さて気になる内容だが、マイルス・デイヴィスの『LIVE EVIL』に参加&曲提供、1974年には名作『A MUSICA LIVRE DE HERMETO PASCOAL』をリリースした後の1976年、トロピカリアの仕掛け人としても知られる名作編曲家ホジェーリオ・ドゥプラが所有していたサンパウロのヴァイス・ヴェルサ・スタジオにて行ったという2日間のセッションを収めたものである。当時すでに独自の音楽性を確立していたエルメートではあるが、今よりもその音楽はさらに混沌としていた時期であり、80年代に入るとイチベレなど自身のパーマネントなグループを結成し「BEBE」に並ぶ美しいメロディの楽曲群「SAO JOAO」「MUSICA DAS NUVENS E DO CHAO」といった今日に至るまでカバーされ続ける名曲を世に送り出すなど、より多彩な音楽性を花開かせようとしていた時期でもある。本作で行われた何時間にも渡る濃密なノンストップ・セッションが、構築するこれまでの作曲術ではなく、より有機的かつ即興的に音を作っていくエルメート特有の作曲に大きな影響を与えたのだと言う。
Credits: Hermeto Pascoal : Electric Piano, Flute, Voice Lelo Nazario : Electric Piano Nivaldo Ornelas : Tenor Sax, Flute Mauro Senise : Saxophones, Flute Raul Mascarenhas : Saxophones, Flute Toninho Horta : Guitar Zeca Assumpção : Bass Zé Eduardo Nazario : Drums, Percussion, Voice, Bamboo Harmonic Flute solo on "Natal" Aleuda Chaves : Vocals
Produced by Hermeto Pascoal Recorded at Vice-Versa Studio, São Paulo Engineered by Renato Viola Mixed by Hermeto Pascoal, Lelo Nazario, Zé Eduardo Mastered by Pete Norman at Finyl Tweek