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2008年前作「SONG FOR CHICO」で、見事グラミー賞ラテン・ジャズ部門に輝き、まさに名実ともにラテン・ジャズ界最高のピアニストへと上り詰めたアルトゥーロ・オ・ファリル。
同じくZOHOからの2009年リリース「RISA NEGRA」は、自身のバック・グラウンドとなっているアフロ・キューバン~ジャズのすべてと、アフリカやインドなど新たなソースを以って作り上げられた、エキサイティングなグルーバル・グルーヴ・ジャズ・アルバムとして登場。
研ぎ澄まされたタッチのイントロのピアノ・ソロから、突如熱く跳ね上がるスタイリッシュなマンボ・ジャズM1、アルトゥーロのローズ・ピアノとファンキーなリズムが迫りくるナンバーM2、トリッキー&ブルージーなテクニカル・ラテン・セッションM3あたりまでの流れで、その躍動も最高潮。ディープなミディアム・ナンバーM4、スピーディな6/8のリズムで各パートが流麗にソロを回すM5、4ビートとアフロ・パーカッションの土台で絶妙な抑揚を煽るM6、ヴァイオリンをフィーチュアし、キューバン・チャランガ・ミーツ・ジャズをアーティスティックに表現したM7、タブラ名手バダル・ロイをフィーチュアし、インド古典サウンド・ミーツ・ラテンが荘厳かつ奔放なインプロを引き出すM8・・・と、中盤では曲ごとに多彩な表現を打ち出したドラマティックな演出。ソリッドなワルツ・ジャズM9、そして祭りの後、アルトゥーロが静かに主張するピアノで締めくくられる。
ARTURO O'FARRILL / アルトゥーロ・オファリル