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70年代プログレッシブ・ロックの他ジャズやクラシック音楽など幅広いジャンルから触発されたというサウンドを奏でる、THE WATCHのドラマーMarco Fabbri(drs)も参加するフランス産シンフォニック・ロックバンド:AUDIO'Mによる'16年デビュー作。
ルネサンス/バロック期のヨーロッパで広まった擦弦楽器のヴィオラ・ダ・ガンバとピアノの合奏曲として元々作曲された楽曲をバンドサウンドとボーカルによって肉付けしてゆきプログレのフォーマットに落とし込んだという経緯もあってか、この手の21世紀産シンフォ・バンドとしては珍しくメタル色は皆無で、クラシック由来の複雑な構築美と伸びやかな女性ボーカルを持ち味とした清廉なシンフォニック・ロックとなっています。シンセの他メロトロン/オルガン/ハープシコードなどのビンテージな鍵盤楽器を用いたアレンジや哀愁のギター、加えて前記したヴィオラ・ダ・ガンバやフルートによる室内楽調も交えた、総勢10名による演奏はまるでクラシックのオーケストラを思わせるゴージャスなもの。ポンプ・ロックの亜流、もしくは現代版という聞き方も可能。本作がスタジオ・デビュー作というミュージシャンがほとんどの中でこの完成された世界観は素晴らしいとしか言いようのない力作です!
AUDIO'M