N.Y.のジャズ・シーンで中心的に活躍する、ブラジル人ミュージシャンによるニュー・ピアノ・トリオ、その名も「ブラジリアン・トリオ」が始動。メンバーは、リード・ピアニストとして知られる名手エリオ・アルヴェス、ブラジル~USから広く支持されるベーシストでセッションも数知れない実力者ニルソン・マッタ、そして、本作のレーベルZOHOからリリースされたリーダー作でも華麗なドラミングと高いアレンジ・ワークで評価されたドゥドゥカ・ダ・フォンセカという、ブラジリアン・ジャズ・ファンが待ち望んだスーパー・トリオ。かのホメロ・ルバンボ率いる「TRIO DA PAZ」から、ギターのホメロと本作のエリオが入れ替わったという布陣でもある。かつて60年代半ばに台頭した、ブラジル産ジャズ・ボサ・ピアノ・トリオの意思を踏襲しつつ、よりスタイリッシュなサウンドへと導く3者の絶妙な交わり。さらに、フレーズの端々にふと漂う、ビル・エヴァンス、トミー・フラナガン、マッコイ・タイナーらの多大な影響。そしてブラジル人の血が圧倒的に支配する緊迫の快走ジャズ・サンバ~メロウ・ボサに至るまで、シンプルさ以上に、多角的に楽しめる極上の作品といえる。ミルトン・ナシメントのカバー#4、10の愛情に加え、メンバーそれぞれの感性が光るオリジナル・レパートリーに凝縮された、コンポーザーとしての才覚ぶりも特筆に価。ブラジル・ジャズ・トリオの歴史に新たな1ページが加わる。