隠れた北欧メロディック・ロックの名盤となった前作『WORDS』から時を経て、前作以上に同時代的なシンセ・ポップ~ニュー・ウェイヴ・サウンドへと接近した音像となっております。冒頭の表題曲を筆頭に、エレクトリック・ドラムによる軽快なビート、硬質な響きのベース、どことなくユーモラスな男声コーラスなどが大きく取り上げられた楽曲は前作の印象とは少し外れた内容ですが、一方で前作の抒情性を引き継いだ場面も多く聞かれ、'Slander'では切なくもクールなボーカル、そしてピアノとサックスがそこにそっと寄り添い、非常にカンタベリー・ポップらしい世界観が構成されております。またラストの'Lady Of A Lane'は例外的に70年代の時点で既に作曲/録音されていたナンバーであり、ここではフルートもフィーチャーされ、北欧の冷気を伴った前作さながらのメロディック・ロックを伝えております。前作の作風をよりスマートな形で再構築し、往年のブリティッシュ・ロックと80sシンセ・ポップの両面の性格を併せ持った一作といえる、前作と同様メロディック・ロックファン必聴の隠れた逸品です! マスターはレーベルの作品全般を手掛けるエンジニア:Giert Claussenによるオリジナル・マスターテープからの新規リマスタリング音源を使用。
