「姐御」の文化史

伊藤春奈

幕末から近代まで教科書が教えない女性史

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レーベル
DU BOOKS
国(Country)
JPN
フォーマット
BOOK
規格番号
DUBK253
通販番号
DUBK253
発売日
2019年09月20日
EAN
9784866471037
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商品詳細情報

時代劇とフェミニズム!?
「啖呵(タンカ)」を武器にホモソな社会と闘った姐御は、
日本の伝統的なフェミニスト!?




・「毎日新聞」(2020.2.9)山内マリコさんが「今週の本棚」にて『「姐御」の文化史』を紹介くださいました!
・「
しんぶん赤旗」(2020.1.19)に『「姐御」の文化史』の書評が掲載されました!
・近藤真弥さんの「2019年ベスト・ブック10」に、『「姐御」の文化史』がラインクイン!
・「西日本新聞」(2019.11.30)にて紹介されました!
・「日刊ゲンダイ」(2019.11.28)に著者・伊藤春奈さんのインタビューが掲載されました!
・「東京新聞」「中日新聞」(2019.11.17)にて紹介されました!評者は栗原裕一郎さんです。

「週刊朝日」(11月29日号)に書評が掲載されました!評者は斎藤美奈子さんです。
・TBSラジオ「アフター6ジャンクション」11/12(火)20:00~「日本の強くてかっこいい女性たち「ANEGO」をなめたらいかんぜよ!」特集に著者、伊藤真奈さんが出演!
日刊ゲンダイにて柚木麻子さんが紹介してくださいました!
・GQ JAPANの野中モモさんの連載「
モダン・ウーマンをさがして」にて紹介されました!
・「
映画ナタリー」にて紹介されました!

日本のお家芸「異性装」、近松作品から続く「シスターフッド文化」など。
時代劇(股旅モノ)、やくざ映画を、史実と、フェミニズム視点で読み解く。
 

女子にも爽快、時代劇、任侠映画、股旅入門!
モデルとなった実在の姐御、姐御女優、女実業家たちの数奇な人生とは?
 

フィクションと史実をもとに、かっこいい姐御像を探る刺激的な1冊。
 

<おもな内容>
・ワンダーウーマン、キャプテン・マーベルにも影響を与えた? 日本の「ANEGO」とは?
・日本のお家芸「異性装」(男女逆転劇)がもたらした解放感
・近松作品から続く、日本の「シスターフッド文化」
・モデルとなった実在の姐御、姐御女優、姐御実業家たちの数奇な人生
・いまこそ観るべき「やくざ映画」「股旅もの」
・「男らしさ」を否定した戦前の人情作家・長谷川伸から、フェミニスト監督・加藤泰のすごさ
・日本にも、かっこいい女たちの生き様があった!
・ユニセックスを売りにした美空ひばりの魅力
・明治の「良妻賢母」教育が諸悪の根源? …etc.


<目次>
1章 江戸っ子が好んだ粋な姐さんスタイル
お侠きゃんな江戸娘/「男言葉」を話した町娘/おきゃんの進化系「あだ」、おきゃん前の「おちゃっぴい」/元祖クールビューティ/江戸のボーイッシュな姐御芸者/男名を名乗った「羽織芸者」/「新しい女」の時代まで受け継がれていた深川カルチャー/恋を貫いたかっこいい花魁、揚巻の人気/「お前の顔見ることもいやじゃぞえ!!!」/「結婚」を蹴散らした女侠客/200年を越える姐御スター、小万/近松作品のシスターフッド/「恋愛イコール死」という心中もの/妻と愛人のシスターフッド/自分の本心を大事にした女たち/「女の啖呵」はなぜ特別?
 

