WAGNER: "DER FLIEGENDE HOLLANDER" (SACD) / ワーグナー: 歌劇「さまよえるオランダ人」 (SACD)

KARL BOHM カール・ベーム

限定生産 / SACDハイブリッド盤 2枚組

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レーベル
エソテリック (ESOTERIC)
国(Country)
JPN
フォーマット
SACD
組数
2
規格番号
ESSG90229
通販番号
CL-1008177314
発売日
2020年09月15日
EAN
4907034223466
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商品詳細情報

ESOTERIC特約店のみの限定販売

限定生産・SACDハイブリッド盤
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※制作元完売の際は何卒ご容赦ください。

極限の凝集力で一気呵成に聴かせる緊迫感溢れる《オランダ人》
約30年ぶりのリマスターが日本で実現。


■エソテリックならではのこだわりの Super Audio CDハイブリッド・ソフト
オリジナル・マスター・サウンドへの飽くことなきこだわりと、Super Audio CD ハイブリッド化による圧倒的な音質向上で高い評価をいただいているエソテリックによる名盤復刻シリーズ。発売以来決定的名 盤と評価され、現代にいたるまで、カタログから消えたことのない名盤をオリジナル・マスターから DSD マスタリングし、世界初の Super Audio CD ハイブリッド化を実現してきました。オペラ全曲盤は今や当シリーズの目玉であり、ワーグナー作品ではショルティの《ニーベルングの指環》全曲盤のハイブリッド化が空前の話題となり、さらにカルロス・クライバーの《トリスタンとイゾルデ》でも大きな成果をあげてまいりました。今回は、レコード芸術の一つの極みともいうべきバイロイト音楽祭での実況録音の中から、 カール・ベーム指揮による 1971年の《さまよえるオランダ人》を、世界初 Super Audio CD ハイブリッド 化で再発売いたします。この名盤が日本盤として発売されるのは 1992年以来約 30年ぶりとなります。

■LP 時代になって克明に記録されるようになったバイロイト音楽祭のライヴ 
ワーグナー自身が 1876 年に開設したバイロイト音楽祭は、その後の歴史を通じてワーグナー作品の オーセンティックかつ理想的な上演場所としての地位を確立し、毎夏の音楽祭には世界中から熱狂的なワグネリアンが集うメッカとなりました。その時代の最高の演奏家を集めての上演のようすをレコードとして記録する試みはすでに20世紀初頭のアコースティック時代から音楽祭に出演した歌手のピアノ伴 奏によるアリアの録音として試みられ、電気録音の時代になると 1927年の《パルジファル》を皮切りにかなり長めの抜粋録音さえ行われるようになりました。しかしバイロイト音楽祭での上演が全曲録音という形で実現するのは第2次大戦後、1951年に音楽祭が再開されてからのことで、ちょうど実用化された ばかりの LPというメディアによって長時間収録・再生が家庭で可能となった技術革新も追い風となりました。1950 年代はデッカと EMI というイギリス資本のレコード会社が口火をつけ、1960年代に入るとオランダのフィリップスがそれに加わり、続々とバイロイトでのライヴ録音によるオペラの全曲盤が発売さ れるようになりました。地元ドイツを代表するレコード会社であるドイツ・グラモフォンがバイロイト音楽祭 のライヴ録音を行ったのは 1966年、カール・ベーム指揮の《トリスタンとイゾルデ》でのことでした。

