【OLD ROCK】まだあった! PETER IVERSの極上未発表デモ音源集『僕がピーター・アイヴァースになるまで』

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2019.09.20

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ディスクユニオン OLD ROCK


まだあった! カルト・シンガー・ソングライター最高峰PETER IVERSの未発表デモ音源集がCDリリース!

70年代半ばから後半にかけてロサンゼルスで書かれた驚愕のアーカイヴァル・レコーディングスがまさかの発掘音盤化。

5年もの歳月がかけられた500本以上に及ぶテープの山の調査探求の果てにようやく完成に至ったというファン垂涎の秘蔵コレクション。IVERS自身が書き残したように、「デモは多くの場合、レコードよりも優れている」かもしれない奇跡的な録音が詰まっています。「よりエネルギッシュで、よりソウルフルで、よりガッツがあるんだ。」

ロサンゼルスはローレルキャニオンの自宅やハリウッドのスタジオでカセットやオープン・リール・テープに吹き込まれたリハーサル・セッションやデモ音源の数々は、74年『TERMINAL LOVE』~76年『PETER IVERS』期の貴重音源。"ALPHA CENTAURI"、"EIGHTEEN AND DREAMING"といった長年に亘って彼の作品で繰り返されたトラックはもちろんのこと、CARLY SIMONとのデュエットに結実する"PETER"や、DAVID LYNCHとの"IN HEAVEN"、VAN DYKE PARKSとの"WINDOW WASHER"、78年自伝的ミュージカル「NIRVANA CUBA」用の"NIRVANA CUBA WALTZ"、初出かもしれない"TAKE YOUR CHANCES WITH ME"や"CONFERENCE CALL AT FOUR"、"MY DESIRE"、"THE NIGHT YOU DIDN'T COME"、"AIN'T THAT A KICK"などなどなど、ピアノ、ドラム・マシーン、ハーモニカ、そしてむき出しのヴォーカルによるシンプルなサウンドで彼本来の奇異なポップ性が浮かび上がる全25トラックを収録しています。まさしくプライヴェートな瞬間を捉え「PETER IVERSになるということ」が丁寧に解き明かされていくファン必携盤です。



ハーバード大学を卒業しながらハーモニカ・プレイヤーとしてキャリアをスタート。在学中にブルース・レジェンドLITTLE WALTERとジャズ・チェリスト/ベーシストBUELL NEIDLINGERに師事し、68年にはMUDDY WATERSをして「生きている中で最も偉大なハープ・プレイヤー」と言わしめた彼は、ソングライターとしてもサイケ、アシッド・フォーク、ブルース、ジャズはもちろんのこと、シンセ・ポップにエレクトロ、ディスコ、ニュー・ウェーヴ、レゲエ、ソウル、アヴァンギャルド、サントラETC ETCと軽々とジャンルを横断。フリーキーでポップな個性と淫靡でストレンジなメロディ・センス、そして類まれなるそのハイトーン・ヴォイスを武器に、縦横無尽にそのすべてを串刺しに繋ぎ合わせることに成功した不世出の異能シンガー・ソングライターPETER IVERS。

職業作曲家としてはPOINTER SISTERSやDIANA ROSS、笠井紀美子らへの楽曲提供、さらには77年デヴィッド・リンチの長篇映画デビュー作にしてカルト映画の代名詞的傑作「ERASERHEAD」の楽曲製作をリンチに依頼され、のちにDEVOやBAUHAUS、TUXEDOMOON、PIXIESら多くの後進に取り上げられることになる"IN HEAVEN (THE LADY IN THE RADIATOR SONG)"を提供、またANGRY SAMOANSやDEAD KENNEDYSらをいち早く取り上げ80年代LAローカルの伝説のテレビ番組となったエクスペリメンタルなミュージック・ショウ「NEW WAVE THEATRE」のホスト役を務め新世代のバンドを紹介し続けたことでも知られていますが、本筋のシンガー・ソングライター稼業ではメインストリームでの成功を得ることなく、カルトな立ち位置に甘んじたまま83年に非業の最期を遂げています。

スリランカのジャズ・ディーヴァとのPETER IVERS' BAND WITH YOLANDE BAVAN名義で残したEPICからの69年1STアルバム『KNIGHT OF THE BLUE COMMUNION』を経て、VAN DYKE PARKSとLENNY WARONKERから10万ドルの契約金を提示されWARNER BROS. RECORDSへと移籍。そこでVAN DYKEと残したTHE PETER PETER IVERS BAND名義の74年2ND『TERMINAL LOVE』、ソロ名義となった76年3RD『PETER IVERS』、死後85年の追悼盤『NIRVANA PETER』の各作品は、今やカルト名盤としてJIM O'ROURKEや坂本慎太郎もファンを公言するなど多大なる影響を与え続けています。