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KANYE WEST衝撃のデビューアルバム2LP盤!!
本作『College Drop Out』は、(ファレルではない方の)人気絶頂のヒップ・ホップ・プロデューサーによるデビュー・アルバム。その内容は想像を絶するものだ。ビートに乗り ながらタブーとされる話題に触れていくウェストの物言いは、ギョッとするほど残酷だが、同時に度胸のよさを感じさせる。
とどまるところを知らないビートは、ウェストがアリシア・キーズ(「You Don't Know My Name」)やタリブ・クウェリ(「Get By」)のモンスター・シングルを手がけてきたことを考えれば、驚くにはあたらない。ここで注目すべきなのは、ウェストの描く世界だ。ストリッパー、神、 大学生活、銃についてのライムが、反発し合うことなく整然と共存しているのだ。「Breathe in Breathe Out」で、ウェストはこうラップしている――“俺はモスとクウェリに謝らなきゃならない/黄金についてラップするのがクールか?/その黄金は俺がガーナ やマリから盗んだものだと世界に公表したとしても?(I gotta apologise to Mos and Kweli / Is it cool to rap about gold if I told the world I copped it from Ghana and Mali)”。実に見上げた皮肉屋ぶりと言うべきだろう。
キャッチーな「Through the Wire」は、フックで登場するチャカ・カーンが印象的。ウェストの吐き出すリズムは完ぺきだが、命を落としかねなかった自動車事故の後でレコーディング されたため、あごにワイヤーが巻かれていたのか、口がうまく動いていない。たぶん、「All Falls Down」で彼のリリックが一気に加速する理由も、この死にかけた経験にあるのだろう。ただし、ここでの皮肉はリスナーが納得できる範囲のものに抑えられ ており、過剰教育を受けた最下層階級をからかう程度。ウェストが最下層の人々から“盗む”ことは滅多にないのだ。
ジェイ・Z、コモン、モス・デフ、ハーレム少年合唱団という驚きのゲスト陣に加え、トゥイスタをフィーチャーした今年最高にゴキゲンなクラブ・ チューン「Slow Jamz」も登場。そんな『College Drop Out』は、強烈で矛盾に満ちたアルバムだ。ラップという音楽が限界まで複雑化したものと言えるだろう。
KANYE WEST (Ye) / カニエ・ウェスト (イェ)