■熟達したワーグナー指揮者としてのカール・ベーム 
カール・ベーム(1894-1981)は 1917年のグラーツ市立歌劇場でのデビュー以来、現場たたき上げの 筋金入りのオペラ指揮者としてドイツ各地の歌劇場を渡り歩き、1934年からはドレスデン国立歌劇場、 1943 年からはウィーン国立歌劇場の音楽監督として、特にモーツァルトと R.シュトラウスのオペラの名 解釈者としてその名を馳せていました。20世紀後半の演奏思潮の根幹を形作ることになる、私情を排 した客観的かつザハリッヒな音楽づくりをモットーとしたベームの芸風はモーツァルト作品にうってつけでしたが、その明晰かつ明解な音楽性に、第 2 次大戦後のバイロイト音楽祭で戦前のロマンティックな スタイルとは袂を分かった新たなワーグナー上演を推進してきたヴィーラント・ワーグナー(1917-1966)が惚れ込み、ようやくベームが68歳の1962年の《トリスタンとイゾルデ》の新演出でバイロイト音楽祭へ のデビューが実現したのでした。

■バイロイト音楽祭での空前の芸術的な成果
バイロイトでベームは、ヴィーラントの全幅の信頼のもと、1962年の《トリスタン》を皮切りに、1963 年の ワーグナー生誕 150 周年における《ニュルンベルクのマイスタージンガー》、1965年の《ニーベルング の指環》など、ヴィーラント晩年の最も重要な新演出を委ねられることになります。実際、ベームがデ ビューしてからヴィーラント・ワーグナーが世を去るまでの数年間は、バイロイト音楽祭の 1世紀にわた る歴史の上でもその上演が芸術的に最も高度の完成と密度を持ちえた時期だった、といっても差し支 えないほどの評価を得たのでした。この時期はベームにとっても心技体が最も充実し、欧米でオペラと コンサート両面で展開していた旺盛な演奏活動と重なり、その成果として、専属契約を結んでいたドイ ツ・グラモフォンからもベルリン・フィルとのモーツァルト交響曲全集、モーツァルトやシュトラウスのオペラ全曲盤の名演が続々と発売され、レコーディング・アーティストとしての名声が一気に高まっていた時期でもありました(当シリーズでもモーツァルトの交響曲集や《フィガロの結婚》を発売してまいりまし た)。

■ベームの個性が貫かれた「オランダ人」
1971年の《さまよえるオランダ人》は、そうした絶頂期のベームがバイロイト音楽祭に最後に出演した年のライヴ録音で、モーツァルト演奏 の理想とされた圧倒的な明晰さ、茫漠さとは無 縁の引き締まったソリッドなサウンド、全曲に漲 る恐ろしいほどの緊張度の高さ、感情を解放 するのではなく一瞬一瞬の響きの中に製錬し 凝縮していく手法など、いわば 19 世紀末以来 20 世紀前半に引き継がれてきたロマンティックで鷹揚なワーグナー上演に背を向けたベーム 独自の様式があらゆる面で理想的な形で結実 した稀有な記録といえましょう。既にカラヤンの 《指環》上演と録音でヴォータンやグンターを 担いワーグナー歌手としての名声を確立していたトマス・スチュアート(1928-2006)、ヨーゼフ・グラインドルの跡を継いでワーグナーのバスの諸役を一手に引き受けていたカール・リッダーブッシュ(1932-1997)、ドラマティックな役柄に比重を移し始めていたギネス・ジョーンズ(1936年生まれ)など、歌手陣も 1960年代から世界的な活動を始めバイロイトの常連でもあった、当時の理想的な布陣であり、ワーグナーの音楽語法を知り尽くしたバイロイトのオーケストラ、名匠ヴィルヘルム・ ピッツ(1897-1973)に鍛え抜かれた圧倒的なコーラスもぞれぞれがもう一つの主役ともいえるほどの存 在感を打ち出しています。

