1,466円(税込)
※5,000円(税込)以上買うと送料無料!新品でも中古品でもOK!
デビュー以来、数多くの名曲を発表してきた偉大なるSSWフィト・パエス。2年ぶりとなる新作は、骨太なビートと、ラテンアメリカらしい色彩感に溢れた、ストレートなロック・アルバム。のっけからフィトのエレキ・ギターが炸裂する。フィトの歌声に、昨今のロックが失った色気を感じるミドルテンポの素晴らしいロック・ナンバーである。コンガやキーボードが彩りを添えるM2、ファンクなM3を挟み、再び重厚なロック・ナンバーM4へと展開する見事な前半戦だけでもかなりの満足感。しかし南米のロック・マエストロはそう簡単にリスナーを解放してくれない。続くM5では美しいピアノによる哀愁漂うバラードを聴かせたかと思えば、影のあるサウンドとメロディが胸を締め付けるM6。再び天に昇るような開放感に溢れたM7,8へと、めくるめくポップソングの世界へと誘われる中盤。そしてバラード一曲を挟んでベン・フォールズ5を彷彿させる爽快ピアノ・ロックM10、フィトの歌声が最高にセクシーなバラード・トラックM12へと蝋燭の火が消えるように静かに終焉。この気持ちよさは映画監督も務めるフィトの面目躍如といったところ。やはり他の追随を許さない格別の存在である。
タンゴやフォルクローレ以上に現地の人々を魅了し続ける魔性のカリスマ、フィト・パエスの新作。アルゼンチン・ロック特有の憂いを帯びたサウンドと色香漂う歌声は、日本人の美意識にもどこか通ずるものがあるだろう。耽美なロック好きにもオススメの南米ロック最高の傑作が誕生する。
FITO PAEZ / フィト・パエス