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■2011年再プレス・リリース■
ブラジル注目ピアニスト、FABIO CARAMURUがアントニオ・カルロス・ジョビン楽曲に挑んだ完全ピアノ・ソロ作品。星の数ほど存在するジョビン・トリビュート盤の中でも、特筆すべき作品のひとつに仕上がった。なぜその存在が際立つかと言えば、それはまさに何もしていないということに尽きる。何もしていないというのは少々語弊があるが、ありがちなテーマの崩しや別解釈、プレイヤー自体の押し付けがましい個性を一切感じさせず、とにかく原曲の素晴らしさだけを伝えてくれる無駄のなさが本当に素晴らしい。とはいえ、全く個性がないということもない訳で、控えめながらプレイヤーとしての詩情を感じさせてくれる辺りが心憎い。2枚組/全28曲というボリューム感もさることながら、何だかんだ言ってもやはり「良い曲だなぁ」と思わせてくれる気軽さも魅力的。深夜のBGMとしても機能してしまう懐の深さを持った久しくなかったピアノ・ソロ好演盤。
FABIO CARAMURU / ファビオ・カラムル