最近では新バンド"ダブ・セクステット"の快進撃も記憶に新しい、日本ジャズ界で異彩を放ち続ける鬼才・菊地成孔と、菊地とは長い間パートナーでもあるピアニスト南博のデュオアルバムがついに登場！アルバムの半分が1～2分程度の即興で、残り半分はウェイン・ショーターの"FALL"、マイルスの"BLUE IN GREEN"、ビリー・ストレイホーンの"LUSH LIFE"、さらにはバッハやミシェル・ルグランも取り上げるという菊地らしい選曲が光る一枚。南の冷たく響くピアノと菊地の空間へと広がっていくソプラノサックスによる、静寂を感じさせる美しく、ミニマルなサウンド。アルバムタイトルである『花と水』とは松尾芭蕉の提唱した概念（正しくは「花に水）で、「一般的には花が美で、水はその滋養と思われているが、実際は花も水も美であり、滋養である」というもの。このアルバムの特徴を端的に示していると言えるでしょう。
