたことから得た影響などが反映された、まさにザ・ガスランプ・キラーの集大成といえる大注目作だ。 『Breakthrough』にはロサンゼルスという土地にインスパイアされたサイケデリックなサウンドと、世界各地の様々なシーンからの影響が反映されている。レゲエとヒップホップとブレイクビーツからスタートした彼のDJ人生は、10年あまりの活動の中で多様な音楽を飲み込んできた。彼の父親はメキシコ・シティ出身だが、トルコとレバノンの血が流れており、ワールド・ミュージックも自然と吸収した。また、チェリー・ストーンズやアンディ・ヴォーテルやNow Againのイーゴンといった非西洋圏の音楽の目利きたちの影響も受けて、インド、アジア、中近東の古いレコードにビートを発見していくことにものめり込んでいった。 しかし、『Breakthrough』は単なるビートの寄せ集めではなく、10年に渡って世界を周り、各地でパフォーマンスを行ってきたザ・ガスランプ・キラーのすべてを反映した音楽プロジェクトだと言える。ゴンジャスフィ、エイドリアン・ヤング、ディムライト、デイデラス、 サムアイアム、シゲト、ミゲル・アトウッド・ファーガソン、コンピューター・ジェイなど多彩なゲストがこのプロジェクトを支えている。ちなみ に、ギタリストでタンブールの名手でもあるAmir Yaghmai をフィーチャーした「Nissim」のタイトルは、ガスランプ・キラーの祖父の名前に由来している。
GASLAMP KILLER / ガスランプ・キラー