■バイロイト祝祭劇場独特の音響効果を捉えたドイツ・グラモフォン
バイロイト祝祭劇場は、観客を舞台に集中させることを目的としてオーケストラ・ピットを蓋で覆い舞台の下にすり鉢状に奏者のスペースを展開させ、さらに舞台上の歌手や合唱とピット内のオーケストラの サウンドをブレンドさせる独特の音響効果で知られ、通常のオペラ劇場での録音以上の困難さを突き 付けてくる録音場所でもあります。蓋のあるピット内に設置した近接マイクで収録するしかないオーケストラ(しかも第1ヴァイオリンが通常とは逆のステレオ・パースペクティヴの中で右に配置)と、舞台上の 歌手と合唱団をどのようなバランスでミキシングし、響きや残響感の差異を調整し違和感をなくすことが 出来るか、歌声の明晰さをどこまで捉えられるか、木製のステージ上での歌手や合唱団が動き回る音 の臨場感を失わずに、しかも音楽の邪魔にならないように収録できるか、などさまざまな課題を克服していく必要があります。ドイツ・グラモフォンは 1971年の《オランダ人》の時点で、1966年の《トリスタン》、 そして(おそらくカラヤン盤との同一レーベル内での競合を避けて1973年になってフィリップス・レーベルから発売されたため、プロデューサー/エンジニアのクレジットが記載されていない)1966~67年の 《指環》、さらに前年の 1970 年の《パルジファル》で収録経験を重ねており、《オランダ人》は前年の《パルジファル》同様に、クラウス・シャイベがエンジニアリングを担当することで、こうした課題に対しての理
想的な回答を出しています。ベームの作り出す硬質なサウンドの特徴や、オーケストラの各パートや歌 唱の明晰さをとらえながらも全体のサウンドの一体感やスケールの大きさを失わない音場感が自然に 再現されています。ステージ上の動きも 1960 年代初頭のフィリップス録音ほどには左右の広がりを強 調せず、第3幕のオフステージから聴こえてくるオランダ人の船の合唱と舞台上の合唱との遠近感もごく自然に対比されています。

■最高の状態での Super Audio CD ハイブリッド化が実現
これだけの名盤にもかかわらず、この録音が CD化されたのは1992年になってからのことで、今回は それ以来初めての、ほぼ 30年ぶりのニュー・リマスタリングとなります。今回の Super Audio CDハイブ リッド化に当たっては、これまで同様、使用するマスターテープの選定から、最終的な DSDマスタリン グの行程に至るまで、妥協を排した作業が行われています。特に DSDマスタリングにあたっては、DAコンバーターとルビジウムクロックジェネレーターとに、入念に調整された ESOTERICの最高級機材を投入、また MEXCELケーブルを惜しげもなく使用することで、オリジナル・マスターの持つ情報を余すところなくディスク化することができました。 (エソテリック株式会社)


《オランダ人》の歌手たち
(上段左から、K.リッダーブッシュ、G.ジョーンズ、H.エッサー、下段左から、S.ワーグナー、H.エク、T.スチュアート)

【収録内容】
リヒャルト・ワーグナー:歌劇《さまよえるオランダ人》(全曲)
3幕のロマンティック・オペラ (この演奏では全曲を通して演奏する版が使われている)
台本:作曲者

【出演者、演奏者】
ダーラント(ノルウェーの船長)  カール・リッダーブッシュ(バス)
ゼンタ(ダーラントの娘)  ギネス・ジョーンズ(ソプラノ)
エリック(猟師)   ヘルミン・エッサー(テノール)
マリー(ゼンタの乳母)   ジークリンデ・ワーグナー(メッゾ・ソプラノ)
舵取り    ハラルト・エク(テノール)
オランダ人   トマス・スチュアート(バリトン)
バイロイト祝祭合唱団  (合唱指揮:ヴィルヘルム・ピッツ、ヘルムート・フェルマー)
バイロイト祝祭管弦楽団
指揮:カール・ベーム
演出:アウグスト・エヴァーディング

