4,180円(税込)
※5,000円(税込)以上買うと送料無料!新品でも中古品でもOK!
世界中のダブ・ファンが夢にまで見た伝説のダブ・アルバム、『Dub I』。絶望的なまでの美しさと渋さを誇る究極のルーツ・ダブ最高傑作アルバムにして、オリジナル盤は1,000$オーバーのウルトラ・レア盤がPressure Soundsから衝撃の復刻!!!
今回のPressure Soundsの再発は世界中のダブ・ファンにとって今年、最も衝撃的かつ決定的なリリースになる事は間違いない。夢にまで見た、は大袈裟ではない。本気でダブを求め、そして妄想の中を彷徨っているような者ならば、誰でもこのアルバムの復刻を夢見たはずだ。70年代、伝説のアンダーグラウンド・ルーツ・プロデューサー、Jimmy Radwayによる「Fe Me Time」レーベルの強烈なルーツ・チューンをErrol Thompsonがダブ・ミックスをした伝説のルーツ・ダブの最高傑作。
まずはこのダブ・アルバムの主人公であるJimmy Radwayについて説明しよう。
Ivan Lloyd ‘Jimmy’ RadwayことJimmy Radwayは70年代のジャマイカのアンダーグラウンド・ルーツ・プロデューサーであり、自身のレーベル「Fe Me Time」レーベルからリリースした、マイナーだが輝かしいほどの魅力を放つトップ・ルーツの数々は今も語り継がれる所である。インディペンデントでジャマイカ国内の活動に根ざしたために、国際的な評価は得られず、またシングル中心のリリースだったため今日も一部のコアなルーツ・ファンを除けばその名は知られていないのかもしれない。が、頑なまでに自身のサウンドに拘り、孤立無援のトップ・ルーツを残した功績はある意味ではGlen Brownと重なる所かもしれない。
若い頃は室内装飾業者として生計を立てていたJimmy Radwayは62年にStudio OneのCoxsone DoddがBrentford Roadに開いた「The End」というクラブの室内装飾の仕事の際に、Skatalitesの音楽にまじかで触れる事になる。ちなみにこの経験が後のJimmy Radwayの音楽性に大きな影響を及ぼす事になるのだが・・・。
「Fe Me Time」レーベルは1972年にJimmy Radway本人により設立されたレーベルで、レーベルの第一弾として発表されたのが、あのErrol Dunkleyの”Black Cinderella”。イントロのフィル・イン一発でそれがCarlton Barrettのドラムであることが分かる硬いドラミングと、Family Manによる絡みつくような重いベース・・・つまりWailers Bandによる最強のリズム隊をバックに、さらにVin Gordonによる強烈な渋さを誇るトロンボーンが印象的なこのルーツ・チューンは、そのあまりの出来の良さゆえにJBC、RJRの両ジャマイカのラジオ局でNo.1の座についた。この曲はアーリー・ルーツの珠玉の名曲として、後のJah Shaka等のNew Rootsシーンにおいても多大なる影響を与えたとされる1曲である。当時これほどまでの優れた曲を他のアーティストが放っておく訳がなく、Big Youth”The Best Big Youth”、I Roy”Sound Education”、そしてAugustus Pablo”Cinderella In Brack”といったベテラン勢がこのリズムを使い、名ヴァージョンを発表した。
また当時厄介者として他のプロデューサーから警戒されていたLeroy Smartの、そのタフで力強いヴォーカルの魅力(彼のヴォーカルは音痴だが・・・だからこそ強烈にルーツ心をくすぐられる)に気付いていたJimmyは、彼と共に永遠のルーツ・クラシック”Mother Liza”を残す。この曲においてJimmyはトランペットにBobby Ellis、テナー・サックスにDarty Harryを起用し、荘重なファンファーレのような印象的なホーン・リフを作り上げた。このような洗練された(綺麗な、という意味ではない)印象的なホーンは「Fe Me time」レーベルの特徴であり、後にJimmy自身はそれを「Slow Ska」と呼んだ。つまりそれはJimmy Radwayが60年代の初めにCoxsoneのもとでSkatalitesの音楽に触れて受けたであろう衝撃を、ルーツ・ロック・レゲエに落とし込んだものであり、ルーツ・レゲエの根底に「Ska(talites)の血」が流れている事を物語る重要なエピソードであると思う。さらにDesi RootsことDesmond Youngによる”Warning”は「Fe Me Time」レーベルの最高傑作として知られる最強のキラー・ルーツ。イントロのホーンの鳴りに痺れないルーツ・ファンはいないであろう。
今回のこの『Dub I』はその”Warning”による震えるような強烈なダブ・ヴァージョンである”Black Rights Version”から始まる。その他、Errol Dunkley”Black Cinderella”のダブは”Cinderella Version”に、Leroy Smart”Mother Lisa”は”Mother Lisa Version”と言ったように、このアルバムはJimmy Radwayの「Fe Me Time」レーベルのリズムを使用したダブ・アルバム(何故か”Slaving”のダブも収録)である。オリジナル盤は1976~77年の間にジャマイカのMicronから極僅かのみリリースされた、ゆえにこのアルバムを手に入れることは至難であり、だからこそ多くのダブ・ファンにとっては夢のような一枚であった。
このアルバムのもう一人の主人公は惜しくも亡くなってしまったErrol Thompson。Joe Gibbsとのタッグにより「Mighty Two」として活躍し、スタジオ・エンジニアとしてレゲエ・シーンを支えつづけた。このアルバムで聴けるErrol Thompsonのミックスはあまりにも素晴らしい。「Fe Me Time」レーベルのシングルのB面に収録されていたヴァージョンとは明らかに異なる、深みのあるダブ・ミックスを披露し、聞く者を瞑想の世界へと誘うかのようだ。70年代のルーツ・レゲエの中でも最も優れたリズムを手にしたErrol Thompsonの狂喜、そして狂気すら感じられるような本気のミックスは多くのErrol Thompsonのミックスの中でも最上の物であることは聞いていただければ分かるはず。「Fe Me Time」のレーベル・カラーであるイントロのホーンはダブ・ミックスされ美しく宙を舞い、続くWailers Bandによるリズムはどこまでも低く、深く…。
これほどまでに素晴らしいルーツ・ダブに出会えた喜びを多くのレゲエ・ファンにも是非。Jimmy Radwayの強烈に渋く洗練されたホーン・アレンジにWailers Bandによる完璧なドラム&ベース、そしてErrol Thompsonによる素晴らしいダブ・ミックス・・・まるで夢のようなダブ・アルバムで、Yabby You『Prophecy Of Dub』、Keith Hudson『Pick A Dub』、そしてLee Perry『Black Board Jungle』を聞いた時のような感動がこのアルバムには確かに存在します。間違いなく今年最高の、最強のダブ再発、早くも決定!!
※全曲リマスタリングによる素晴らしい音質で蘇る!!ジャケットのアート・ワークはオリジナルのカバー・アートのデザインを使用!!ダブ史上「最もそそられてしまう」あのジャケはそのままです!!
※またCDのみ5曲のボーナス・トラック付き!!「Fe Me time」レーベルの超レアなシングル音源などを収録!!『Dub I』に収録の曲のDJ Versionや、渋いホーン・カットなど。こちらも見逃せません!!
JIMMY RADWAY / ジミー・ラドウェイ