2章 幕末・明治を生きた姐御たち
幕末「毒婦」「悪女」ブーム来る!/性的魅力を断罪された女たち/悪女ブームの到達点、女豪傑たちの『傾城水滸伝』/江戸の女子が憧れた、強くて新しい女とは?/キャリアウーマンを排除する儒教の教え/都合のよい女性啓発本ブーム「悪女」の誕生と「良妻賢母」への道/幕末の女性はキャリアウーマンになれた/カネを手にして「かかあ天下」に/離婚の自由をもぎとる/幕末マインドが生んだ姐御たち/「ぐうたら」な町娘/「あねご」と呼ばれた火消の妻/孝行娘から不良娘へ/幕末版「女教」のススメと三味線道/江戸の女教師/「家事と裁縫」より「踊りと三味線」!/歴史の表舞台に登場した勤王芸者/国家に「評価」された芸者たち/見えづらくされた幕末芸者の素顔/「やまとなでしこ」の誕生/「数百年来の女権を一日で消滅させた」/「純潔」思想はどこから来た?/福沢諭吉が「人外人」として差別した「芸娼妓」/幕末映画の姐御たち/男性がつくり上げた「男を見守る」姐御像/最初の妻の名を名乗らせた親分/かっこいい3代目お蝶に学ぶ処世術/本当に強かったのは誰だ?/「母性型」と「姉貴型」の姐御/拳銃をぶっ放す姐御の元祖/不況の時代に受けたハードな姐御/岡っ引きを罵って自害させた女/お金と教養は姐御の必要条件?/男子として育った姐御女優、伏見直江/熱血女郎・お仙/男に全力で惚れ、全力で怒ることができる女/姐御・伏見直江が行った「娼妓解放」/「股旅」というジャンルにみる流れる女たち/女性の世界をフェアに描いた長谷川伸という作家/女性の生もフェアに伝える加藤泰作品/股旅芸者はアウトロー/幕末時代劇の女性像を壊した『炎のごとく』/女旅芸人の攻めの人生/「男らしさ」を否定した時代劇があった!/明治男児の女性観を笑う「お龍」/良妻賢母から外れて/「わるもの」を平手打ち/志士たちが嫌ったお龍という存在
 

3章 男女逆転劇と女伊達のスターたち
日本では千年の歴史をもつ「性の越境」/男装した女性の物語と性の歴史/元祖ガールクラッシュ系文化「宝塚」の誕生/「戦う強い女」の誕生―女剣劇/「女は見た目」の偏見と闘った剣劇女優/女剣スター中野弘子のキャリアにみる姐御像/少年として育った中野弘子/「女(おんな)○○」の呪い/私が私を祝福する/「変身ヒロイン」の元祖、変装時代劇/女版『座頭市』/女性の自己実現でもあった「変身」もの/美空ひばりのジェンダーレスな魅力/異性装は日本のお家芸
 

4章 近代化と肝っ玉姐さん―任侠映画の女性たち
炭坑社会と姐御たち/『花と龍』で描かれる荒っぽい社会/フランスのフェミニストが驚いた「女ごんぞう」/女性を強くした炭鉱/筑豊炭田と船頭の社会/『花と龍』に共鳴したフェミニスト監督/博徒で彫り師の姐御/半世紀前に描かれた「未来の女性」/「結婚は早い、遅いじゃないとです」/家父長制を嫌悪した作家〓火野葦平/鉄橋をつくった親分「どてら婆さん」/「親方」「顔役」と呼ばれた女/スゴ腕の姐御を持て余した映画人たち/男社会でのし上がった横綱級の姐御/姐御とは「新しい女」だった/男社会にあえて適応しなかった姐御/歴史に埋もれたトランスジェンダー/勝新太郎をメッタ打ちにする「女親分」/女学校を出て、放浪して、瀬戸内海のクイーンに/起業して数百人の「子分」を抱える/シルクハットの女親分/「私でも女の役は一通りした」/ジェンダーロールを超えて自分のままで生きる
 

5章 性の越境とシスターフッド
スター姐御、お竜参上/ホンモノの姐さんをモデルにキャラクターをつくる/「私は今日から男になっとよ」/「女を救う女」を描いた意味/日本の女性史を背負う姐御/小物で見せる性の越境/「あなたの体と心はあなたのもの」というエール/「肥後猛婦」と呼ばれた熊本の女たち/明治女、DV夫を見限る/「女の恋愛」を断罪した著名ジャーナリスト/「世間並み、この言葉、呪われてあれ」/近代ムラ社会と母娘の「絆」/女による女叩きがある社会を描く『女渡世人 おたの申します』/「家の女」に救いはあるか/「馬賊」「侠客」と呼ばれた姐御芸者/炭鉱社会で暴れた芸者たち/「お前たちはまるで馬賊だ」/孤独な姐御から連帯の時代へ/成金オヤジVS姉妹芸者/男の虚栄に利用されたくない女/芸能事務所のワンマン経営者に対する、120年前のシスターフッド/助け合って生きていく/「古い日本のモラル」を飛び越えた女馬賊/女性も憧れた馬賊/満州モダンガールへの憧れ
 

姐御たちのゆくえ―おわりに

関連年表
参考文献
索引

装画:小村雪岱
ブックデザイン:川畑あずさ


*本書は電子書籍でも配信しております。