[トラックリスト] 
[DISC 1]
1. 序曲 第 1 幕 第 1 場 第 1 番 導入部
2. 「ホヨヘ! ハロホ! ハロヨ! ホ!」[水夫たち、ダーラント、舵手]
3. 「間違いない、あらしは安全な港から」[ダーラント、舵手]
4. 「遠い海から嵐とともに」[舵手] 第 2 場
5. 第 2 番 レチタティーヴォとアリア 「期限は切れた~憧れの心もて海の淵に」(オランダ人のモノローグ) [オランダ人、オランダ船の水夫たち] 第 3 場 第 3 番 シェーナ、二重唱と合唱
6. 「おーい! 舵手君!」[ダーラント、舵手、オランダ人]
7. 「嵐と悪しき風に追われ」[オランダ人、ダーラント]
8. 「南風だ! 南風だ!」[舵手、水夫たち、ダーラント、オランダ人]
9. 「遠い海から嵐とともに」[水夫たち]  第 2 幕 第 1 場
10. 導入部 第 4 番 リート、シェーナ、バラードと合唱
11. 「ブーンブン、かわいい車よ」(糸紡ぎの合唱)[娘たち、マリー]
12. 「ヨホホエ! ~帆が血のように赤く帆柱の真っ黒な船に」(ゼンタのバラード)[ゼンタ、娘たち、マリー] 
13. 「ゼンタ! ゼンタ! 私を破滅させようとするのか?」[エリック、娘たち、マリー、ゼンタ] 第 2 場 第 5 番 二重唱 14. 「ゼンタ、待って! ちょっとだけ話があるのだ!」[エリック、ゼンタ] 
15. 「私の心は死ぬまであなたのもの」[エリック、ゼンタ] 

[DISC 2]
1. 「彼が私を見おろすまなざしの」 [ゼンタ、エリック] 
2. 「私は高い岩の上に夢みつつ身を横たえ」 [エリック、ゼンタ]  第 3 場 第 6 番[フィナーレ]
3. 「娘よ、私が敷居のところに立っているのを見ながら…」[ダーラント、ゼンタ] 
4. 「娘よ、この見知らぬ方を歓迎しておくれ」[ダーラント]
5. 「遠く忘れられた古い時代の中から話しかけるように」[オランダ人、ゼンタ] 
6. 「お父上の選択にご不満でしょうか?」[オランダ人、ゼンタ] 
7. 「ごめんなさいよ! 外にいる人たちはもう待っていられないんで」[ダーラント、ゼンタ、オランダ人]  第 3 幕
8. 導入部(間奏曲)  第 1 場 第 7 番 合唱とアンサンブル
9. 「舵手よ、見張りをやめよ!」[ノルウェーの水夫たち、娘たち] 
10. 「ヨホホエ! ヨホホエ! ホエ! ホエ!」[オランダ船の水夫たち、ノルウェーの水夫たち、舵手]  第 2 場 第 8 番 フィナーレ
11. 「私は何を聞かなければならぬのか」[エリック、ゼンタ] 
12. 「忘れてしまったのだろうか」(エリックのカヴァティーネ)[エリック] 
13. 「ああ!もはや終わりだ!救済は永遠に失われた!」[オランダ人、エリック、ゼンタ] 
14. 「あなたから私が遠ざけていた運命を知るがいい!」[オランダ人、エリック、ゼンタ、ダーラント、マリー、合 唱、オランダ船の水夫たち] 

【録音】
1971年、バイロイト祝祭劇場(バイロイト音楽祭でのライヴ・レコーディング)

[初出]
2740 140/2720 052 (1972年)
[日本盤初出]
MG9641~3 (1972年12月)

[オリジナル・レコーディング]
[エクゼクティヴ・プロデューサー]Dr.ハンス・ヒルシュ、Dr. エレン・ヒックマン
[レコーディング・プロデューサー]ヴォルフガング・ローゼ
[レコーディング・エンジニア]クラウス・シャイベ

[Super Audio CD プロデューサー]大間知基彰(エソテリック株式会社)
[Super Audio CD リマスタリング・エンジニア] 東野真哉(JVC マスタリングセンター(代官山スタジオ))
[オーサリング] 藤田厚夫(有限会社エフ)
[解説] 諸石幸生 髙﨑保男
[企画・販売] エソテリック株式会社 [企画・協力] 東京電化株式会社