平成最後の名スプリット作品 bacho × lostage 『Hometown』を紐解くインタビューを公開!

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2019.03.08

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発売前から各方面で期待度が高まっていた、bachoとlostageによるスプリット作品『Hometown』。3,000枚限定とされたCDは発売してすぐに各地で売り切れが続出していた。リリース後にそれぞれの地元である奈良と姫路、そして渋谷 CLUB QUATTROで行われたレコ発2マンツアーも大盛況のうちに幕を閉じたのだが、他の場所でもツアーをやろうという声もあるとか。

発売から1ヶ月が経過した今作、昨今リリースから1ケ月もすると高まっていた熱量も落ち着いてきているような印象だが、まだまだ冷めそうもないこの作品をより多くの人の記憶に残すべく、今回両バンドのフロントマンである北畑欽也/五味岳久両氏に協力を頂いて、それぞれのバンドに対しての想い、『Hometown』という作品についてお話を聞かせて頂きました。

CDは各所在庫のある限りにはなるが、今の所会場限定でリリースとなっているレコードは今後も販売していくようなので、是非ライブに足を運びつつそちらもゲットして欲しい。

なおこのインタビューは、ディスクユニオン新宿パンクマーケットにて3月上旬より配布開始の店舗発行ZINE"56XU"にて完全版が掲載される。このZINEのみで掲載されている内容もあるのでそちらも是非チェックを。

Text:松尾駿介(dues 新宿 / KEEP AND WALK)





Interview:吉澤拓郎 (ディスクユニオン 新宿パンクマーケット)

■まず、お互い同じくらいの活動期間だと思いますが、お互いのバンドを知った、また意識し始めたのはいつ頃からでしょうか?

bacho 北畑欽也(以下 K):2006年に初めて神戸のブルーポートでライブを見たのが、LOSTAGEの音楽に最初に触れた時です。大好きなMOGA THE \5を見に行って、lostageも出てました。その翌年、姫路で初めて共演し、五味さんがドラムセットに突っ込んでいたのが強烈でした。

LOSTAGE 五味岳久(以下 G):最初に会ったのはlostageがTOY'S FACTORYからリリースしたDRAMAってアルバムのツアーで、共通の友人であるマッツンに企画してもらった姫路のマッシュルームでのライブの時だったと思います(調べたら2007年の8月でした)。bachoはまだ漢字表記の馬超で、lostageも当時は4人編成で小文字表記時代でした。すごい名前のバンドがいるなと思ったのを覚えてます。ライブとか曲とか人とかを意識するようになったのはいつだったか忘れましたが、神戸のブルーポートでライブを観た時に会場にいるお客さんとの一体感が凄くて圧倒されたのをよく覚えてます。


■そんなお互いを意識する期間を経て、今回のSPLITリリースに至るまでの経緯をお聞かせください。

K:出会って以降もLOSTAGEのメンバーとはほとんど会話した事がありませんでした。2013年の『落葉』リリースのタイミングで2マンを頼んでやってもらって、その打ち上げから話すようになりました。それ以降、ちょこちょこ一緒になる時があって、どこかの打ち上げで五味さんが急に「スプリット出そうや」って言い出したと記憶しています。びっくりしたけどすごく嬉しかった。「約束ですよ。覚えておいてください!」って僕は言ったと思います。

G:どこかで共演したライブ後の打ち上げでボーカルの欽也君に「スプリット出そうや」とか自分から言ったのがきっかけだったと思います。2年以上前ですね。それからライブで欽也君に会うたびに「スプリットどうしますか」っていうのを毎回釘刺されてたところから今回のリリース実現。自分としても誰とでもスプリット出せばいいという軽いノリで声かけたつもりではなかったので、こうやって一緒に一つの作品を作り上げることが出来て感慨深いです。


■2曲ずつの新曲によって構成された今作、ずっと流し続けたくなるような、調和のとれた1枚だと感じているのですが、SPLIT作品であることを意識しての曲作りをされたのでしょうか?自身たちのみでのリリースと、曲作りにおいて何か違いはありましたか?

K:曲を作る段階からLOSTAGEとのスプリットの曲と意識して作りましたが、それがどこまで曲作りに影響したかは自分でもわかりません。完成した作品を聞くとたしかに影響があると思うし、単独で出す音源とは一味違う感じになったと思います。

G: LOSTAGEメンバーとスタジオで集まってbachoならこんな感じで曲作るんじゃないかとか、作詞の時も欽也君ならこんなことを歌うんじゃな いかとか意識しながら曲の制作を進めてた感じもあります、逆に自分達らしさというのも普段の制作より意識してやっていた感じもします。同じ作品に 曲が収録されるので、調和とコントラストは結構意識してました。単独作品と比べるとその感じが滲んでると思います。


■曲順はどのように決めたのでしょう?

K:全曲録音が終わって互いに曲を聞いた時、五味さんが「No Memoriesから始めたい」と言って、そうなりました。

G:全曲マスタリングまで終わって、それぞれの楽曲が出揃ったところで自分からの提案でこの曲順になりました。特に反対意見もなく、全員一致で。 bachoの"No Memories"は最初に聴いた時から1曲目に持ってきたいなと個人的に勝手に決めてたとこはあります。


■SPLITを共同で作る前と作った後では、お互いのバンドの印象に変化はありましたか?

K:イメージしていたよりLOSTAGEは柔軟なバンドだと思いました。良い意味で。良いものを作るのに手間を惜しまないし自分達の作ったものをとても愛してるなと思い、LOSTAGEがより大好きになりました。

G:想像してたよりもいいものが出来て嬉しく思ってます。bachoが良いバンドだというのは前から薄々感じてましたが、やっぱり良いバンドでした。


■今回、曲が出揃った段階で五味さん提案の『HOMETOWN』というタイトルになったかと思うのですが、他にあがった候補はありましたか?

K:当初タイトルについては何も決まっておらず、思いつかなかったらつけなくてもいい、ぐらいの感じでした。録音前に一度拓人の店で飲んだ時に、五味さんが『熱いおじさん』みたいな感じのタイトルないかなと酔って言ってたので、後に『HOMETOWN』というのが自然に出てきて本当によかったと思います。さすがです。

G:他の候補はなく、『HOMETOWN』でどうかなという提案から全員一致で決定しました。全員一致だったのか特になんでもよかったのか、他メンバーの意図はわかりませんがピッタリなタイトルだと思います。あとで気づいたんですがアジカンの最近出たアルバムのタイトルと被ってしまってたのはなんとなく申し訳ない気持ちではいます。たまたまなんですが。


■12インチも制作したとのことで、アナログな媒体に音を残すことへのこだわりを感じます。何か特別な思いはございますか?

K:アナログのみでのリリースを考えていたのですが、多くの人が聞きやすいように今回はCDも作る事にしました。CDも嬉しいですがレコードに自分達の音楽が入るのは特別な喜びがありますし、自分の部屋でレコードをかけるのもとても楽しい時間です。

G:自分が地元奈良でレコードショップを運営しているというのもあり、レコードという媒体には思入れがあるというのもありますし、手にとって触れることの出来る音楽体験として残したいという気持ちはいつもあります。


■双方の魅力をお聞かせください。

K:名曲ばかりなのはもちろんなんですが、ライブがとんでもなく最高です。五味さん、拓人、岩城さんのそれぞれの音がやばいし、それが合わさった時のとんでもない奇跡のようなグルーヴ感はいつ聞いても心が震えます。「バンドっていう音楽の表現の形にとんでもない可能性と奇跡がある」っていつもLOSTAGEを見て思います。活動の仕方も音楽と共に、それを楽しみながら生きているという感じがとても自然でかっこいいです。

G:ライブでお客さん達がbachoの歌を一緒に歌っている姿を見ると、それこそがライブの醍醐味というか、自分もその一部になれているような気持ちがするところが本当に素晴らしいと思います。


■奈良、姫路の音楽シーンで、"このバンドが面白い"や、"ここに行けば面白い音楽がある"といった、ローカルに身を置いてるからこそ知りえる"人"や"場所"は、何かありますか?

K:正直言って姫路はなくなってきていて、最近になって自分達で作っていく事が必要だと思っています。

G:そういう場所を作ろうと思って自分でTHROAT RECORDSを奈良で始めました。おかげさまで今年で7年になります。


■ホームタウンでのライブは、やはり他の場所にはない意気込みや、特別な思いはありますか?常に全力でライブに挑んでるとは思いますが、ホームタウンならではの心持ちがありましたらお聞かせ下さい。

K:特別な気持ちはもちろんあります。昔からの友達にも良いところ見せたいし、地元でのライブに期待して遠くから来てくれるお客さんもいるので。

G:昔から思っていることですが、上京して一旗上げるみたいなことを考えるより前に、「まず自分の身の回りにいる身近な人に自分の思っている純度を保ったまま、新鮮な音楽を届けたい」という思いがあり、地元でのライブの時はそれをより強く考え、感じながらプレイしています。


■今、気になっているバンドや、一緒にSPLITを作ってみたいバンドはいますか?

K:この前静岡で見たGEZANのライブが本当に衝撃でした。前からもちろん知ってはいましたがどんどん進化していて、あまりのやばさにライブ後少し落ち込みました。あとはAnd Protector。最近見れてないんですが、大好きなのでいつかSPLITやりたいです。

G:今はbachoとのスプリット作品とリリースツアーのことしか頭にないので、思い当たるものはありません。

  • bacho / lostage / Hometown EP

    PUNK

    Hometown EP

    bacho / lostage

    (有)コズミックノート / JPN / CD / EZCT82 / 1007832786 / 2019年02月06日

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    bacho / lostageのsplitがリリース決定!【bacho】 2002年結成、兵庫県姫路を拠点としたエモーショナル・ロック・バンド。 当初は北畑欽也、伊藤知得ら3名でスタートしたが、 メンバーチェンジを重ねながら、2008...

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